人村です!

舞台と結婚したと公言する「人村朱美」が綴る舞台生活 毎週火曜日更新・・・したいなぁ

祝賀資本主義

2021年08月17日 | 徒然
 七日の立秋を堺に、暦通りに涼しくなった。
 冷夏になりそうという予想は的中か!?
 寝室の扇風機もアイスノン枕も不要となり、もうじきゴキブリともさようなら♡

 話題の『人新世の資本論』で有名な斉藤幸平氏はオリンピックについて、
 「資本主義のもとで進む五輪の商業化とその害悪が、コロナをきっかけとして、きわめてわかりやすい形で可視化されたと考えるべきだ。コロナは主犯ではない。」
と明言している。

 バッハ氏の東京での宿泊費は一泊300万円。(実際にはホテル側が連泊なので250万円にしてくれたようだ)
 オリンピックの規定では一日4万4千円までとされているそうで、彼はその最高値だけを払い差額は日本の組織委に払わせた、即ち私たちの血税である。

 逆だろう!日本は規定値だけを払えば良かったのだ、頭っからなめられてる!(怒)

 国立競技場の隣にあった都営霞ケ丘アパートは取り壊され、高齢の住民たちはばらばらのアパートに転居させられ、近くの明治公園で命を繋いでいたホームレスも排除された。
 神宮外苑地区は市民のための空と緑を多く残した空間<コモン(=共有財産)>だった。
 しかし、五輪を契機に高さ制限を無くし、高層ビルの乱立で激変していくだろう。

 五輪が人間の尊厳を踏みにじり、五輪のための開発ではなく、開発のための五輪となった。
 その暴力性を隠そうとするのが、祝賀資本主義の本質である。
 
 斉藤氏は言う、
 「勝ちだけが優先されていけば、弱い立場の人々は必然的に”劣った”存在として扱われるようになっていく。
 昨今はやりの、金儲けを隠す見せかけの環境保全[グリーンウォッシュ]にならえば、実際の五輪は綺麗事(きれいごと)をなぞるだけの[スポーツウォッシュ]に成り下がっている。
 五輪以降はほとんど使用されない大型施設の建設に始まり、大量廃棄される選手村の空調設備にいたるまで、環境負荷のオンパレードである。

 4年ごとに各地で開催するたびに巨大な環境破壊が進む。

 スポーツは健康に資するだけでなく、対話、協調性、他者の尊重などを学び、発展させていく機会を与えてくれる真剣な「遊び」である。
 そこにお金や能力による垣根はない。

 スポーツも<コモン(=共有財産)>なのだ。

 社会全体が「脱成長」に舵を切らなければ、資本主義のむき出しの暴力は、繰り返し、繰り返し、完膚なきまでに我々の幸福や共通の富を奪うだろう。
 それこそが、避けなくてはならない最悪の事態である。」(AERA 2021年8月16-23日号に加筆より)

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