二本足の學者を目指して

賢を見ては齊しからん事を思ふ

【新宿歌舞伎町時代の事を一つ】

2023-11-20 12:56:12 | 語學
【新宿歌舞伎町時代の事を一つ】

日本語に就いて少しく考へて、不圖、新宿歌舞伎町時代の事を一つ思ひ出しました。

スタッフにはアジア系の方が多かつたのですが、その内の一人、臺灣出身の坊つちやんに就いてです。典型的な御坊つちやんで、よく仕事を辭めたいだの云ひ、他の同僚からしつかりしろと云はれてゐましたが、この彼、私の正字正假名に據る文章を讀んで、「文章が上手い」と襃めて呉れたのです。

まあ、臺灣の人ですから、正字は讀めて當然でせうが、私の正假名に據る文章を「上手い」と云へるのは大したものです。抔と云へば、何だか自畫自贊めいて來ますが。其處らへんの凡百の日本人達ならば、オートマティックに正字正假名の文章に就いて「讀み難い」と難癖を附ける事でせう。それが臺灣出身の彼は「上手い」と云ひます。どちらが日本國の文化を解つてゐるかは明かでありませう。

その彼、臺灣に歸り日本語教師をしてゐるとの話を、以前、聞きましたが、今でも續けてゐるのかな。色々と政治的に大變な臺灣ですが……。
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