こんばんは。
朝、ある方から電話が入っていた。今日はあるイベントに参加する予定。
決してエイプリルフールねたではありません、と言ってお誘いした本日のイベントに、その方は体調不良で「誠にもうしわけございません」とメッセージを入れておいてくださった。参加できないことは残念だが、体調不良なのでいたしかたない。
もともと私の会社の先輩が予約を取ったイベントで、会社の先輩のご家族とまえに2度参加した「清龍酒造」の酒蔵見学だ。
その酒造の酒が振る舞われる宴会が目当てである。
恒例となっているのだが、生バンドの演奏とハイトーンボイスのボーカルが高らかに歌う「乾杯」というオリジナルの歌や季節に合わせた流行の歌など盛り上がり、最後には肩を組んで大合唱となる。
落伍者が出るほどじゃんじゃん酒が供された後、声を上げ、腕を振り上げ、身体でリズムをとるわけだから、飲みすぎないように、また酒を変える時には仕込み水を飲むように注意しなければもたない。
帰り。今回はそんなにふらついてもないし、意識もはっきりしてるぞ、と思いながら。
トイレに寄ってからタクシーに乗るつもりで、「おとしどころ」と呼ばれている店前の駐車場向こうのトイレへゆくと、
最後ひときわ目立っていた若い女性が、ふらつく足取りで出てきた。愛想よく気をつけます~なんて出て行ったその後に入ると、きれいなパッションピンクのバッグがある。
先の若い女性のものだった。
あ、こういうの、やりがちだよね、気をつけなきゃ…と、タクシー降りて、駅の改札を抜けたあと。
どうやら、「スイカ」を落としたらしい。JRの電子マネーカードだ。
私のは記名式で1000円以下になると自動チャージされるようにしてある。定期券も表示されてる。
いつものターミナル駅について、「はっ、ない…」
遺失物の情報は一か所にまとめられるようで、「今乗ってこられたんですよね?」(17時半)「はい、」「…20時ごろにこちらに電話してみてください。もし届け出がなければ、使用差し止めの連絡をされたほうがいいです。」
(…先に止めなくっていいの?)と思いつつ、その言葉を信用して帰宅してまずはどーんと寝た。
電車の中でも30分以上寝ていたと思うけれど、疲れが出るものだ。
夕食後、遺失物の情報が確認できる連絡先へ電話。すると、夫が血相を変えて、「なんで早く止めないの?」と怒りモードになる。
気がつくと「もうバンバン使われちゃってんじゃん?」など私の不安をあおって夫の怒りをさらに増した当の息子は自室へ音もなく引き上げていき、私はドキドキしながら駅員の話を語る。
「先に止めなきゃ!」
「そう思ったけどさ~、たぶん確認の連絡先は一か所に情報集めてるってことでしょ?
私も見かけりゃ届けるけど、駅の人ってそうそうすぐにそういう情報上げないじゃん」
ドキドキしながら電話を掛ければ、1回目は混雑しているのかコール音すら聞こえない。悪いことが頭をよぎる。
次に掛けると実に機械的な自動応答。「ただいま混雑しており、順番にお繋ぎします。」保留音の後また再度自動応答。
ため息をつきかけた時、軽快な男性の声がして、こちらの状況を聞き出していく。
確認してもらった結果。あった。届いていた、清龍酒造の最寄り駅、蓮田駅構内で拾われたらしい。
夫は急に優しくなり、「貴女の日ごろの行いがいいからだねぇ」なんて言う。
息子が部屋から出てきて、「大学のすぐ近くなので、わたくしが、取りに行ってあげましょうかぁ」
と、言った。
「…。え? エイプリルフール?」
つい口にだした。
息子は「心を込めて言ったんだけど」といってくれた。(一瞬、ちょっと悲し気な色も浮かんだけど、すぐ皮肉な表情になったものだ。)
ライバルのように張り合う気持ちから、ドジをするかわいそうな人の扱いになり、ついには庇護をうけることに…。
ま、定期は自分のことなので、自分で受け取りに行くつもりだが。
ドジを踏んだものだ。
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