ビワの葉温灸でビワの葉を当てる順番
温灸を身体に当てる順番をご説明しましょう。これは当院のやり方の説明であり、これが正しくこの方法でないと効果が出ない、というものではありません。
私のびわの葉温灸のやりかたの特徴をあえてあげれば体幹部だけにしている、四肢にはしていないということでしょうか。
手足にも効果のあるツボが多数あるのですが、体幹部に併せてそれらすべてにもびわの葉温灸を施すととても時間がかかってしまうのでやっておりません。
<<仰向けの姿勢で>>
<肝臓>
始めに肝臓にびわの葉温灸をします。すべてのがん患者さんにします。
肝臓は解毒・代謝をする器官です。乳がんでも肺がんでも悪性リンパ腫でも私は肝臓からびわの葉温灸をあてていきます。激しい痛みなどがある場合を除いて基本的にはまず最初に肝臓を温めています。
人の身体はシンプルであり温めると血管は太くなり血流が増えます。温灸の棒もぐさで肝臓の部分の肌を温めていくと、先端の燃えている炭からの遠赤外線効果もあり身体の芯まで肝臓の奥まで温まっていくでしょう。
温まった肝臓では血管が多少太くなり血流が増大して、肝臓での解毒・代謝の活動が活発になると思われます。このようにびわの葉温灸によって肝臓を温めることは解毒・代謝を促すのです。
抗がん剤の治療をされている方は多いのですが肝臓の検査数値が低い(=肝機能が低い)場合は抗がん剤の投与が見送られることになります。これは抗がん剤を代謝・分解する肝臓が働いていないと体内で抗がん剤の悪影響が強く長く続いてしまうためです。
聞いた話ですがアメリカでは「時間治療」といって抗がん剤の投与を患者さんが寝ている夜中に点滴で行うこともあるとか。これは夜私たちが寝ているときのほうが肝臓の働きが良いので、その時間に抗がん剤を投与すると多めに投与しても肝臓が抗がん剤を昼間よりより多く代謝・分解するので抗がん剤の副作用が少なくて済むからとか。
びわの葉温灸を肝臓部分にすると抗がん剤の副作用である吐き気、嘔吐、悪心などの症状が軽減されます。それは上記のような理由によるものだと考えています。人によっては治療院にいらした際には気持ち悪くて食欲が無かった方が治療後「お腹が空いた、どこか帰りに寄って食べていきたい。先生、自由が丘でどこか良いお店はありませんか?」と仰って同行のご家族を喜ばせた、といったこともありました。
<腹部>
次にお腹全体をびわの葉温灸で温めます。これはすべてのがん患者さんにしています。なぜこうするかというとお腹を温めると人はリラックスします。これが副交感神経優位の状態であり身体を修復していく環境になりつつあるということです。
私たちは昼間はアドレナリンを出し頑張って仕事などをします。交感神経優位の状態ですね。このとき、私たちの身体は消耗し壊されているのです。そして夜の副交感神経優位のあいだに修復しています。
びわの葉温灸はつかの間ですがお腹を温めることで副交感神経優位の修復モードに身体をしているのではないかと考えています。
初診の際には緊張する患者さんもいらっしゃるのですがびわの葉温灸でお腹を温め始めるとけっこうな確率でうたた寝してしまう患者さんがいらっしゃいます。初診のベッドで寝てしまうなんて、とてもリラックスされているからではないでしょうか?
<乳房>
乳がんの方にします。患部側の乳房に。
腫瘍が乳房の皮膚表面に露出していない状態であれば特段の注意を必要とせずびわの葉温灸をできます。
この時、脇の下のリンパ節(腋窩リンパ節)にも転移があるようでしたらその場所にもびわの葉温灸を施します。その際には腕を挙げて片手万歳をする姿勢でするとびわの葉温灸をしやすいです。
腫瘍が乳房の皮膚表面にすでに露出していて出血傾向にある場合や、浸出液などによりじゅくじゅくとしている場合、あるいは腫瘍や白血球の死骸による老廃物が白く固まっているような場所にはびわの葉温灸は適しませんのでしません。しかしその周りはビワの葉温灸をしても大丈夫ですので是非してください。
<鎖骨下>
肺がんの方にする場所です。
肺の病を癒す強い力を持ったツボ、中府(ちゅうふ)、雲門(うんもん)にびわの葉温灸を施します。
<のど>
舌がん、歯肉がん、咽頭がん、喉頭がん、甲状腺がん、食道がんの方にします。鎖骨上リンパ節に転移したときにもその場所にします。
のどの部分を温灸する時には温灸の煙が鼻腔に直接かかることもあるので、そのような時には顔を背けていただくとよいです。
<うつ伏せの姿勢で>>
<腎臓>
背中側で最初にするのが腎臓です。全ての方にします。
腎臓は肝臓と並ぶ解毒の臓器です。腎臓をびわの葉温灸で温めることで血流が増し、腎臓での血液ろ過の作業量が増え解毒を促進すると考えられます。
<頚椎4〜7番の脊柱脇>
舌がん、歯肉がん、咽頭がん、喉頭がん、甲状腺がん、食道がんの方にします。
<肩甲間部(けんこうかんぶ)>
肺がん、乳がんの方にします。 肩甲間部とは背骨と左右のそれぞれの肩甲骨に挟まれた部分のことを言います。
右の乳がん、肺がんの方であれば右の肩甲間部、左の乳がん、肺がんの方であれば左の肩甲間部にびわの葉温灸をします。
<背中の中央の部分>
胃がん、肝臓がん、胆管がん、膵臓がん、腹膜播種の方にします。
<仙骨>
大腸がん(直腸がんを含む)、子宮がん(子宮頸がん、子宮体がん)、卵巣がん、前立腺がん、外陰部がん、腹膜播種などの方にします。
仙骨は非常に大事でびわの葉温灸でしっかり温めてください。とくに仙骨上端の第5腰椎とのつなぎ目にある腰陽関(こしようかん)というツボが冷え性を治すのに特別に効果のあるツボです。この腰陽関を始めとして仙骨の部分は7,8秒でなく15秒くらいの長めに温灸をしても多くの患者さんは熱がりませんので患者が熱い!というまで温灸を据えても大丈夫です。
冷えはがんの原因の一つでもありますから温灸で徹底的に仙骨を温めることを強くお勧めしています。
植物によるがん治療のお手伝い (自然療法、エドガーケイシー療法、アロマテラピー、バッチフラワーレメディー)聡哲鍼灸院
当院はびわの葉温灸や生姜湿布、里芋パスタといった“自然療法のお手当て”に加え、エドガー・ケイシー療法、アロマオイルテラピー、バッチフラワーレメディーなど主に植物による「身体と心の養生法」をお教えして、がん治療のお手伝いをしている鍼灸院です。
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