映画の感想など・・・基本的にネタばれです。
しづのをだまき
【映画】死んでもいい

1962 米・仏・希 監督 ジュールス・ダッシン
出演 メリナ・メルクーリ アンソニー・パーキンス ラフ・ヴァローネ
原題 <PHAEDRA> 1h40
鑑賞 1963年 初夏@東京のどこか
どこで見たか忘れている。当時の日記も残っていない。
代々木の予備校の授業をサボって、多分新宿かそのあたりで
見たのではないか。
この作品は、「ぴあシネマクラブ」には載っていない。
DVDもビデオも無く、劇場上映も無い。ごくたまに、TVで放映されることがある。
20年くらい前にTVで見たような気がする。
大竹しのぶの「死んでもいい」1992のタイトルは、偶然の一致か?先達の作品への無知から来る、同名異作はよくあることだが、索然たるものがある。
ギリシャ神話に題材をとった「フェードラ」王妃と義理の息子の王子イポリットの(不義の)恋は、エウリピデス、セネカ、近代ではラシーヌと度々取り上げられた。
その伝統が、みずみずしいアンソニー・パーキンスを得て、現代によみがえる。
大英博物館でのふたりの出会い、燃える暖炉の前での愛の成就、紺碧の海岸線をバッハの音楽にのって疾走するスポーツカー(フェラーリ)、ギリシャ彫刻の円盤投げのポーズをするパーキンス、メリナメルクーリの年増(といっても当時35歳)の情熱と魅惑、ラフ・ヴァローネの男らしい逞しい中年の肉体、エルシーの少女期特有のあどけない魅力、どれもこれも忘れがたい。
舞台になったエーゲ海のヒドラ島、その白い家家の間をさまようパーキンスのしなやかな肢体が青年の魅力をキラキラ発散する。こうほめちぎれるのも、現物が近くに無いから、安心して「見てきたように」しゃべれる。
昔、ビデオもDVDも無い頃の映画を見た人の話は、こういう具合に熱が入ったものだ。それを聞いた人の憧れもいや増さり、「いつかは見よう」という思いが募る。待ち焦がれた挙句、見たときの感激はひとしお・・・技術の進歩で便利になったのも善し悪しだと思う。
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07/8/22記:原フィルムの状態が悪く、ボロボロで、VHSもDVD化も不可能だとのことだ。つまり、永遠に失われたわけ。Alas!(嗚呼)
08/4/14記:ところが、TV放映があった。(→08/3/10「お知らせ」参照)
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おっしゃる通り、ひとつひとつの作品を掘り下げて語り合う事は余りありませんし、何度も繰り返して観る事も少なくなりました。時間が無いこともあるのですが、想像力を逞しくして空想する機会が減っていることは確かです。
想像力を働かせるには、目の前に物が無いということと、時間が必要なんでしょうね。そういう意味で、私の子供時代の物不足もある意味でいい作用をしていたと思うのですよ。「世界の文化地理」シリーズで、何度も何度も眺めていた外国の風物、まさか後になって肉眼で見られるようになるとは思いもしなかった頃も、今より豊かな内面をはぐくんでいたのかも。「知らないうちが花なのよ、知ってしまえばそれまでよ」とも言いますし。ところで「フォロー・ミー」は映画館で何度か見たことがあります。ミア・ファローとキャロル・リードの、どちらも代表的な傑作だと思いますよ。ミアのファッションが素敵で・・・富豪の妻なのに、ヒッピー時代のそのままなんです。ウディ・アレンと知り合う前、彼女の本当のよさが、画面に踊っていた頃の作品。パンフも持っています。彼女が、私の友達に雰囲気が似ていたせいもあってね・・・「ぴあ」には収録されていますので、どこかでビデオがあるのじゃないでしょうか、よく探せば。
観ましたコレ!ギリシャ神話って大好きでございます。
アンソニー・パーキンスとメルクーリがスポーツカー...フェラーリでしたか...で紺碧の海を見下ろす道路を走るシーン目に焼きついておりますわ。
多分TVで見たかと記憶しています。
メルクーリは「トプカピ」も印象的でしたね。
そうそうミアの「フォロー・ミー」は最高ですね!
