とこのへや

とこの雑貨と、とこのお洒落着。とこは樺太に住んでいたことがあります。とこの嫁の体験談、日記、備忘など。

寒い満月の夜に2

2023-02-12 00:22:51 | 日記
運よく空いていた個室があったということらしいが、
特別養護老人ホームの1室で、姑とこの傍らで数時間過ごした。

もう会話もできず、目も開けることも難しそうな状態の姑とこ。


汗ばんでいる顔を濡らしたタオルで拭ったら少し呼吸が落ち着いてきたように思った。
耳は最後まで聞こえていると思われると、介護士さんや相談員さんも言ってた。
懐かしの歌をあれこれ耳元においたスマホで流してみる。
手や脚を動かすこともあった。

富士フ〇ルム アスタリ〇トの試供品を差し入れたが使えずにいると言っていた。話しかけながらCMと同じように赤いジェルを頬に載せて伸ばしていく。以前からも、とこのお肌はとてもきれい。健康そうな肌色、ほんのりピンクの頬だ。より一層つややかになった。それだけにまだ実感されない。

腕、手は細くなってしまい、指先は力が入らないような感じ。
暑いのか、布団をかけるとしばらくしてはねのけるような腕の動きがあり、タオルケットも胸骨のあたりまでめくれている。

一旦家に帰って、用事を済ませてまた特養の部屋へ戻る。
日曜日の午後は一層反応が薄くなってきている。
覚悟。夫の気持ちを思うと、切ない。しかし、ずっと特養の部屋にいるわけにも行かない。施設の面会時間は17時半までだ。
とはいえ、施設の出入り口には通常22時くらいまでは人が居るということで、少し融通してくれたようだった。
日曜の夕方、特養から家へと戻る。

夫は緊張しているのと悲しみの実感も沸かないというか、なんとも言えない様子。子はいつまでも子だ、と実感する。
夕食を摂って、寝る準備をして、、、と、やはり電話が鳴った。
深夜、0時少し前だった。
ちょうど、満月直前。

特養の方からは、死亡診断は翌朝に隣の棟の病院から先生に来てもらってのことになるから、朝来てほしいと言われた。

とこの想いが通じたのか。
生前、「この家からは葬式を出すわけにはいかない」と言ってた。
迷惑かけないようにしなきゃ、とも言ってた。
とてもおしゃれな、花や蝶をかたどったビーズの刺繡のブラウスと合わせのスカートを、これ最後に着せて欲しいと思ってるのと笑顔を見せた姑とこの、あの表情が思い浮かぶ。
ちゃんと用意できてるよ。小さなハートのマークがあしらわれたストッキングも履かせてあげられたよ。とっても綺麗だった。

ありがとう、と搬送を見送ることができたのは月曜日の朝だった。

90歳を超えての大往生といってよいでしょう、そう医師も言ってくれた。
夫の心の準備の時間を作ってくれた、とこの頑張りなんだと思う。

ものを知らないとこ嫁のことも、よい導きをくださって、
優しくしてくれたこと、本当に感謝。
よくしてくれたのに、大したこと何もしてあげられない不甲斐ない嫁でごめんなさいね。夫に精いっぱい、返せるよう頑張るよ。見守っていてね。

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2 コメント

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Unknown (platsake)
2023-02-12 14:28:58
こんにちは(@^▽^@)🎵。 ブログ記事を拝見させて頂きました。 とこさん、亡くなられたのですねぇ。 日本の片隅ですが、こころよりご冥福をお祈り致します。 私も2年半前に父が亡くなり、それまでに母だったり、祖父母を亡くしていますが、今でも親孝行が足りなかったなぁ~と思いますが、生まれて生き続ける事が良い親孝行と思って、ぼちぼち暮らしています。 まだまだ気持ちの整理がつかないと思いますが、少しずつ片付けて行けば良いと思います。 えっ(°∇°;) 私の場合は、実家の整理に時々励んでいます(≧∇≦)b。
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Unknown (とこ嫁)
2023-02-12 17:10:25
platsakeさん、コメントありがとうございます。
とこの分もしっかり生きることで、とこの心が安らかになればいいなと思います。
ご実家の整理は、少しずつのほうがいいですよね。大変ですし、モノにはそれぞれエピソードがあるでしょうから。なにより、お体大切にされて、お元気に長生きが良いですよね(^^)
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