高浜語り部の会 終了

　今秋３本目の本番が終わった。
　若狭高浜での語り部の会には昨年に続いて呼んでいただいた。地元の語り部の方たちも
４人に増え、温かで心のこもった素敵な一夜となった。

　昨年より広い施設をお借りした甲斐あって、お客様も倍に増えた。実行委員の「ドコ
イコ！ナニショ！ミニツアー」の方たちが会場の庭に美しい竹細工の灯りを設え、満月の夜に相応しい和の雰囲気が広間を包んだ。

　詩の朗読に始まって、地元の音楽家新谷さんの作曲演奏による絵本朗読コラボ。そして後半は、重厚な短編を１本読ませていただいた。
　
　先日の市民合唱団でのステージを見て下さった恩師が、そのあくる日に偶然お会いした時「お前、進化してるな」とおっしゃった。一瞬どういう意味かわからなかったが、ただ
年とったな、という意味ではなく彼流のお褒めの言葉とわかって心底嬉しかった。

　師匠と仰ぐ故・マルセ太郎氏のいう「丸くなったら芸人はおしまい」を座右の銘として
きたつもりだが、体は疲れを解消できないまま日々が過ぎ、神経だけがとんがっていくような気もして、正直不安を覚えることもあった。が、この言葉は大きな励みとなった。

　長年基礎だけは毎日毎週欠かさずやってきた。基本が基本。もし帰郷していなかったら
、地元の若い劇団員たちがいなかったら、こんなに基礎訓練をするチャンスはなかったはずだ。その分プロの世界で揉まれたかもしれないが、どこかで無理が出たろうと思う。

　思いを深く下支えしてくれる声に私だけの宇宙をのせて、何処までもいってみよう。