庭の桜がパンパンに膨らみ、明日にも咲き始めるかと期待したが、気温が逆戻りして待機状態に。東京の友人からは開花写真メールが届き、私も、今冬着た分厚いセーターたちをほぼ洗濯し終えたというのに、湯たんぽがないと夜も熟睡出来ない日に戻ってしまった。
猫エイズで余命いくばくも無いトラちゃんは、しぶとく頑張っている。驚くほど水を飲み、私並みにトイレが近い。しかし体は日を追って弱っているらしく、口臭もかなりひどくなった。時々妙な咳きをし、飲み水に血が混じる。餌は生魚にしか興味を示さなくなったので、私の留守に友人に頼むのは無理だろう。
ほとんど眠っているが、時々思い出したように外へ出ようとする。玄関を開けてやると、フラリと表へ出て暫しボーッとし、またフラリと帰って来る。暖かい日は、お向かいのTさんちの庭で日向ぼっこさせるが、それも「?」てな顔をして迷惑そうだ。
トラも、事故で逝った他の兄弟たち同様、桜の下に埋葬してやるつもりだが、満開の頃になるのか、葉桜の頃になるのか、はたまた青葉茂る季節まで頑張るのか・・・。
久々の同居人が居なくなったら、さぞ淋しかろう。
そうこうする内、いよいよ駄目そうになった。足元もおぼつかなくなり、餌を食べようにも口がろくに開かない。それでも鯵の刺身はゴロゴロ言いながら少し食べてくれた。
夜中に出たがるので玄関を開けてやったら、小屋の白ちゃんの隣にもぐりこんでしまった。やりたい事は本能のままにやらせよう。明日は桜も咲きそうだ。
あくる日寒波到来、仙台では雪だという。トラは一気に終末に近づいた模様。ヨレヨレである。お医者様には、安楽死は後が辛いから、もう少し見守るようにと言われた。
その夜、日付が変わる頃、容態はさらに悪化。昼間砂糖を混ぜたミルクを飲んだのが最後で、未明4時頃に逝った。身動きも出来ないなか、しきりに便をしようと力んだり、尿を出そうと前足を動かすので抱いてやると、いつものように嫌がる元気もなく腕の中に納まった。お尻から琥珀のような尿がこぼれ落ちた。
トラちゃんは今、我が家の桜の根元に眠っている。夕べの雷雨が嘘のように晴れた朝だ。世話になった方々にメールを打ち、病院にも報告をした。皆さん次々と、お供え物を手に弔問に来て下さり、中には香典まで置いてゆく友人もいて恐縮。病院の先生までが花束を贈って下さったのには感動した。
皆さん!本当に長い間お世話になりました。
それにしても、「ペットは死ぬからもう二度と飼わない」と言う人の気持ちがよくわかった。トラは、餌をやっていただけの野良だったが、最後を看取るというのは心身ともに辛い事だった。これが愛するペットだったら・・・ペットロス症候群(ペットを失った後の虚脱感からうつ病になったりする心の病気)になるのも無理からぬ。
世の中には、自分の身に起きねば理解できない事が、まだまだたくさんある。
明後日4月3日には、ステージ『世界』で「今日は死ぬのにもってこいの日」という詩を詠む。まさに、我が家の桜が咲き始めた今日は、冬を乗り切ったトラちゃんにとって最高の好き日であったかも知れない。
冥福を心より祈る。
猫エイズで余命いくばくも無いトラちゃんは、しぶとく頑張っている。驚くほど水を飲み、私並みにトイレが近い。しかし体は日を追って弱っているらしく、口臭もかなりひどくなった。時々妙な咳きをし、飲み水に血が混じる。餌は生魚にしか興味を示さなくなったので、私の留守に友人に頼むのは無理だろう。
ほとんど眠っているが、時々思い出したように外へ出ようとする。玄関を開けてやると、フラリと表へ出て暫しボーッとし、またフラリと帰って来る。暖かい日は、お向かいのTさんちの庭で日向ぼっこさせるが、それも「?」てな顔をして迷惑そうだ。
トラも、事故で逝った他の兄弟たち同様、桜の下に埋葬してやるつもりだが、満開の頃になるのか、葉桜の頃になるのか、はたまた青葉茂る季節まで頑張るのか・・・。
久々の同居人が居なくなったら、さぞ淋しかろう。
そうこうする内、いよいよ駄目そうになった。足元もおぼつかなくなり、餌を食べようにも口がろくに開かない。それでも鯵の刺身はゴロゴロ言いながら少し食べてくれた。
夜中に出たがるので玄関を開けてやったら、小屋の白ちゃんの隣にもぐりこんでしまった。やりたい事は本能のままにやらせよう。明日は桜も咲きそうだ。
あくる日寒波到来、仙台では雪だという。トラは一気に終末に近づいた模様。ヨレヨレである。お医者様には、安楽死は後が辛いから、もう少し見守るようにと言われた。
その夜、日付が変わる頃、容態はさらに悪化。昼間砂糖を混ぜたミルクを飲んだのが最後で、未明4時頃に逝った。身動きも出来ないなか、しきりに便をしようと力んだり、尿を出そうと前足を動かすので抱いてやると、いつものように嫌がる元気もなく腕の中に納まった。お尻から琥珀のような尿がこぼれ落ちた。
トラちゃんは今、我が家の桜の根元に眠っている。夕べの雷雨が嘘のように晴れた朝だ。世話になった方々にメールを打ち、病院にも報告をした。皆さん次々と、お供え物を手に弔問に来て下さり、中には香典まで置いてゆく友人もいて恐縮。病院の先生までが花束を贈って下さったのには感動した。
皆さん!本当に長い間お世話になりました。
それにしても、「ペットは死ぬからもう二度と飼わない」と言う人の気持ちがよくわかった。トラは、餌をやっていただけの野良だったが、最後を看取るというのは心身ともに辛い事だった。これが愛するペットだったら・・・ペットロス症候群(ペットを失った後の虚脱感からうつ病になったりする心の病気)になるのも無理からぬ。
世の中には、自分の身に起きねば理解できない事が、まだまだたくさんある。
明後日4月3日には、ステージ『世界』で「今日は死ぬのにもってこいの日」という詩を詠む。まさに、我が家の桜が咲き始めた今日は、冬を乗り切ったトラちゃんにとって最高の好き日であったかも知れない。
冥福を心より祈る。