人村です!

舞台と結婚したと公言する「人村朱美」が綴る舞台生活 毎週火曜日更新・・・したいなぁ

『世界』満員御礼

2008年04月08日 | 舞台
 【中ノ島公会堂】 

 
【本番風景】
 
 憧れの大阪中ノ島公会堂中集会室は、実に絢爛豪華なホールである。シャンデリアが輝く天井、アーチ型の典雅な柱たち・・・。その柱によって区切られたホール部分と内廊下の部分、そして客席をも含めて、効果的に使いながら『世界』の公演は行われた。しかも私たち出演者が登場するのは、隣接の特別室の三つのドアからで、それが開かれると、演者の向こうに特別室奥のステンドグラスが垣間見えるという趣向。昼公演と夜公演では日差しが違うから、視覚効果も違ったはず。不思議人Mr.時広氏ならではの心憎い演出である。

 演者たちは、身にまとう時広氏の衣装を最大限に魅せる工夫を凝らして進化し続け、お見事!の一語に尽きた。おそるべしプロ魂!私もさらに肝が据(す)わった。
 
 そして本番。心洗われる聖歌のような、ポルトガル語の歌声に乗って開幕。時広氏の衣装をまとった大輪の花々が、時にはダンスや舞、時には詩や台詞の朗誦やファドの歌声、時には古典芸能の音や華麗なピアノの響きとなって次々に開花してゆく。 しかし楽屋は、衣装とヘアメイクチェンジで、さながら静かなる戦場。しかも楽屋は特別室なのだ。登退場でそのドアが開く度に、下着のままスタッフともども壁に張り付いて隠れながら、みな次の出番への準備を続けたのだった。

 やがて、華麗なエンディングを迎えた。私は3回目の着替えとヘアチェンジを終え、エンディングのスタートを切って、この公演の為に書かれた詩「世界」を朗誦。作者が遥々九州からいらして見守る中、一言一句間違えられないというプレッシャーはあったが、思ったより伸び伸び演じられと思う。出来はさておき、楽しめる舞台だったことは確かだ。こんな稀有な体験に参加出来て幸運だった。殊に、“鼓童”の舞姫・小島氏による即興の舞には圧倒された。DVDを観るのが楽しみだ。

 夢のような体験から帰敦してみると、庭の桜は九分九厘満開。その下でトラちゃんの墓が、贈られた花々に囲まれて静かに待っていた。

 あくる日から風邪でダウン。しかし12日(土)京都エミリオ邸での『花の宴』の詰めの作業が残っている。寝ている場合ではないんでした。
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2 コメント

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美しい命ある言葉 (時広真吾)
2008-04-13 00:02:43
「世界」への参加お疲れ様でした。ただ「美」を信じてきた時広の20周年に一体誰が参加するのか、ひとごとのようですが、アーティストたちの中には20年を越えたお付き合いの方から、前日リハで初めて演奏を聴いた人も・・。それを思えばやはり縁で選ばれた人々であったと今も思います。人村さんの表現に対する役者としての言葉に対する真摯なこだわりは私の衣装デザインに対する姿勢にも刺激を与えてくださいました。まだまだ自分の甘さを教えられて益々(美)の創作の為に精進をしていこうと思います。次回はリリック25周年、東京です!そのときはよりインターナショナルなレベルで世界を構築していきたいと感変えています。是非、その時もご縁がありますように!人村さんに負けないように感覚を磨いていきます。宜しくお付き合いの程、お願いいたします。
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こちらこそ (人村朱美)
2008-04-21 11:20:29
 美人薄命と申します。かれこれ数十年程長生きし過ぎてしまいましたので、5年後のお約束はお互い(!)致しかねますが、命あらば是非また選ばれん事を祈っております。
 その日まで、手を抜かずに精進あるのみ。健康第一で舞台に励みます。今後ともよろしく!
 携帯も両手打ちを。(?!)
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