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映画「ミッドナイト・イン・パリ」


2011 米 94分 DVDにて鑑賞  監督・脚本 ウディ・アレン 原題≪Midnight in Paris≫ 
出演 オーウェン・ウィルソン M.コティヤール レア・セドゥ K.ベイツ A・ブロディ マイケル・シーン

評価 ★★★★☆(90点)

初めてこの映画について知ったのは2011年10月の、海外在住のCCさんのブログでだった。その2年後、13年2月に県民名画劇場でもDVDでも見たが、当時わがブログが休み中で通過。最近また見たので記事にすることに。

ウディ・アレンが故国アメリカで最も人気を博した映画らしい。
2012年度のアカデミー、ゴールデングローブ、全米脚本家組合、放送映画批評家協会の脚本賞を総ざらいしている。

【物語】
1920年代パリにあこがれる作家志望の主人公が、旅行中、深夜に散歩していて、ふとその時代に紛れ込んでしまい、敬愛する作家や芸術家たちと交流する。
ところが、その時代の人々も、ベルエポック(19世紀末)にあこがれており、またその時代にさかのぼると、ルネサンス時代にあこがれている。そこで主人公ははたと悟る。生きている現在のこの時代でしか人間の生活も創作もありえないということを。

ウディアレンのパリへの憧れは、「世界中がアイラヴユー」1996にも表れ、セーヌ河畔で彼が踊るシーンもあった。

本作はSFファンタジーであり、行きずりの恋愛も絡めてある。(アレンの対象は大体が少女じみた若い女性で、自立した骨太な女性を避ける節がある。しかしその少女じみたミア・ファローとの関係もつまづいたのだが)

メッセージとして、妥協せず俗物的にならず、勇気をもって本心に忠実に生きようというのが常にある。
骨董屋の店員レア・セドゥーの目は、時代を超越する、神秘的な魅力があった。
サルコジ元大統領夫人カーラ・ブルーニがロダン美術館の案内人を演じ「不完全なふたり」での姉ブルーニ・テデスキを思い出し、にやりとさせる。
エイドリアン・ブロディの「ダリ」と名前を連呼するだけの自己紹介は天才を自称するハッタリ性が出ていて笑える。
主人公が恋する娘は、ピカソやヘミングウェイに引っ張りだこの美女(マリオン・コティヤール)だが、私には彼女の魅力がピンとこなかった。男性の目には、他の男性にモテているということが即その女性の価値を高めるという傾向があるのではなかろうか。これは競争心というべきか、同性愛的というべきか、どちらにしてもその女性への純粋な愛とは思えないのだが。

この映画の魅力は何と言っても、ドガ、ロートレック、ゴーギャン、ヘミングウェイ、フォークナー、フィッツジェラルド夫妻、ピカソ、ブニュエル、ダリ、マン・レイ、ジョセフィン・ベイカー、TSエリオット、コール・ポーター、コクトー、ガートルード・スタインとアリス・トクラスのカップル、同じく同性愛のデューナ・バーンズ、などの綺羅星のごとき著名人が生きて動く世界が見られること。時空を超えた「脳内パリ」であり、昔のひとなら「神の国」とでも言いそうな無可有郷が目の前に展開することである。

パリ(フランス)
 →「エーゲ海の誘惑」10-2-28
 →「クロワッサンで朝食を」14-7-20
 →「ル・ディヴォース」11-2-2
 →「旅上」7-2-20
ウディ・アレン
 →「それでも恋するバルセロナ」9-12-6
 →「タロットカード殺人事件」14-11-11
 →「恋のロンドン狂騒曲」 14-11-16
 →「人生万歳!」14-11-29]
 →「ローマでアモーレ」14-3-24
ダリ&ルイス・ブニュエル
 →「天才画家ダリ」12-12-19
 →「昼顔」12-9-16
ロダン美術館
 →「不完全なふたり」7-9-12
レア・セドゥ
 →「美しいひと」10-8-1
 →「美女と野獣」14-11-12
 →「アデル、ブルーは熱い色」15-3-19
マリオン・コティヤール
 →「パブリック・エネミーズ」9-12-18
オーウェン・ウィルソン
 →「ナイト・ミュージアム エジプト王の秘密」15-3-27
→「ナイト・ミュージアム2」9-8-19






コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
Unknown (桃すけ)
2014-08-23 17:15:53
この映画みました。綺羅星のごとき著名人が生きて動く、まさにその通りで、だから観に行きました。珍しく一人で・・。この時代のパリに生きていたかったなあ、とバカみたいなことを思いながら。
 
 
 
Unknown (Bianca)
2014-08-24 14:00:39
桃すけ様
大阪でもやっていましたか?独りでとは、勇気がいったでしょうね。でも実際にパリに行くことを思えばどうと言うことないかしら。大阪は東京よりは少ないけれど、いろいろな映画が見られていいですね。
 
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