人村です!

舞台と結婚したと公言する「人村朱美」が綴る舞台生活 毎週火曜日更新・・・したいなぁ

ため息芝居

2007年08月07日 | 舞台
 俳優養成所で「ため息芝居をするな!」と、怒鳴る演出家がいた。当時は意味がよく分からなかったが、最近TVドラマで新人タレントたちが、よくこれをやっているのに気がついた。台詞に息が大量に混じるのである。ひどいのになると、言い終わりに「アハ-ッ」とため息をもらす。全ての台詞にこれをやる傾向が、若い人に目立つ。あるタレントなどはCMのキャッチコピーの句読点部分で「アハーッ」を連発。気にしだすと不愉快極まりない。

 人間は普段しゃべる際、このように息を混ぜたりしない。何故なら「しゃべりたいからしゃべる」のだから。しゃべるには息がタップリ肺に入っていなければならない。だから息をセーブ(節約)こそすれ、無駄に吐いたりは絶対しないのである。息がタップリなければ次に繰り出す言葉に気迫がこもらなくなる事を、体は知っているのだ。

 台詞も同じ。中身や背景をしっかり掴んでいれば、その台詞の句読点や、言い終わりで息が漏れる事はない。いい役者は皆そうだ。ただ情緒的な台詞の場合、時にため息交じりになることはあるだろうが、これもほとんどないはず。若い役者が老(ふけ)を演じる場面では特に、このため息芝居が目立つ。台詞の中身より、老け役を演じる事に気がいっているからである。したがって中身すっぽ抜けの芝居になる。

 しかし、お年寄りのしゃべりを聞いてみれば分かるが、年とともに、伝えたいが聞いてもらえない立場に追いやられるお年よりほど、息を大事に話すものだ。お年よりは弱々しくため息漏らしながらしゃべる、という誤った先入観がそうさせるのだろうが、息が浅くはなっても、いや、だからこそ、少しも漏らさずにキチンと話す方が多い。

 観察やコピーが役者の修行ではとても大事だが、まずは自分自身を観察してみたらすぐ分かる。普段そんな、ため息交じりのしゃべり方をしていたら苦しくてしょうがない上に、しゃべりたい事の半分もしゃべれまい。

 そういえば韓国の俳優たちにはそんな事感じた事ないなあ、と思った。余韻、情感を最も大切にする、我が国特有の言葉体質(?)が為せる欠陥症状なのか??
コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

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お待ちしておりました! (cheese)
2007-08-07 23:33:04
人村さま
私です・・・
時々おじゃましてました!
東京から応援してます。。。

星椋鳥さま
ブログになって嬉しいです!
いろいろ(!)と頑張ってくださいね!
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お久しぶり! (人村朱美)
2007-08-13 10:32:08
cheese様

お返事遅くなりました。
お久し振り!
HP見てくれてたのね。
ありがとうございます。

今年は『源氏舞』私はお休みですが、
12月中旬からは東京ですので、お会い出来るかな。

見守ってくれる仲間がいると思うとパワー貰えます
感謝
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