映画の感想など・・・基本的にネタばれです。
しづのをだまき
映画「エクソダス 神と王」
2014 米 150分 原題≪Exodus Gods and Kings≫
2D字幕版 松江SATY東宝にて2月3日鑑賞
監督 リドリー・スコット
出演 クリスチャン・ベール ベン・キングスレー ジョエル・エドガートン ジョン・タトゥーロ
旧約聖書の「出エジプト記」の映画化。1956年には「十戒」がある。
ヨセフとその兄弟の移住から400年、エジプトのユダヤ人は数が増えて脅威と見なされ、奴隷として酷使される。そのユダヤ人40万人を引き連れてモーゼがエジプトを脱出する。
「十戒」では偉丈夫チャールトン・ヘストンがいかにもヒーローらしいモーゼを演じていた。
今回は、クリスチャン・ベール。比べると、背丈がやや低く、容貌も地味であるが、この方が史実に近いかも知れない。お蔭でどれがモーゼか初め分らず、坊主頭のラムセス(ジョエル・エドガートン)のそばにいるのでやっとわかった。(私が人の顔の見分けがつかないだけかも)
「十戒」ではモーセが杖を投げると蛇になったが、それはない。
神が雷光で刻んだ十戒も、本作ではモーセがコツコツ石板に刻んでいる。40日かかるのも無理はない。
水が血になる、蛙が出る、アブが襲う、イナゴが襲う、疾病が流行し家畜が人が死ぬなどは、一連の自然現象のように描写される。最近の異常気象を考え合わせると納得がいく。
その代り神が男の子の形で現れるのは随分思い切った解釈だ。
またモーゼの妻がとても美しい。(「十戒」では妻はアン・バクスターの王女より見劣りすると言う設定だ)
そしてクライマックスの紅海をわたるシーン、海が割れるのはひき潮のせいにされているが、
追ってくる軍勢が崖から落ちたり波にのまれたりする所は壮大でカタルシスを感じる。
実子のラムセスよりもモーゼが父王(ジョン・タトゥーロ)に愛されるという兄弟の確執は、聖書には、そしてアメリカ映画にもつきものだが、親の愛を巡って争う、すでにゆりかごの中で人間の悲劇は始まり、これが戦争の原点でもある、と思うのは悲観的すぎるか。
リドリー・スコット
→「エイリアン」12-5-3
→「トリスタンとイゾルデ」6-11-5
ベン・キングスレー
→「エバーラスティング」8-4-13
ジョン・タトゥーロ
→「ジゴロ・イン・ニューヨーク」15-4-4
「十戒」
→「ノア 約束の舟」14-6-23
コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
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火山の周辺の海の色が、噴火によって赤さび色に変わり、魚は噴出物によって毒死し、空には気象の激変が起こり、
つむじ風や洪水が襲い、赤く色づいた雨が降ることもあるといいます。
さらに、火山爆発によって起きた津波によってエジプト軍を、呑み込んだことも起こり得ます。・・・はたして?・・・
TBとコメント有難うございます。
火山の爆発による現象ですかぁ、辻褄が合いますね。そのどさくさに、不満のたまっていた奴隷たちが好機到来とばかりに逃げ出したのは有りそうな話です。それをモーセへの神の助力と人々は解釈したのでしょうか。事実を都合よく解釈するのが神話とか歴史とかになるのかも知れませんね。