吉倉オルガン工房物語

お山のパイプオルガン職人の物語

普通の日

2007年08月07日 | 自分のこと
子供が夏休みなので、伊那の仕事場で修復作業の手伝いをさせたりしています。
何しろ零細事業者ですから、家族労働はアリです。
今回の仕事のケースに限ってですが、再生する部品点数が多く、その下準備までは熟練度はあまり必要でないのです。
子供も役割を与えられた方がやる気を出します。持ち場があってのモチベーションです。
それらの部品の仕上げは、僕と家内でやります。その仕事については、質、早さともに家内が世界最高レベルでしょう。

家族でひとつの仕事を一緒にするというのは、良いものです。
「同じ釜の飯を食った仲間」という言葉通り、寝食、仕事を一緒にするというのは、お互いを理解するのにとても良いです。
職人仕事というのは非常にその人の個性が現れます。それこそプロファイリング出来てしまう程です。

手は遅いけど丁寧で、そこそこ根気もあるが、周囲への注意力がほとんどない兄。
器用で先読みが出来、周囲の状況に気を配れるが根気に欠ける妹。

兄の方は、低学年の頃、学校で友達としばしばトラブルを起こしたものですが、それも無理からぬところで、ヤツは人の脇を通る時などに、よく手や足を当てるのですが、本人は気づいていない。これじゃあ「訳もなく叩いた」と言われても仕方がない。

妹は兄の仕事ぶりにいちいち口を出す、おせっかいおばさん状態で、しかも言う事が当を得ているので腹が立つ。

スケジュールがきつく、この夏休みにどこかに連れて行ってやることは出来ないので、日常のなかでちょっと特別な時間を過ごすように心がけています。
今回は外でBBQです。
北海道の人たちは、夏は公園などで日常的にジンギスカンを楽しんだりするといいますね。友達が昔、北海道を旅した時によくごちそうになったと言ってました。

別に特別でない普通の日に、ちょっと皆で外で食事をする(これも外食というのか?)というのも良いものです。

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2 コメント

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Unknown (ひろなん@風琴屋)
2007-08-08 19:50:06
ムスタファさん、ようこそ!

僕の父もサラリーマンで、一緒に何かしたことはとても少ないです。
僕らの世代ではそういう人が多いんじゃないでしょうか?

家族での共同作業も経験がありません、その代わりに、母親が管理する「お勉強」がありました。
これもまた僕らの世代では多いことだと思います。

その勉強というのは、学ぶことではなく、社会性のための行動規制であり、良い学校へ行くための手段でした。

その辺はまた改めて書こうと思いますが、僕の中には、学ぶこと、生きることが本来楽しいことだという基本がありません。恐らく同世代の多くの人もそうじゃないでしょうか。

僕が子供たちと直接かかわり、一緒に何かをする、話をするというのは、彼らの基本部分に、学ぶこと生きることが楽しいということを伝えたいと思っているからなのです。
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今となっては・・・ (ムスタファ)
2007-08-08 06:55:48
たいへん貴重な家族の姿ですね。

私の会社の先輩の家は農家で(半分入り婿)、本人も実家が農家なので農作業は好きなのですが、婿に入った家の嫁、そして娘2人は農作業をやってくれないそうです。

ひろにゃんさん家では家族総出での仕事。考えてみるとほんの数10年前は家族揃って仕事をやるというのは当たり前のことだったですよね。

私の親父はサラリーマンなので一緒に仕事をするということは考えられないし、私と全く違って無趣味な男だったので、一緒に何かを作るとか、遊ぶということは全くありませんでした。

家族総出のオルガン作り。何か中世の職人の家のようで素敵です。絵に出てきそうな雰囲気ですね。
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