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〔映画〕 ニュー・イヤーズ・デイ

1999年 英国 1h46(つたやレンタル)監督 スリ・クリシュナマ 
脚本 ラルフ・ブラウン 出演 ラルフ・ブラウン アンドリュー・リー・ポッツ

お正月なのでこのタイトルを選びました。
今どき珍しい正統派の青春映画、と言うことは、かつて私自身が青春と
感じていたものが、まざまざと描かれているということでしょうか。

南イギリスの高校生が、引率教師を含めて12名、欧州にスキー旅行に出かけます。
雪崩にあって10名が死亡、残った2名の、次の新年までまる一年の物語です。

お金持ちの子スティーブンと母子家庭の子ジェイク、16歳の二人は絶望しますが
「血の誓い」(いかにも古風な男の子の流儀)のもとに「12の約束」(これが
なんともてんでバラバラで、当初はわけが分りません)を達成した後、
一年後に死のうと決め、それを支えに生きていくことになります。

思春期映画というとイタリアなら、肉感的な美女が出てきて、アメリカなら
親兄弟との確執が、フランスなら宗教・哲学的自己の確立が重要になります。
(私とは世界がちがう、と感じさせられるものが大半です。)
ところが、この作品では、人間誰しも持つ形而上学的な「生と死」問題に、
主人公らは正面からぶつかってしまいます。偶発的な死亡事故によって。

クリシュナマ監督はインド系(と聞くとああ、と頷けるものがありますが)英国人、
脚本・出演のラルフ・ブラウンとは映画そのままに昔なじみの友だちとのこと。

生きる意味について深く考え、死への誘惑と闘い、また友人をそこから救い出す、
青春とは私にはそういう時期であったのですが、今の時代は、どのような青春が
展開しているのでしょう。ラストに至るまで、話がどう転ぶか予測がつかず、
飽きさせません。音楽、映像も、抑えめで好感がもてます。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    「NEW YEAR'S DAY ぼくたちが大人になれない、12の理由」
    ラルフ・ブラウン著 金原瑞人訳 
    2001年アーティストハウス発行

映画の後で発行されたのに、リライトでなく、それ自身独立した
読み応えある小説になっています。作者が体験したといわれる
この物語が、起こった当時から二十数年のあいだ彼の内面で
息づき続けていたからではないでしょうか。(2007年1月12日付記)
コメント ( 14 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
あっと言う間の1年ですね。 (sabunori)
2006-12-31 23:22:55
なかなかグッドタイミングなタイトルの作品ですね。
なおかつストーリーもちょっと興味をひかれます。
チャンスがあったら観てみたいと思います♪
ところであっという間にまた1年が終わってしまいますね。
今年はおつきあいいただきありがとうございました。
来年もヨロシクお願いいたします♪
よいお年をお迎えくださいませ。
 
 
 
Unknown (Bianca)
2007-01-01 00:00:24
sabunoriさん、
今年と来年の間に、よくいらっしゃいました。
これ、いい映画でしょう?映画館でも見たいです。
年明け早々、海外ですね。楽しい旅と、
無事なお帰りを待ってます。
 
 
 
あけましておめでとうございます。 (luna)
2007-01-01 17:41:27
初めて書き込ませていただきます。
東京ヴェルディ1969をどうしても見捨てられない、練馬在住のT.Sと申し上げれば、私のことはお察しがつくのではないでしょうか。
年賀状をいただいて、早速遊びに来ちゃいました。
昨年6月より主人は再びロンドン赴任となり、息子は夏休みに続いてあちらへ遊びに行ってしまったので、人生初の一人の年越しとなりました。
その息子は奇しくもこの映画の主人公たちと同年齢ですが、彼も同じように生きる意味について深く考えながら青春を送っています。
私は彼の一番のサポーターとして、常にバッテリーを充電してやれる自分でありたいと願っています。
大変ご無沙汰していたので、長々と失礼しました。
また遊びに来ま~す♪
 
 
 
Unknown (margoto2005)
2007-01-01 23:32:55
Biancaさん“謹賀新年”でございます!今年もおつきあいヨロシクお願い申し上げます。
 
 
 
新客入来うれしいです (Bianca)
2007-01-01 23:33:55
lunaさん、もちろん分りましたよ、お久しぶりです!

