映画の感想など・・・基本的にネタばれです。
しづのをだまき
人生はわれらのもの
1936 仏 61分 モノクロ 原題《La vie est a nous》監督 ジャン・ルノワール ジャック・ベッケル他 出演 ジャン・ダステ、ジャック・B・ブリュニウス DVD10枚組 究極のフランス映画 不朽の名作集「素晴らしき遺産」より
これは異色。第二次大戦前、フランス左翼とソ連の蜜月時代の作。
序幕は、小学校の教室で。先生が、フランスの豊かさについて滔々としゃべっている。国土・産業・文化・芸術・ファッションについて。だが放課後の子供たちのお喋りは、貧しい生活を露呈する。
工場で人員整理のため老人が首を斬られそうに。仲間がストライキで抗議して、撤回させる。
農場で。貧しい農夫が、借金を返せず家具や家畜を差し押さえられる。皆が一団となって、奇想天外で愉快な方法で救い出す。
都会で。知識層の青年が失業して町を放浪し、飢餓に苦しんでいると、共産党に救われる。
1934年の大衆デモ、右派と左派の衝突、共産党幹部の演説が、そしてソ連の国旗やレーニン・スターリンの肖像までもが登場する。
一言で言うとフランス共産党のプロパガンダ映画であるが、丁寧に作られており、人情に訴えて涙ぐませたり、機知に富んで笑わせたりする。画家ルノワールの子ジャン・ルノワールやジャック・ベッケル等の名匠が、こうした活動をしていたこと、何よりもこの映画がフランス名画選に含まれていることが新鮮に感じられる。
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