新薬師寺に参拝した後、高畑というところを散策した。
静かな高級住宅街という雰囲気な場所。
此処で想いも掛けなかった体験をしました。
古い盥(たらい)が有って竹で作った花生けに椿が一輪づつ入っていました。
ひとつ200円と書いてある無人販売をしていた。
ひとつ買おうと思ったが、ふたつ有ったほうが風情があるかなと思い買わなかったです。
ホントに静かな住宅街だ。
志賀直哉の家だそうだが、あまり興味はわかなかった。
雰囲気たっぷりの『はなや北川』というお蕎麦屋さんがあった。
喫茶もやってるみたいなので入ってみた。
蕎麦・喫茶という組み合わせは初めてだし、何故か惹かれるものがあった。
このお店は元々は花屋さんだったらしい。北川という屋号だけど御主人はYさんというお名前。
奈良の駅前に元々居を構えておられた名家のご出身だと思う。
自在鉤も手水鉢も春日灯篭も、ちゃぶ台も茶窯も全て昔から代々使っていたものだと直ぐに分かった。
茶釜に花を活けたり、風流というか詫びさびの分かる人なのだと思った。
テーブルは松の古在を挽き直して使っている。
表に停まっているウィリスのジープは、もしやここのオーナーの所有ではないかと思った。(まさしくそうだった)
シンガーの足ふみミシンも、SPレコード用の昭和30年初め以前の蓄音機も、後で聞いたらずっと使い続けた物で今も使い続け、今も実用しておられる。ただのインテリアではない。物は使ってこそ命が輝くという考えに共感した。
十割蕎麦を食べてみたかったが、食事はすんでいたので、『はなやパフェ』を頼んでみた。
桜色の器に桜色のパフェ、『小枝かりん糖が桜の小枝を思わせますね。』と奥さんに言ったら嬉しそうだった。
それからじきに、御主人が自分の好きなものに囲まれて暮らす楽しさについて一気に話しだした。
少しあっけにとられたが、共感できるし感性も似てることを感じた。
そして飾らないこの御主人のまっすぐな性格がすっかり気に入ってしまった。
『これから店をしめてウィリスに乗って出かけよう!』と仰るではないか・・・
え、本当!?
おそらく日本で3台とはないであろう米国ウィリス社・1944年型の米陸軍仕様の可動車だ。
67年前と変更してあるのは、車検を通すための保安部品だけである。
手動式ワイパーもM1ガーランドライフルのラックもオリジナルのままだ。
ミッションのレイアウトも戦闘を想定してあり、ロウギアとリヴァースギアが鉤型に曲がらず一直線で入れ替えられるので、4WDとの合わせ技で普通の車より素早く切り返しが出来る。
エンジンは重低音でとても3,000CC以下の排気量とは信じがたいが、トルクが低回転から非常に有り、トップギアで時速20km以下から加速を立ち上げることが可能だ。もちろんパワーステアリングではないが大径ステアリングで、走り出せば重くないようだ。
クラッチはダブルクラッチで、運転してるという楽しさが伝わってくる。
これに米軍の防寒ジャケットを着て出かけようというのだから、楽しくないはずがない。
オーナーのYさんの運転で、しゃけ妻も積んで出かけたのでした。
ここで携帯の電池切れで、しゃけ妻の携帯カメラで撮りました。
Yさんが、逆に高級カメラでバシャバシャ撮ってくれました。撮ってる姿を写しました。
写真が電池切れであまりとれなかったのが残念ですが、Yさんの御好意で日が暮れてしまうまで市内の眺めの良いところを、沢山走ってからホテルまで送っていただきました。まるで気分はマッカーサーで、道行く人に沢山写真を撮られたり声をかけていただいたりで楽しくてたまらなかったです。Yさんも私がよろこぶのを見て嬉しそうでした。
しゃけ妻も楽しんでいましたが、恥ずかしいのと(人に注目されて)、寒いので複雑な笑みを浮かべてました。
なんだかドラマのような出会いで、こんな珍しい車で楽しい忘れられない思い出です。
Yさん、本当にありがとうございました。勇気をもらいました。
必ずW650に乗ってもう一度『はなや北川』にお礼に行きます。目標が出来ましたよ。
写真を見てくださってありがとうございます。
今後ともよろしくお願いいたします。
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