人村です!

舞台と結婚したと公言する「人村朱美」が綴る舞台生活 毎週火曜日更新・・・したいなぁ

世界の時代劇

2019年08月20日 | 徒然
 オスマントルコ10代目皇帝のドラマ(48話)を10日足らずで観てしまった。
 
 最盛期を迎えるトルコ帝国が欧州征服を果たす直前でこのシーズン1は終わったが、
外国時代劇の面白さは生活様式の違いを知ることと、今回ほど強く感じたことはない。

 食事や会議の直前に唱える短い呪文と、唱え終わった時にする顔を洗うような仕草。
 皇族であっても椅子は使わず、直坐りして皿から手づかみで食べる食事。
 部屋の装飾や着る物、そして「絵」に対する考え方の特異さ。
 国政会議のやり方、等々。

 どこの国であろうとストーリーは、権力者たちの下剋上や後宮内の痴情のもつれと陰謀という定番だ。
 が、他民族に支配されたことがない!!から、オスマントルコでは全ての展開にイスラムの教えが大きく影響する。
 そこが他と一線を画している。

 皇帝は”神に選ばれし者”、現世での絶対君主としての皇帝の権威はアラーの神に等しい。
 モンゴルの大ハーンや日中韓の帝なども同じく天の命を受けた存在なのだが、オスマントルコ10代目スレイマン皇帝の特徴は、
知能・武力・美のセンスが図抜けていて、半端ない程みなの尊敬と畏怖の対象だったことだ。(とドラマでは描かれている)
 <時広真吾氏からの美メール>
 
 スレイマンは全知全能の神の弟的存在であり、何よりもアラーの教えの第一義「公正なる正義」を体現する存在でもあった。
 だから!苦渋の末に、経典の「公正なる正義」に反した「邪悪」な部下や親族たちを冷酷に処断してゆく。 

 しかし、歴史を動かしてきたのは実はこの「邪悪」さなのだ。

 “さくら”さえ用意すれば白を黒と言ってしまう傾向が人間には強くある、と統計学の実験結果にもある。
 ボーっとしている内に、私たち一般大衆は簡単に倫理も節操も知らない邪悪な権力者たちの僕(しもべ)になってしまうのだ。
 
 人間の煩悩と歴史、邪悪と正義の葛藤が、良質(これ大事)な時代劇には詰まっている。
 シーズン2が楽しみだが、また一挙配信では寝不足になってしまうなぁ。
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