シンプルに

　晴天の朝、西の空にクラゲみたいな月が・・・。
　鳴きそびれた蝉たちが「夏はまだ終わってないヨ～」と泣く。
　コオロギや鈴虫たちが「秋が過ぎてゆくヨ～」と鳴く。

　さて、素敵に面白い本を読む度に、人間って複雑さを権威と勘違いする愚かな動物なんだと分かる。

　人生はとってもシンプルだヨ～。

　「夢は天才である」と黒沢明（監督）は言った。
　「願い事をひとつ、そのまま叶えてくれる妖精が、誰にもいます」とベンジャミン・フランクリン（米）は言った。
　「小さきものを大切に出来て初めて、人は幸福になれる」と誰かが言った。

　遠くを見る目と、足元を大切にする心がないと人生をつかめない、と昔から皆が知っていたわけだ。

　なのに何故、人類は滅びへの道を繰り返すのだろう。
　シンプルに生きるには、過去から学ぶ姿勢と勇気は必要だけど、屁理屈は要らないんだヨ！

　シンプル（純然・実直）と単純は、違う。
　シンプルには、歴史に培われた技術と、意志の力すなわち勇気が要る。

　自分の体に訊いて心で感じて、頭は最後ついてくればいい。