ゲイリー・グレイディ/スーザン・ゴールドバーグ/レイモンド・エドワーズ著 / 各務三郎訳『シャーロック・ホームズ10の怪事件』(1986年、二見書房)
最初の事件、「武器商人殺人事件(1888年3月20日)」を捜査する。ネタバレあり。
最初の事件、「武器商人殺人事件(1888年3月20日)」を捜査する。ネタバレあり。
「かいつまんで話そう。3月9日の夜7時ごろ、コートニー・アレン氏は、 事務所の裏の路地で射殺された。死体は巡回中の巡査が発見している。スコットランド・ヤードは、この事件をひとりないし複数の強盗のしわざとして片づけてしまった。被害者の財布がからのままそばに落ちていたし、金の懐中時計もなくなっていた、というのが主な理由だ。」
被害者は元グラント武器会社社長コートニー・アレン。死亡時刻は3月9日の夜7時ごろ。依頼人は被害者の弟で株式仲買人のリチャード・アレン。
ホームズが針金を使って被害者の書類カバンを開けると、中からメモが出てきた。
「今夜、『スペイン人亭』で会う、10 AM」
「午後8時30分、イーガン大佐」
「工場 午前8時 すばらしい!」
「『僧正の指亭』、午後8時30分」
「ビリーの母親の誕生日」
ホームズは、メモ帳の筆跡を比較していたが、ぜんぶ同じ筆跡らしかった。彼はうなずくといった。
「これだけあれば、捜査にはじゅうぶんだな」
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