吉倉オルガン工房物語

お山のパイプオルガン職人の物語

その場所は

2010年09月29日 | オルガン
さて、お出かけ散歩の場所は…。

市内長坂町の「清春芸術村」です。
敷地内はちょっとした散歩には最適です。
「だるまさんがころんだ」をやっている家族連れもいました。

僕の目的はここジョルジュ・ルオー記念館(礼拝堂)
りーちゃんはこの建物を見て
「ここ人ン家?」
ぷぷっ、何言ってんだか。
「立派な人の家かと思った」
だって。

ここにあるパイプオルガンこそが僕の原点、僕がこの世界に入ったきっかけなのです。

大学3年生だった僕は、当時バブル真っ盛りの中に居ました。
就職先はあまたあり、先輩よりも新入社員の給料の方が高いなんてことがあった時代です。今からすると信じられませんね。
で、当時の僕も信じませんでした。
こんな時代が続くわけがないと思っていました。

それで、何か職人的な仕事がないかと捜していたのです。
何か木工や家具つくりみたいなの…というくらいのイメージでしたが、いろいろな人に声を掛けていました。
そして「山梨のパイプオルガン工房で人が足りないらしい」という話が来たのです。
早速、そこを訪ねました。
親方は即戦力になる木工経験者が希望だったようですが、ちょいとむりやりもぐり込むことになったのでした。

大学時代は学校近くの教会のオルガンの組み立て作業、整音調律に関わりました。
すでに単位は大方取ってあって時間はあったので、教会に泊まり込んで授業に出て、作業をして、という日々でした。

大学を卒業し、初めて0からオルガンを作るのに参加しました。
それがこのオルガンなのです。

で、次回っす。

最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ripieno)
2010-09-29 23:02:54
清春芸術村懐かしいけど、このオルガンはどうなってるの。
多分誰も弾いていないんじゃないかと思うけど。
誰も弾かなくなったオルガンは、それほど長くは持たないね。
返信する
残念ながら… (ひろにゃんof風琴屋)
2010-09-30 00:16:00
ripienoさん、ようこそ!

僕らにとって忘れがたいオルガンですが、残念ながら死蔵状態です。

あのオルガンはデザイン、機能、サイズ、すべてに於いて画期的ですがそれが生かされないのは本当に残念です。

それでも、たとえぼろぼろになっても在ってさえくれればいつか相応しい場所で生まれ変われる可能性はあります。
返信する

コメントを投稿