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【映画】僕と妻の1778の物語

2010 日本 監督 星譲 出演 草彅剛 竹内結子  鑑賞@松江SATY東宝 35点

SF作家・眉村卓(1934~)と妻悦子(~2002)の実話がもとになっている。
物語:ガンで余命1年と宣告された妻節子のために、毎日3枚のSFを書くことに決めた牧村朔太郎。ついに5年近くもそれは続いた。

これは夫婦愛と銘打っているが実は母子愛の物語なのである。その子供は5歳くらい。お母さんが死んじゃう、大変だ、僕は何ができるかな。お洗濯か、お料理か、今までやったことがないから、何をしてもドジばかり。お母さんは、もういいよ、私がやるから、そこでお絵かきしていなさい、といってくれた。そうだ、僕はお母さんを喜ばせるために、毎日いっしょうけんめい絵を描くんだ・・・・・・。母は一人で生きられない子供を憐れに思い、子の為に、1年のところを5年生きた。

まあたいていの俳優には難しいだろうが特に草彅剛には作家役はそもそも無理だったのでは。彼に似合うのは、複雑さの無い役。「日本沈没」で魚雷艇に乗り込む崇高なまでに単純な自己犠牲の役をやったが、あれははまり役だった。

眉村卓氏の小説を読んだことが無いので(これから読もうと思う)、映画で見る限りでは、一人の女性が人生をささげるほどの値打ちがあるとは思えないのだが、ただひとつ、文章の上達のためには、毎日かならず一定量を書くという方法はなかなか優れていると思う。その上、妻が喜んで読み、批評し、励ましてくれるのだから・・・。

「キネマ旬報」最新号によれば、眉村氏は、実際は60代だったと語る。「30代だったら、物語を書くことに専念するよりも薬代を必死に作っただろう」と。監督の星譲氏が、草剛に言わせると「ピュアな」人で、このシナリオはすべてその反映らしい。

死の床に横たわる竹内結子の姿が良いので25点に10点追加した。

→「眉村卓氏逝去」19-11-6
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