<びわの葉を用意する>
びわの葉を水で洗います。私は洗剤を使っていません。台所用スポンジのスポンジ面で軽く葉の表裏ともに汚れを落とします。ゴシゴシこすらなくてよいでしょう。 とはいっても葉の表には鳥のフン、大気汚染で葉の裏の縁が黒ずんで汚れていたりとかしますので注意してこれらはよく落とします。病人の体に直接当てますからきれいにしましょう。
このようにして洗った葉の水分をきれいな布などでふき取ります。これで湿らせた葉が用意できました。
Q.びわの葉を洗うのは使う1時間ほど前でもよいのでしょうか? 直前に洗ったため葉が冷たく病人は不快ということでした。1時間ほど前に洗って乾かして室温に戻したほうが不快感はなくなると考えます。それとも葉が湿ってなくてはならないのでしょうか?(スチーム効果のように)
A.そうですね、冷たい葉を肌に付けられると仰る通り不快です。ですからうちでは肌に当てる寸前に濡れた葉っぱを赤外線灯にかざしたり、両手のひらで挟んですこし温めてから肌に乗せたりしています。葉は湿っている方が良いと考えています。
<紙箱を作る>
びわの葉温灸セットに入っている紙をそのまま使うと、棒もぐさから火の点いた炭が欠け落ちて患者に火傷をさせたり布団や寝具、衣類に焦げを作ったりといろいろ危険です。それを防ぐのに良い方法があり、それが紙を折り畳んで箱にするということです。
このように箱にすると使用中の棒もぐさから炭がこぼれ落ちることもなく安全に温灸をすることができます。さらに箱の形状の特性を生かして患者の身体の側面にもびわの葉温灸をすることができます。その場合はびわの葉と当て布を絆創膏などを使って身体に貼って固定する必要があります。
<棒もぐさに火を点ける>
棒もぐさを1本用意して火を点けます。マッチでもろうそくでもガスバーナーの火でもよいです。
棒もぐさを火に点ける時は水平にしてもぐさの先端部分をクルクル回して火を点けましょう。 棒もぐさを傾けて火を点けると燃え広がり方が早く、もったいない上に必要以上に燃えて炭が落ちることもありたいへん危険です。
この時、周りの紙を少し炎で焼くと紙が剥がれ落ちやすくなり、酸素が入る面積が増えるので火力が増してなかなか火が消えない状態を作り出せます。これでしたら棒もぐさ1本で温灸ができます。
棒もぐさを火から離して煙が勢い良く立ち昇ったらじゅうぶん火が点いた証拠で、使う準備ができました。
<びわの葉を肌に当てる>
びわの葉の色の濃いつややかな表側を患部の肌に当て、その葉の上に8枚折りの布、その上に8枚折りの紙を重ねます。
私は紙のままだと灰がこぼれるので紙を折って箱型にしています。これだと灰がこぼれないため衣服や布団に焦げを作ることもなく、また火傷の恐れも少ないです。
灰のこぼれを少なくするため高さのある狭くて深い箱にしています。
箱の下にさらに紙を敷くことはしていません。
<棒もぐさを紙の上から身体に押し付ける>
治療したいところの肌にびわの葉の表側をあて、紙の上から肌に垂直に火の点いた棒もぐさを身体に押しあてます。
約7,8秒で棒もぐさで押しあてている場所を紙の箱ごとずらし再度押しつけます。このとき棒もぐさの押しあたる面積はほぼ500円硬貨の広さなのですが、それが約1/3重なる感じでずらしていくとよいでしょう。
たいていのびわの葉温灸のやり方では患者さんが熱くなって我慢できなくなったら「熱いです」とか「はい」と言ってもらってそれから場所を動かしていきます。ですので一か所で20~30秒かかるかもしれません。
私は独特のやり方をしていて、だいたい7~8秒経ったら患者さんが熱くなくても箱を動かしてしまいます。これくらいの短時間でも効いています。なにより患者さんにとってはいちいち「熱い」と言わなくても自動的に動かしていくので「寝ていることができる」メリットもあります。
他にもこの7,8秒で動かしていくやり方の長所があります。それは手術痕近辺の神経が切られて温覚や触覚が感じにくくなっている皮膚に対しても火傷をさせずに温灸ができる点です。従来の熱くなるまで据える温灸の仕方だとこのような皮膚感覚の鈍くなっているところでは火傷をさせてしまう恐れが高いです。しかしこの7,8秒で動かしていくやりかたであれば火傷をさせる恐れはほとんどありません。
これらの手術痕近くの肌は神経だけでなく毛細血管も切られて皮膚の細胞の再生がしにくくなっている場所ですが、温めることにより組織の循環が改善されて皮膚の再生が促されると考えられます。当院ではびわの葉温灸でこれらの場所を温めたのち皮膚の再生を促すエッセンシャルオイルを塗布しています。
<温灸中の棒もぐさの先端のメンテナンス>
棒もぐさはもぐさの周りに紙を巻いた作りになっています。この紙はけっこう厚みがあり簡単には焼け落ちません。棒もぐさの火だねをしっかりキープできる作りになっています。
そのため棒もぐさで温灸をしているとしばらくすると巻いた紙の片側ばかりがよく焼け落ち、そちら側のもぐさばかりが燃えて全体的に棒もぐさの先端が尖った状態になります。鉛筆は使っているとだんだん先端が丸くなってくるのと反対に、棒もぐさの場合はだんだん先端が尖ってきます。
これは巻いてある紙が燃え落ちた側は酸素がどんどん入るためより高温になり、こちら側の巻いた紙を焼き焦がすのでさらに酸素が入りやすくなってより燃える...という循環に入ってしまうからです。そのためどうしても棒もぐさの先端はだんだん尖ってきます。
このまま尖ったままびわの葉温灸をすることは患者さんにとって先端の面積が極端に小さくなりあまり気持ちよくありません。さらに尖ったまま温灸を続けると先端が押しつぶされ崩れ、真っ赤に焼けた炭が箱内ではありますが飛び散るのでとても危険です。
ですので先端が尖ってきた場合は必ず切れなくなったハサミなどで先端を注意深く切り落としましょう。
<棒もぐさの火を消して終了する>
身体に必要なところにびわの葉温灸をし終えたら棒もぐさの火を消して終了です。
棒もぐさの火は専用のキャップを被せることで消えます。キャップを被せた棒もぐさを温灸セットの支えの金具の上に横たえてしばらく置いて火が完全に消えるのをまちます。このとき、まだししばらくは触れると熱くて火傷をしますから注意しましょう。
完全に火が消えて冷めたところでびわの葉温灸セットに収納して完了です。
植物によるがん治療のお手伝い (自然療法、エドガーケイシー療法、アロマテラピー、バッチフラワーレメディー)聡哲鍼灸院
当院はびわの葉温灸や生姜湿布、里芋パスタといった“自然療法のお手当て”に加え、エドガー・ケイシー療法、アロマオイルテラピー、バッチフラワーレメディーなど主に植物による「身体と心の養生法」をお教えして、がん治療のお手伝いをしている鍼灸院です。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます