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『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』(きどうせんしガンダム ジ・オリジン)に泣く

2020年05月31日 | 趣味

観なきゃ良かった……。

そりゃあ知ってましたよ。安彦さん(参考リンク安彦良和)の原作漫画。
カプセルホテルの漫画室で通して読みましたよ。
ご本人も当初は執筆に難色を示していたそうですが、描いちゃいましたね。

アニメも情報としては知っていた。
古くからのファン(元ヲタク含む)が嘆いていたのを知っていたので。
そして観ないようにしようと思っていた。

アマプラでつい観てしまった。

取り返しのつかないこと……。取り返しのつかないことををしてしまった……、うう……。

良い言葉ではないけれど「原作レイプ」という言葉があります。
原作を台無しにすることです。
同人誌やネット小説などで部外者の素人がやらかす分には引きつった笑いで大目に見ます。

だがしかし

だがしかし

原作アニメ関係者、しかも大御所級の御大によるその行為は許しがたし!

機動戦士ガンダムという物語は非常に良く練られていて、その前、行間、その後にものすごく想像の余地があったのです、
「その後」は描かれたのですがグダグダになりました。とてもグダグダになりました。
近年になって描き直されたりしています。
グダグダになったので、スポンサーなどが「正史」を整えています。

歴史は夜作られるものですが、

歴史はあとから整えられるものでもあるのです。

想像の余地は「公式」によって描かれ確定し規定のものとなり、陳腐な「やれやれ、何言ってんだか」程度の世界観に成り下がり果ててしまった。
ラノベ原作アニメのようだよ。

作者もアレだけど、スタッフ修正しろよ!

知ってたよ。いろいろアレだって。好き者諸氏が語ってるのを。
画はキレイだよ。CG良いよ。
だけど富野節(トミノブシ、または富野汁トミノジルでも良い)が無いよ。参照リンク富野 由悠季
セリフだけで人間関係や出来事の奥行きが想像できる深さが無いよ。
これでもかと訴えてくる大げさな表現の演出は歌舞伎かと思ったぜ。

深淵のほとりに佇んでいたのが、いつの間にか子供プールの脇に居る気分だよ。

基本的に原作アニメの時系列、出来事の範囲内で話を加えたり膨らませたりしているのだけど、それは2次創作の基本ではあるけれど……。そりゃあ僕たちだって色々想像したりしてたよ。
だけどそれを原作関係者がやっちゃダメでしょ。
しかもアレだし。

アレだし。

早い人(ヲタク)は映画版3部作(81~82年)ですでに足を洗っているのです。
全43話を三部作の映画にした時点で、エピソードはかなり整理されて、それなりの改変もあったわけです。
でも原作アニメの決定的問題点であった作画の悪さは大幅な描き直しですごく良くなったのよ。
それはそれは良くなったのよ。

だがしかし

トミノは決定的な過ち、あえて言おうア・ヤ・マ・チを犯したのだ。
主要登場人物であるシャア・アズナブルを生き延びさせてしまったのだ。
そう、未だにいろいろなCMに出てくる赤いアノ人です。
テレビ版では彼の死亡は直接的には描かれてはいなかったけれど(示唆はされていた)、映画版では生存と脱出が描かれたのです。

当時の少年たち(ヲタク)の多くは喜んだものです。僕もです。
映画版の物語の続きを予感させるエンディングの余韻は良かった!
死んだと思っていたキーパーソンが生きてたことにはすっごく希望を持ったよ。

で、そのあとグダグダになるわけですが。

シャアの生存こそ堤を崩すアリの一穴だったのだ。
改変の先例を原作者自身が作ってしまったのだ。
そこで映画版を切り捨てた早期退職者もいるのだ。
それは今なら理解できる。
でもあの頃の僕たちは希望を持ちたかったんだ。

イヤだったら観るな!
ああ、その通りだ。
だが、つい観ちまったんだ。CGのモビルスーツかっこ良いじゃん?
予告編やダイジェストをいろんなところでチラ見しちゃうじゃん?

つい観ちゃったのよ。

大航海時代

まあすでにアニオタではないこのオレにはどうということはないけどな!


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2 コメント

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私も見たぞ (せいしょこ)
2020-06-03 04:46:29
ごぶさた、せいしょこです。
THE ORIGIN、私も少し前にNHKでやってたのを見ました。
不覚にもけっこう楽しんでしまった。(エンディングの「めぐりあい」を聞いたときには泣きそうになった)
まあ、きれいにできた2次創作だと割り切ってはいるんだけど。

こういうのは受け入れられない人もいるよね、無理なものは無理。
ファン1人1人、思い入れが違うからね。
私が「うる星やつら2ビューティフルドリーマー」を受け入れられないように。(あれは押井守の映画で高橋留美子ではない)

まあ、自分でも書いているように見なきゃいいんだけど。
そうもいかないよなあ、興味はあるんだし。
すでにアニオタではない人にはどうということないんだけどね(笑)

ちなみに今期は「かくしごと」と「波よ聞いてくれ」だな。
「本好きの下剋上」の第2部も毎週楽しみにしてる、転生モノでこういう方向性もありなのか~って感じで。
今期はコロナの影響で途中で終わっちゃったのも(俺ガイルみたいに始まらなかったのも)あって、少し残念だけどね。
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こんな感じ (吉倉オルガン)
2020-06-04 23:26:34
せいしょこさん、待ってたぜ。

オリジンのエンディングの「めぐりあい」良いよね。
GLIM SPANKYは下伊那の出身なのよ。

僕は押井守は概ねダメ。他人のふんどしをこじらせるヤツという感じ。(そこまで言うか!)
複雑そうで意外と浅くてすっきりしない。

「本好きの下剋上」は2話切りしてしまったので、改めてアマプラでまた観てみたよ。
やはり序盤はしんどかったけど、最近は良い感じになって来てるね。
基本的に「知識・技術チート系」は苦手。Dr.Stoneなんかも。
昔の技術の研究とか再現とかに関わってると、ああいう安易さが楽しめないのよ。
いっそ現実感の無い魔法チートの方が気楽。

去年面白かったのは「慎重勇者」。伏線の回収が見事だった。
実は原作を読んでいて筋は知っていたのだけれど上手くアニメ化していた。
個人的には記憶を失ってもなお魂に刻まれた後悔というのがツボだ。

最近観てるのは「はめふら」と「かぐやさま」くらいかな。
「かぐやさま」はタイトルに?が付いて、サブタイトルに打ち消し線が入ってお気楽度が上がった感じ。

「俺ガイル」は手ぐすねを引いて待っていたのだけれど。まあ、そのうちだな。

とこんな感じ。
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