聖戦士マウルヴィーは反乱軍の中で次第に支持者を獲得していった。スパイたちによると、初めはヒンドゥーの諸部隊には力を持っていなかったというが、その後、ハヴェロック(引用者注:イギリス軍の指揮官)がラクナウを攻撃したころになるとこんなふうであった。

「軍隊にたいするマウルヴィーの危険な支配権は次第に高まってゆき、ついに宮廷人たちを危うくするまでになってきた。宮廷人たちのほうではこの僣越きわまる狂信者の足をすくおうと必死に努力したが無駄であった。彼はともかく、その勇気の故に評判が高かった。これは宮廷のその方面の人々にはまったく欠けているものであった。彼は軍隊が信心深く、軽信しやすいことを利用したり、また軍隊の不埒な行為を励ましたりして軍隊の英雄になっていった。そしていまや、イギリスのライフル銃の弾丸が彼の拇指を潰してしまった後だというのに、軍は彼が不死身であると信じてしまった。ラクナウ到着後は マウルヴィーの勇敢さの評判は非常に高くなり、彼はついに神の化身だとうそぶくまでになった。」

これは映画『王になろうとした男』の元ネタなのだろうか。
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