利用者さんと話をしてきました。
利用者さん(Mさん)が何を知りたいと思っていらっしゃるのかが分からないので、細かく聞いたのですが、間に入ってくれた図書館の人が新しく配属された方で、Mさんと私との間でこれまで5年以上中国語のテキストを読んできている事を理解されていなくて、私が尋ねたいこととちょっと方向が違うことを言われるので、最初なかなかうまく話が噛み合いませんでした。
今年度のテキストはこれまでのと違ってピンイン表記があまり載ってないので読めない部分がたくさんあると説明してもそれでいいですから読んでくださいって言われる。
読めないものを読んでくれと言われても・・・。
それで、気がつきました。何か他のことを知りたいのだなって。
「ピンインが書いてないので辞書を引きながら読むので時間がかかりますよ。」
と言うと、
「それで、いいです。どんな漢字が使ってあるかも教えてください。」
漢字も日本のと同じもの、似てるもの、全く想像できないもの、同じだけど意味が違うもの、さまざまです。
Mさんは、とにかくたくさんの本を読んでいらっしゃるので、どう言う場合に使う漢字なのかを知りたいのだなと、初めて理解できました。
「じゃあ、このテキストでなく、入門書みたいな物の方がいいと思いますけど?」
「いや、せっかく4月号を買って始めたから、これがいいです。」
仕方ないなぁ。言い出したら聞かない人だし。
この強引さに負けて対面朗読などと言う無謀な事を始めたのだった・・・。
「それじゃあ、時間がかかってもゆっくり一文字一文字辞書で調べながらやりましょう。」
「はい。それでいいです。急ぎませんから。」
で、結局、テキストを読むことに決まりました。
前回、普通のスピードで読んだところはもういいので、続きからと言われます。
よく使う挨拶文10個のところまでしか進んでなかったので、続きからです。
対面朗読も今はコロナの影響で対面ではなくなっています。
別々の部屋でマイクとスピーカーを使ってやってます。
なので、やっぱり、コミュニケーションが取りにくいです。
でも、そうやって読んでいると気がつくことがたくさん有りました。
「あなた」という意味の「にぃ」からして、日本にない漢字です。
辞書を調べてもわかりません。
「人称代名詞」の「称」に似た漢字です(違うんだけど)。
でも、「へん」が違います。「のぎへん」じゃなくて「にんべん」になってます。
こんな説明で伝わるはずはないのですが。
だって「へん」と「つくり」からして説明したことないもの。。。
漢和辞典も必要だ!それも超詳しいやつ。
漢字を調べているうちにいろいろな事がわかってきます。
Mさんよりも私の方がこれまで気にもしなかった事にたくさん気がついて驚きでした。
「さようなら」に使われる「見」という漢字は顔を見合わせる、会うと言う意味。
だから、再び見るで、また会いましょう、さようならとなる。
「本を読む」に使われる「看」という漢字は意識してはっきりと見る、読むという時に使う。映画を見るのもこの漢字です。
「認識」の「認」(簡体字では全然違う字みたいです)は、これまで見えなかったものが見えるようになるという意味。発見すると言ったような意味もある?だから初対面でお会いできて嬉しいと言うときはこの漢字です。
同じ「見る」でもどんな見方、見え方なのかで漢字が違う。。。
すごいなぁ。
後で、「先生(Mさんのこと)、漢字って面白いですねぇ!」って言ってしまいました。
Mさんはやっぱり先生だ。
5年以上も同じことの繰り返しをやってきて、なぜ理解が進まないのかを考えていらっしゃって、ネックになってるところを見つけたんだと思う。
こちらは読むだけだから、全く気にしてなかったし、
また声調(四声)からかぁ、などと軽くみてたんだなと思います。