ただごと

たいくつこそがすばらしい!日常のただごとをただごとでない風に綴るのらくら日記

最新巻

2011年04月08日 | 今日の本棚

このマンガがすごい!男編1位、というでかでかとしたPOPボード下に

1~3巻(しかないのに)をがっつり山積み!加えてお試し読み冊子常設!

という、書店の思惑にほいほい乗せられて、

1~3巻を一気買いして3冊を一気に読んでいたので、4巻が待ち遠しかった!

 

■進撃の巨人(諫山創) 4巻

 

 

  

頼まれもしないのに一気買いして単純にハマったしまったので、

友人にも強力にオススメしたのだが、店頭のお試し読みを読ませた感想が

「話はめっさおもろいけど、この絵やと、買う気くじけるわ」

 だった。

 

惜しい!!

絵のクオリティを指摘されるとぐうの音も出ないぜ。

 

確かに、「画力をあげましょう」、レベルなのは否めないと思う。

絵だけで状況が理解できなくて、おもわず前後を何回か読み返したり

人物の見分けもつかなかったり、感情が正しく読みとれなかったり

「ここの絵なら自分の方が上手くかけるかも…」と

学校で12年普通に美術をやってきた人なら思うんじゃないか、とかいう

デッサンがちょっと、なコマもいくつかある。

そういえば、昔学校で友人たちとノートに落書マンガを描いて遊んでたりしたが、

そんな感じなコマも随所にあったりする。(ペン入れ忘れたの?みたいな)

 

がしかし、そんな技術の低さを恐れず(というか問題視せず)商業誌に載せてしまった

マガジンには、すげえ度胸だ!というしかない。

クオリティを満たしていない漫画だって世に出してみせる!

 という精神なら、それはいわば、

漫画界のAKB48を育てる勢いじゃないだろうか。(余計なお世話?)

 

人によって作品に対する評価は、実は読み手側の自分にとってはどうでもいい。

芸術は、決定的な正解がある分野じゃないと思うので。

ただ社会的には、面白いと思った人が多かったら売れる。実に単純な構造だと思う。

面白かったらアマチュアの同人誌だって売れる。読みたいと思う人が買えば良い。

それを商業誌という大手が発行してくれるから、値段が安くて有難いくらいだ、と

個人的には思う。

4巻を読む時も、そろそろデッサンは向上したかな?とハラハラしながら読める。

そんなプロ漫画あり得ないだろ!!(うん、まあ)

それを英断とみるか、読者舐めんな、とみるかは人それぞれに

あちこちで物議が醸し出されていて、それを読むのがまた楽しい。

そういうわけで、1冊を色々な角度から何度でも美味しい、と思うマンガである。

 

まあ、あちこちで指摘されている画力は、ともかく。

 

ここから、ややネタバレに突っ込んでいくので、

読みたくない人はスルー願います。

 

個人的には、話の展開の持って行きかたとして、とても面白い!と思った。

4巻を読んで、速攻で既刊を読み返したくなる。

物語先行で、登場人物がただの背景のようだった未熟さも

(登場人数が多いのに一切触れずにただただ突き進む1~3巻)

実は、このための煽りだったか、と、感心した位だ。

 

巨人に成すすべもなく喰われるだけしかないという人間のスリルは、

巻数を重ねるたびにどうしても、読者が慣れてしまう。

残虐な捕食シーンだって、見慣れれば絵の下手さに目がいk・・・いや、うん。

それを4巻で、物語を止めて、あえて人物たちに焦点を当てることで

ただの背景だった登場人物たちに感情移入しやすくなり、

次巻からの巨人に襲撃される緊張感がまた新たなものになる。

 

実は、3巻まで読んでいて、

主人公が人間離れした力で巨人を駆逐していくだけの話になるなら

(巨人対人間、という圧倒的残虐性が崩れるなら)

この先の展開があまり期待できないな、と思ってしまったのだが

ここにきて、登場人物一人一人にスポットを当てることで、

人間の脆弱性から的を外さない道も開けたようにも思えるので、

変わらず次巻に期待したい漫画だ。

 

  

友人に勧めたのに、一向に購入してくれないので身近にこのマンガについて

騒げる人がいない。

(旦那さんはあまり漫画についてわいわい言わない。一人静かに読む。)

騒ぎ足りなくて、つい力いっぱい書いてしまった。どこまでもオタク属性が根深い。