
この30年で脚本を何十本書いたのだろうか。イベント出演などの進行表、パフォーマンスなどの振り付けまで入れると百本は超えているだろう。やらねばならぬと、追われるように書き捨ててきたように思う。時間との妥協も余儀なくされる。
今も発狂すれすれで書いている。否、書いたものを圧縮、いらぬところの削除と繋ぎに明け暮れている。1本を書くのに3~5回は書き直す。不思議なことに劇の台本は公演終了後に完成してきたように思える。要するにきりがないのである。
読んで完結するものでもない。舞台では書かれたこと以上のことを求めるからだ。小説を書くのとは訳が違う。
肉体が寄りかかってくる。幻聴のように音楽が鳴り響く。歌だ、オドリだ。そして美術。ここに集団としての面白さがある。

嬉しいことに新人さんが絵を描いてくる。イメージは膨らむ。私にとってはラブレターを受け取ったような思いである。