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「カンドさん」

すこし前の夕方、街をぶらついていたら、ある家の前で、お母さんらしい人が、

「あ、カンドさんだ!カンドさん、こんにちわって言いなさい」

すると、2~3歳の赤いワンピースを着た、眼のクリクリした女の子
が、一寸恥ずかしそうに「カンドさん、こんにちわ」。

あたりには誰もいないから、どうやら私のことらしい。さてどうしようか、人違いだと説明するか、無視して歩み去るか、カンドさんになりきって答えるか。

私はそのどれもせず、ただ、黙ってニコニコしながら、パッと広げた左手を女の子に振ったのだ。

しかし、一体、彼女達の言っている「カンドさん」とは誰なんだ?
ここで私の想像はパッと翼を広げる。

もしかしたら、あの「カンドー神父」???。
ちなみにその日の私は上着もズボンも靴も黒ずくめの上に、
つばの広い帽子を被っていた。

ところが10日ほどして「かんど商店」と言う大きい看板を見つけた。
想像の世界は、そのとたんに消えてしまった。
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