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【映画】レイトン教授と永遠の歌姫

2009年 日本 105分 12月21日松江SATY東宝で鑑賞 アニメ 監督 橋本昌和 声優:大泉洋 堀北真希 渡辺篤郎 相武紗希 Professor Layton and the Eternal Diva

TVゲームの映画化。30年前の夏、2年振りに帰国したら大半の喫茶店のテーブルにインベーダーゲームがついていたのがショックだった。それ以来、子供も大人も猫も杓子も取り付かれたTVゲームとは無縁でいたが、ついにアニメでお目にかかることになった。

父と娘の対話は泣けたが、それ以外、全く感情移入のできない話。どんどん人が死ぬにも拘らず、退屈で眠りそうになった。
筋は荒唐無稽だし、人の顔は好きでないし(レイトン教授はまあまあ)倫理観はめちゃめちゃだし、知識は表面的で不確かだし、まったくとりえなし。

主人公レイトン教授はシルクハットを被った英国紳士で、ドリトル先生と名探偵ホームズの混合という感じだ。自称弟子のルークは鳥打帽を被ったワンパク小僧。レイトンに憧れて、「英国紳士」を目指すと口癖に言うが、ちょっとそれは無理でしょう。例えば、皇太子に憧れて、かれを目指すという人や、サムライに憧れる外国人がいたとして、我々が「どうもねえ」と言うようなものだ。英国紳士はごくわずかな例外はあるかも知れないが、基本的に生まれで決まってしまうと私は思う。

人の記憶を別人の脳に移し変えるという話は1990年の「トータル・リコール」にあった。中高生はまだ生れていない時代の映画だ。

「瀕死のおじいちゃんに永遠の命を与えたい」なんて、一体なにを言っているの?子も孫も友人も誰一人生きていない世界で、知らない他人だらけの中で、訳のわからない世界で、一度は死にかけた老人が永遠に生きていくことを想像して言っているの?人間がもし、永遠に生きるようになったらどんなに恐ろしいか、「ガリヴァー旅行記3」でも、ボーヴォワールの「人は全て死す」でも読めばよ~く分る。
「アンブローシア」はギリシャ神話の神々の食物である。国の名前じゃない。

コンサートの観客を突然ゲームに巻き込んで、優勝すれば永遠の命を与え、負ければ命を奪うと言い渡すなんてメチャクチャな設定。人がどんどん死んでゆくのをなんとも思わない。ゲームではありうるかもしれない。例えば将棋だと歩兵とか騎馬とか戦車が出てきて、棋盤の上で戦争を行うが・・・・・・。日頃こんなゲームに馴染んでいる子供たち、哲学のない日本の教育、生命を大事にと口先で言ってもどこまでそれが理解できるか。色々な事件とも思い合わせてゾッとした。

点数をつけるのは控えたいと思うが、この前25点をつけた映画よりももっとひどい。




コメント ( 6 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
はじめまして (かみぃ@未完の映画評)
2009-12-23 18:43:38
TBありがとうございました。

「トータル・リコール」懐かしいですね。
辛うじて夢を人工的に操作したのは覚えていますが、記憶の移し替えなんてありましたっけ?

仮面男は負けたら命をいただくと言っていましたが、実際には潜水艇で脱出させていましたよ。
わざわざレイトン教授に罠に掛かった人たちへ「後で助けに来ます」と言わせたりして、一応子ども向けらしく、この映画の中で死人は出さない(病死除く)というスタンスなんだと思います。
まあ、そういう矛盾も含めて荒唐無稽だったことには違いないですが。
 
 
 
日本インターネット映画大賞募集中 (日本インターネット映画大賞)
2009-12-24 01:02:22
突然で申しわけありません。現在2009年の映画ベストテンを選ぶ企画「日本インターネット映画大賞」を開催中です。投票は1/14(木)締切です。ふるってご参加いただくようよろしくお願いいたします。
 
 
 
かみぃ様 (Bianca)
2009-12-24 22:58:55
コメント有難うございます。あなたのブログ拝見しましたが「カールじいさん」ほか、色々な映画で評価が私と正反対なようで、興味深いことです。「トータル・リコール」には確かに「記憶を植えつける会社」と言うのが出て来るのです。でも映画の最後になって、これは全部夢だったということになると、Wikipedianiaにありました。どっちみち、この映画は私には一番にがてな部類ですが。「後で助けに来ます」と言ってましたっけ。エライお手軽な方法ですね。小学生がお正月に見る映画としてはどうなんでしょう。最近の小学生にはピッタリ????
 
 
 
再度かみぃさまに (Bianca)
2009-12-27 11:50:22
私がTBしたのは、違う意見があることをお知らせしたかったまでで、論争する気はありませんでした。ゆえに長文コメント、割愛させてもらいました。そもそも「トータル・リコール」と言う映画の根幹は「記憶の移し変え」だと思います。もし思い違いならごめんなさい。「そんなものがありましたっけ?」という人に対し、同じ口調で「言ってましたっけ」と答えたのです。人のぶろぐで怒りを爆発させるのはあまり紳士的な行為ではありません。TBに対してはTBをするのが順番では。
 
 
 
お手数おかけしました (かみぃ@未完の映画評)
2009-12-27 14:38:38
Biancaさま

私は作品に対する意見の相違をとやかく言っているわけではないのですが、ちゃんとお読みになったのでしょうか?
必要でしたらもう一度お書きしますが、少なくとも私が怒っているということはご理解いただいたようですので、私の方からこれ以上ことを荒げることは差し控えます。

一応私なりにこちらのご迷惑にならないよう、言葉を選んで書いたつもりだったのですが、それでも削除なさったということは、私の書いた内容に相当憤慨なさってのことなんだろうと思います。
気分を害させて申し訳ございませんでした。
これで最後にいたしますのでご安心ください。

貴ブログのますますのご発展をお祈りいたしております。
--
追伸
TB返しについては、最初にTBをいただいた折に、こちらからも何度かTBしました。
しかしブログサービスの相性なのか、なぜか通らなかったのです。
 
 
 
かみぃさんーその3 (Bianca)
2009-12-27 18:16:09
エール有難うございます。
TBが旨く行かなかったのは、本当に残念でした。成功すれば、コメントもなさらず、したがってこのような気まずいやり取りもなくてすんだでしょうに。TBを繰り返すのに出来ないので、その不満が知らず知らずコメントに現われたのでしょうか。お気づきでしたか?私は文字と言葉の文化で育っていますので、行間を読むことが出来ます。40歳以下の人たちはTVとゲームの中で生まれ育ち、己の小さなプライドを守ることしか念頭にない。いまその結果がこのアニメに花と咲いています。教育と文化の敗北です。いまさら何をかいわんや。
 
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