goo

【映画】王と鳥

1979 仏 長編アニメ 原作 アンデルセン「羊飼いの少女と煙突掃除」監督 ポール・グリモー 作詞 ジャック・プレヴェール 訳 高畑勲 レンタルDVD

この映画の前身で、1952年公開のアニメ「やぶにらみの暴君」は、九州に住んでいた頃、薄い大型の漫画本になったのを見た。今もところどころ覚えているほどだから、子供心に強い印象を受けたのだろう。宮崎駿、高畑勲にとっても生涯を左右する経験だったと聞くと、隋分先輩であるが同世代のような親しみがわく。

物語(ぴあより)
タキカルディ王国の高層宮殿の最上階には、王、羊飼いの娘、煙突掃除の青年の絵があった。王に仲を引き裂かれそうになった娘と青年は絵の中から飛び出し、階段を駆け下りて脱走を計る。

「王」は暴君で国民から嫌われているが、孤独で、自分のやぶにらみをいつでも気にし、こっそり絵の中の羊飼い娘に恋をしている。王国の最下層には、太陽も小鳥も見たことのない貧民たちが住む。「鳥」は4羽の小鳥を育てるやもめの父親だが雄弁家で、猛獣たちを煽動して反乱を起こさせる。権力への痛烈な風刺と、絵の美しさ、音楽と歌の良さは今も感動的だ。ラストは、戦争や支配体制へのフランス人の怒りを表して衝撃的だ。高畑氏は、こういう風景は敗戦時に自分も経験したと言っている。

※1974年5月に、島根でも県民会館名画劇場で「やぶにらみの暴君」が上映されている。10月15日記

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« BLOGを始めた頃 【映画】シャ... »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。