ちょっと冷静になったとこで、ロマチェンコのことを綴る。
さっき凄絶なKO勝ちを収めたワシリ・ロマチェンコ(31)はウクライナ出身で、WBA.WBO世界ライト級チャンピオン。
その略歴をたどるだけで、その凄さが分かる。
アマチュア時代の成績は396勝1敗。
北京五輪フェザー級、ロンドン五輪ライト級ゴールドメダリスト。
プロ入り後の戦績は14戦13勝1敗10KO勝ち。
唯一の負けは、2戦目で世界フェザー級王座に挑戦し、僅差の判定負けを喫したもの。
3戦目で世界フェザー級チャンピオンに。
7戦目に世界S・フェザー級王座獲得。
12戦目で世界ライト級王者に。
12戦目での3階級制覇は史上最速だ。
13戦目でWBA.WBO統一王者に。
そして今日の凄絶KO防衛劇。
この戦績を見れば、ロマチェンコがパウンド・フォー・パウンド1位(全階級通じて最強)といわれる所以が分かる。
一時、「ロマチェンコ勝ち」いう言葉があった。ロマチェンコにメッタ打ちにされ、己のパンチが全然当たらない名だたる強豪が試合を放棄するのだ。4試合くらい続いたかな。
ロマチェンコの何が凄いかといえば、そのスピードとパワー。どこからでも出る高速パンチ。
相手のガードの隙間を狙いすまして叩き込む強烈なパンチ。
アッパーからサイドへの攻撃。
相手が反撃のパンチを放つと、そこに彼はいない。鉄壁な防御。
ロマチェンコの長所を挙げればキリがない。
いつしか彼はボクシング史上最高傑作と言われるようになった。だれも異存ないだろう。
試合後、ロマチェンコは涼しい顔で「この階級の全タイトルを統一します」と言い放った。
それも時間の問題だろう。