後を付けるトポル...今ならストーカー行為で訴えられそうですね。
確か劇中でヒロインはモーパッサンの「女の一生を」読んでませんでした??
メルクーリは後にギリシャの文化大臣になったので、こういう不倫&近親相姦の匂いのする映画は上映禁止にしたのか?その割には娼婦役の「日曜はダメよ」はビデオが出回っておりますが。
そうそう、私もあんな男につけられたら、途中で気味が悪くなって、交番に駆け込むか(向うには交番はありませんか)なにかするでしょう。その点、跡をつけさせた彼女も太っ腹。直感的に、悪い奴じゃないとわかったのでしょう。トポルって、探偵は目立たぬことをよしとすると言う第一条を簡単に破っていますね。
>8/22付記:原フィルムの状態が悪く、ボロボロで、VHSもDVD化も不可能だとのことだ。つまり、永遠に失われたわけ。Alas!(嗚呼)
…そうでしたか。それで何十年待っても、世界中をネットで探しまくっても、見つからなかったんですね。ようやく理由がわかりました。教えていただいてありがとうございます。
私はこの映画でアンソニー・パーキンスのファンになり、メリナ・メルクーリという大女優を知り、映画に魅せられて、年100本を観るシネ・フィル(映画マニア)となりました。
いまではそんなに観られませんが、ネットがきっかけでまたパーキンスやメルクーリ、その他大好きな俳優のパンフレットや資料を収集し始めてます。
「フェードラ」(「死んでもいい」という日本語タイトルは、公開当時から悪評プンプンで、私も嫌い)は昔TVで3回観て、最後に観た時ビデオに取りました(多分)。
記録によれば、観たのは
昭和53年(1978)5月19日
同54年(1979)1月24日
同54年6月18日 です。
当時の日本発売のサントラ・アルバム、海外版アルバム、CDも入手しましたし、映画パンフレットも探せました。
来年あたりには何らかの形で、手元の資料などを公開し、アンソニー・パーキンスという俳優を、「サイコ」しか知らない若いファンに知って欲しいし、映画の素晴らしさも知って欲しいと願ってます。
長々と失礼しました。
コメントありがとうございます。引越し中で、お返事が遅れましたこと、お許しください。
そうですか、トランペットさんも、この映画に魅せられておいででしたか?うれしいです、そんな方がいらっしゃったと知って。いろいろ収集していらっしゃる由、折が来たらぜひ見せていただきたいと楽しみにしています。
「サイコ」以来、変なイメージが付きまとうアンソニー・パーキンスの真の魅力が発揮された映画ですよね。何とかもう一度復元できないものでしょうかねぇ。
でもそろそろ落ち着かれた頃ではないでしょうか。
この映画を忘れられないのは、決して私たちだけではありませんよ。当時のキネ旬ベスト10で14だか17位?になってますし、一般ファンもベスト10に入れてる人を何人も見かけました。数年前?だか見たキネジ旬”私の生涯ベスト?”だかに、二人の評論家(一人は荻昌弘)が「死んでもいい」と書いてました。決して大竹しのぶではないと思います(笑)。
また英語版の映画情報のサイトで「なぜこんな素晴らしい作品がどこにもビデオ化されてないんだ!信じられん!!」という嘆きをあちこちで見かけます。この人も上記のような理由を知らないのだと思います。
この方もmixi上で知ってる方ですが、「サイコ」からファンになったとか。でも決してサイコなファンではなく、あくまで俳優としてのアンソニー・パーキンスのファンだそうです。
↑この方です。
まして私は旅行中の自分の写真を公開したりしてるので…。
日記とは別にそれぞれの趣味や関心のあるコミュニティーがあり、そのひとつ「アンソニー・パーキンス」に↑のどぜうさんも私も参加してます。
最近は止まってますけど(笑)。
>「ブログは大通りに鍵を掛けないお店を開いてるようなもの」ということは、世のブロガーとは大胆なのか、抜けているのか、そのどちらなのでしょうね。
ちょっと喩えが悪かったかも?(笑)
