山南ノート4【劇団夢桟敷】

山南ノート4冊目(2008.10.3~)
劇団夢桟敷の活動や個人のことなどのメモとして公開中。

旅するネズミ

2013-02-17 23:11:17 | 「レミング」2013
タイトルは「レミング」。副題は「世界の涯」・・・ネズミの集団自殺を連想させる劇である。
それは誤解で、レミングはネズミ族の中では珍しく泳げる種である。川を渡り、海を渡ることができる。
つまり、一定の場所に止まることなく「旅するネズミ」のこと。

劇では夢遊病の如く、目まぐるしく場面を彷徨う。
四畳半が宇宙に放り込まれたり、映画の撮影現場になったり、病院に早変わりする。
それは、寺山修司が言ったように「人間は不完全な死体として生まれ」ているからである。
生きている限り完全ではない。止まらない。地理的に止まっていても精神は彷徨っている。旅をしている。

稽古場での目まいふらつき、息切れ台詞忘れは「不完全」だから楽しい。
今のところ、とんでもない世界が飛び出しそうな予感がある。想像力が爆発する。発狂する?
結果論として台本通り、「清く、正しく、美しい」劇になる。
寺山修司の台本にはそのような仕掛けがあって面白い。特にト書きや行間に「無限大」が広がる。

役者たちは「旅するネズミ」になる。劇場は宇宙船のようなもの。
観客は旅に立ち会うことになるだろう。

公演日(4月27日・28日)まで稽古日記は漂流記として綴ります。