映画の感想など・・・基本的にネタばれです。
しづのをだまき
映画「TOVE トーベ」
2020 フィンランド・スウェーデン 103分 新宿武蔵野館にて10月4日鑑賞
監督 ザイダ・バリルート 出演 アルマ・ホウステイ クリスタ・コソネン
コロナ警報が解除されたが、10月1日は台風で荒天だし、続く土日は混みそうなので遠慮、月曜の午後まで待った。県境を越えて東京に入るのは2年ぶり。JR湘南新宿ライン(大船~新宿)を初利用。新宿武蔵野館は、前にいつ来たのか記憶にない。(どうも移転したようだ)
映画は「ムーミン」の作者であるトーベ・ヤンソン(1914~2001)の伝記。わかいころ、男や女に恋して、生涯の恋人(女)に巡り合うまでを描いている。
ヒロインを演じるアルマ・ホウステイはレ二・ゼルウィガー風の丸みを帯びた容貌で普通っぽく、あとでみると本人の顔はもっと細長くとんがっている。最初の女の恋人、ヴィヴィカ(クリスタ・コソネ)は、与謝野晶子風の黒髪長身。
実は「ムーミン」が日本に紹介されたのが、1960年代なかばで、わたしは、一冊も読んでいないので、大したことは言えないのだが、ちらっと見た限りで、孤独な放浪者のスナフキンがいいなあと思っていた。そのモデル(アトス・ヴィルタネン)、一度は彼との結婚も考えるが、彼女は本質的に異性愛者ではなかったらしく、彼も「鈍感になれないのがつらい」とか言って、別れてしまう。父も母も、彫刻家や画家で、さらにスウェーデン語を話しながらフィンランドに住む少数派という点でも、孤独に運命づけられた作家と言える。それだけに作品のムーミン谷の中に故郷を求めたのでは。
ヴィヴィカと知り合って恋に落ちるシーンが、とても魅惑的。「竜にさらわれたよう」と形容しているが、どれだけ目くるめく経験だったのだろう。
しかしフィンランドがこれほど芸術性に富む素敵な所だとは、1984年晩秋に旅行したときは、わからなかった。市庁舎の食堂のフレスコ画を見たかった。ヴィヴィカを描き込んでいるらしい。「ムーミン」は今から読んでみよう。
→「バルト海クルーズ」 8-11-16
→「かもめ食堂」10-2-27
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