映画の感想など・・・基本的にネタばれです。
しづのをだまき
〔映画〕 オペラ座の怪人
2004年 米国 2h23(レンタルビデオ 12月20日~)
監督 ジョエル・シューマッカー 原作 ガストン・ルルー
出演 エミー・ロッサム ジェラルド・バトラー
去年の夏、あまりの暑さに、フラッと入った劇場でたまたまかかっていたのを見たものです。一瞬のうちに豪奢な美とスリルの世界に引き込まれて、背筋が寒くなり、暑さを忘れました。ビデオでは、やはりあの時の感銘には及びませんが、見ているうち、画面の小ささを音楽の魅力が上回る時点に達します。
人間の持ち物の中で「声」は一番セクシーなものではないでしょうか。漫才の「麒麟」が2年連続でM-1グランプリの決勝に残ったのも、声のせいではないかと思います。この映画の女主人公が、異論はあるかと思いますが、私にとってはセクシーと言う以外に言いようがない声の持ち主です。世間では怪人や、貴族の青年の評価が高いようですが、私は断固、エミー・ロッサムを推します。
と言っても、彼女は色気タップリというわけではありません。どちらかというと、清純派です。芸道一筋、泉鏡花の登場人物のように、わき目も振らず、精進しています。しかし、そこは日本と欧米の違いで、必ず肉体を基礎においた恋愛感情が一役買います。ただの清潔な?関係では納まらないのです。
露骨な表現はありません。なにしろ、怪奇映画の古典で、1925年にすでに映画化されているのです。女主人公の感じる、くらくらするような熱情も、わずかな変化で暗示されるだけです。この節約振りが好もしいですね。
[付記]
作者ガストン・ルルーは1910年に「オペラ座の怪人」を書く3年前「黄色の部屋」と言う探偵小説を書いています。ホームズとかルパンにも負けない名探偵、19歳のルレタビーユの活躍は、小学5年のころ夢中になって読んだ記憶があります。作者は新聞記者上がりで、そのためか軽快な同時代感覚とユーモアが、怪奇・浪漫主義と入り混じっていい味を出しています。そういう観点から「オペラ座」を見ると、また違う面白さが感じられるかも知れないと、考えているところです。
監督 ジョエル・シューマッカー 原作 ガストン・ルルー
出演 エミー・ロッサム ジェラルド・バトラー
去年の夏、あまりの暑さに、フラッと入った劇場でたまたまかかっていたのを見たものです。一瞬のうちに豪奢な美とスリルの世界に引き込まれて、背筋が寒くなり、暑さを忘れました。ビデオでは、やはりあの時の感銘には及びませんが、見ているうち、画面の小ささを音楽の魅力が上回る時点に達します。
人間の持ち物の中で「声」は一番セクシーなものではないでしょうか。漫才の「麒麟」が2年連続でM-1グランプリの決勝に残ったのも、声のせいではないかと思います。この映画の女主人公が、異論はあるかと思いますが、私にとってはセクシーと言う以外に言いようがない声の持ち主です。世間では怪人や、貴族の青年の評価が高いようですが、私は断固、エミー・ロッサムを推します。
と言っても、彼女は色気タップリというわけではありません。どちらかというと、清純派です。芸道一筋、泉鏡花の登場人物のように、わき目も振らず、精進しています。しかし、そこは日本と欧米の違いで、必ず肉体を基礎においた恋愛感情が一役買います。ただの清潔な?関係では納まらないのです。
露骨な表現はありません。なにしろ、怪奇映画の古典で、1925年にすでに映画化されているのです。女主人公の感じる、くらくらするような熱情も、わずかな変化で暗示されるだけです。この節約振りが好もしいですね。
[付記]
作者ガストン・ルルーは1910年に「オペラ座の怪人」を書く3年前「黄色の部屋」と言う探偵小説を書いています。ホームズとかルパンにも負けない名探偵、19歳のルレタビーユの活躍は、小学5年のころ夢中になって読んだ記憶があります。作者は新聞記者上がりで、そのためか軽快な同時代感覚とユーモアが、怪奇・浪漫主義と入り混じっていい味を出しています。そういう観点から「オペラ座」を見ると、また違う面白さが感じられるかも知れないと、考えているところです。
コメント ( 6 ) | Trackback ( 0 )
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まだ二十歳位ですから艶が出るところまでは行きませんが、歌も演技も基礎はしっかりしてますから、20代後半位から新たな魅力を発揮するのではないでしょうか。「ミスティック・リバー」の時はあまり印象がなくて、「デイ・アフター・トゥモロー」の時初めて気になったのですけど、この映画ではさらに磨きがかかったような気がしました。
まだ20歳なんですか。そういえば、原節子も「白雪先生と子供たち」当時は20歳で、後年の押し出しの良さが嘘みたいに、少女の面影を残していましたっけ。私としてはその方が好みなんですけどね。
でもエミー・ロッサムは良かったですね。「ミスティック・リバー」では僅かな出番でしたが、印象的な役でしたよ。
センチメンタルで、誰にでも理解できるメロディーだけなので、少し物足りないかもしれませんね。私は、普段、あまりミュージカルを見ていないので、趣味が洗練されていず、このあたりで十分満足、というところです。それより何より
「亡くなったお父さんが、音楽の天使を送って、娘を守り、導く」
と言う設定が、私にはこたえられなかったんですよ。
一時期狂ったように本読みした時期があったのですが、その時にガストン・ルルーの「黄色い部屋」読みましたわよ。かなり前なので内容はほとんど記憶にありませんが、とっても面白い探偵もので一気に読んだ覚えがあります。
やはり劇場で見たほうがいいですね、これ。
「黄色の部屋」いいですよね?先日帰郷した際、子供のころー半世紀前ですがー読んだ推理小説集を、持って帰ってきました。わくわくしながら、読み返しているところなんですよ。