現実のお店は強盗に入られたらお金や悪くすると命を取られますが、ネットの荒らしはそこまで行きませんものね。(笑)でもHPのBBSやこちらのようなブログは荒らしやスパムに襲われる可能性があります。
たった一人の荒らしのおかげで閉鎖に追い込まれた所を幾つも知ってますし、聞いてもいます。私がよくレスしてたHPもそれで現在閉鎖中。ここは英語のスパム攻撃の対象になったみたいで、マスターは「削除に疲れた」と言ってました。
mixiは原則として、会員が友人・知人にメールをして招待するという入会方法を採用してるので、荒らしのリスクが少ないんです。ログインもメアドとコードを設定します。誰かしらがその人を知ってるわけで、全く身元不明・匿名の荒らしにはなりにくいシステムなんです。事務局に報告すれば、こんな行為をした人は入会取り消し処分を受けますので。
私も入会当初はmixi内で日記を全面公開してましたが、しかし現在はここも一千万突破、なのでセキュリティーをあげ、個人的に知ってる友人しか公開しないんです。
この世界も現実世界と同じで、危険がいっぱいなんですね。そういえば、以前、メールに毎日数点のエロサイトから入っていたのには参りました。転居してPCを変えてから無くなり、ホッとしています。ここにも、たまに変なコメントが入りますが、まだ対応に疲れる程ではありません。わたしが気がかりなのは、訪問客が固定化してしまうことです。折角発信しているのに、知人、友人だけにしか読んでもらえないのは、残念な感じがします。もちろん、ブログでは顔写真とか、ごく内密なことを発表することは出来ませんが。
それより、ブログの利点は例えば、トランペットさんがこうして訪問して下さったことですね。
Biancaさんは多分、誤解してらっしゃると思います。ミクシィには自分の趣味や関心のあるテーマを誰でも自由に立ち上げられます。これをコミュニティと言います。
例えばアンソニー・パーキンスでコミュを検索(この機能もこのサイト内にちゃんとあります)すると、数件が引っかかります。「サイコ」「アルフレッド・ヒチコック」「アンソニー・パーキンス」「モノクロいい男」等々ですね。
既存のコミュに参加してもいいし(写真UPも可)、気に入るコミュがなければ自分で立ち上げ、管理人になればいいのです。ここにも参加資格(管理人の承諾を必要とする・しない)、公開レベル(公開・非公開)、コミュ内のトピック立ち上げの資格(管理人のみ・参加者だれでも等)があり、細かく設定できます。参加者数も分かります。
ですから自分の日記で公開しようなんて考えていません。友人は殆ど彼を知らないし、関心もないでしょう。白けちゃいますからね(笑)。
私がここに来たのも自分で検索したからで、偶然見つけた訳ではありません。ミクシィでも同様、パーキンスのファンがパーキンス・コミュに辿り付くのです。
http://mycinemakan.fc2web.com/cinema/renai.htm
http://karima-ism.jugem.jp/?month=200612
下方、2006.12.21付けの日記です。
http://members.jcom.home.ne.jp/tricrest/car/opt/f-op.html
http://www.audio-visual-trivia.com/2005/02/never_on_sunday_pote_tin_kyria.html
こちらはメリナ・メルクーリの詳細サイト
Phaedra / Goodbye John Sebastian
動画 がアップされてます。 7,556再生回数
2008年08月03日 — korean subtitle
PHAEDRA-DVD(Anthony Perkins-Melina Mercouri-Raf Vollone) RARE 1962 DRAMA
http://www.ioffer.com/fs_img.html?http://cdn3.ioffer.com/img/item/508/855/56/PHAEDRA.jpg 関連です