早速遊びに来ていただいて有難うございます。
2歳か3歳だった坊やが、もうジェイクの
ような青年に?歳月矢の如しですね!
ご主人が向うなら、自由時間が一杯でしょう。
あの頃の私と一緒ですね?
また来て、近況を、映画の話も、聞かせて下さい。
あのオカメインコはどうしていますか。


 
 
 
楽しい一年を (Bianca)
2007-01-01 23:45:56
margotさん
新年おめでとうございます。
忠実な007ファンと一緒に、またも行ってきましたよ。21作全部見ている彼も、映画のできばえに(ダニエルにも?)満足そうでした。
この一年、楽しいお付き合いが出来るように祈ります。旅行中止は残念でしたね。
 
 
 
今年もヨロシクです。 (J.T.)
2007-01-02 02:03:39
こんばんは。
イタリア・アメリカ・フランスの青春映画の傾向の話面白いですね。
この映画の監督はインド系イギリス人とか・・・そのあたりが色濃く反映されてるのでしょうか。
青春映画は沢山ありますが、トリュフォーの”大人は判ってくれない”とかスティーヴン・キングの”スタンド・バイ・ミー”系のものを思い出してしまいます。楽しい青春映画も沢山あるのにね(笑)

ということで、今年もヨロシクお願いします!
 
 
 
A happy new year! (マダムS)
2007-01-02 07:29:15
明けましておめでとうございます!
昨年末からのお付き合い、ありがとう御座いました。
今年は更に更に映画のお話で交流お願いしたいと思います♪
タイトルの映画はちょっと面白そうですね、調べてレンタル探してみることにします。青春ものは大好きなんです。
年末にはBiancaさんのベストテンを楽しみにする事にしますね(^^)/
 
 
 
Unknown (kazukokawamoto)
2007-01-02 09:27:15
あけましておめでとうお座います。今年もよろしくお願いします。本の読みなかなか追いつかないが、解説の貴女の訳を楽しみにしています。
 
 
 
Unknown (Bianca)
2007-01-02 11:50:57
J.T.さん
エッあの愛すべき「スタンド・バイ・ミー」がスティーヴン・キング原作?と調べてみると、本当ですね!!そういえば「森に死体」がありました。
「大人は判ってくれない」J.P.レオの黒いタートルネックのポスターは、忘れられません。フランソワ・トリュフォーの不良少年魂がそのまま映画製作に生きているような姿勢、最高!それにつけてもオムニバス映画「二十歳の恋」ではトリュフォーや、ワイダの素晴しさに比べて、日本代表石原慎太郎の短編は、いただけませんでしたわ。

マダム
昨年はわざわざお訪ねいただいて感謝です。驚異的守備範囲を誇るマダムにはこの先学ぶことが多そうです。青春映画がお好きなこと判りますわ。心は若者!ですものね、お互いに。

kazukokawamotoさま
いつも静かに独自のペースで進んでいかれる貴女の存在は大きいですね、BLOGでも、教室でも。本の情報交換等々今年もよろしくお願いいたしますね。
 
 
 
Unknown (claudiacardinale)
2007-01-03 01:39:13
あけましておめでとうございます。
今年もビアンカさんの造詣深いコメント期待してます!
 
 
 
Unknown (Bianca)
2007-01-03 01:47:29
claudiacardinaleさん

謹賀新年。貴女のイキの良い、時代感覚あふれる
映画の紹介を期待します。乾杯!!
 
 
 
Unknown (かがみ)
2007-01-09 21:32:41
akaboshiさんのところから飛んできました。はじめまして、かがみと申します。
『ニュー・イヤーズ・デイ』、『NEW YEAR’S DAY―ぼくたちが大人になれない、12の理由』というタイトルで書籍になっています(脚本のラルフ・ブラウンが書いてます)。中学のときに読んで大きく印象に残っています。面白かったなあ。今読んでみるとどうなのか分かりませんが。
最近『スタンド・バイ・ミー』を見る機会がありまして、主人公の兄とクリスのいいやつっぷりで切なくなりました。
 
 
 
はじめまして (Bianca)
2007-01-10 09:12:05
かがみさん、はじめまして。
ようこそお出でくださいました。
「ぼくたちが大人になれない、12の理由」覚えがあります。早速、図書館で予約をしました。
青春ものの読書も映画もお好きのようで、話が合いそうですね。またお会いしましょう。
 
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