人村です!

舞台と結婚したと公言する「人村朱美」が綴る舞台生活 毎週火曜日更新・・・したいなぁ

お題目

2020年09月22日 | 徒然
 温かなお風呂が一番の癒やしになる季節が、突然のように始まった。
 便座を温め、掛布団を出し、半袖は収納、靴下も恋しい。

 人恋しくもなり、友人達とマスク持参で自然に囲まれて会食なども楽しんだ。
  <長浜にて>


 今月面白かった話、
 中国唐代の名僧に習って、日本の沢庵和尚が二刀流の達人柳生但馬守(たじまのかみ)と雨降る日に問答をしたそうな。
  「足をぬらさないと、足がぬれません、の違いは?」

 但馬守は、庭に降りて二刀流を振り回し、雨を切りまくったので殆ど足も体も濡らさなかった。
 和尚は、雨の中にたたずみ、足も何もずぶ濡れになって座に戻った。

 但馬守は悟った、足をぬらすまいとした自分は雨に振り回されただけだったと。
 和尚は濡れる事に拘(こだわ)らず雨と一体化する事で、命題の意味の本質(どちらも大差はないのだという事)を但馬の守に教えたのである。
 風邪はひくかも知れないが、雨(濡れる事)を恐れる必要などないと。

 この「何かに拘(こだわ)って本質を見失う心が人を駄目にする」という教訓はその後の但馬守の人生訓となった。
 外側で考えずに、まず実態を知ろうとすることが大事なのだ。
 
 概略やお題目だけで新味の無い首相の記者会見。
 批評する価値もない閣僚の顔ぶれに、官僚は相変わらず尻尾を振って保身に走るのだろうか。

 迷走するばかりで未来が見えない日本の政治。
 国民の実態の中にたたずみ、グッショリ濡れそぼって一体になる覚悟を持つ者はいないのか。
 そうすれば将来その中から、気を発する刀を手に立ち上がる者たちが出てくると信じている。
 
 毎朝上げるお線香は親友が信州から送ってくれる。
 今回のお香は、私の呼吸や空気に身を任せるように変幻に形を変える煙を出す。
     
 煙をボーッと見ているのが好きだ。
 最後についえる時、フッと虚を突かれて心身が抜重する感覚になる。

 色即是空 空即是色。
 何が変わろうと、月が美しい季節に変わりはない。
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