Who is Eddy?
超人エディが残した不滅の勝利の数々
〜現役通算525勝。ワンデイクラシックからグランツール、世界選手権、そしてアワーレコードまですべての自転車競技に勝ちつくし、
不滅の金字塔を打ち立てたエディメルクスという人物〜
エディ・メルクスは、ツール・ド・フランス総合優勝5回、ジロ・デ・イタリア総合優勝5回、ブエルタ・ア・エスパーニャ総合優勝1回と、3つのグランツールすべてを制覇。そのうちの1970・72・74年にはツールとジロの両方を制する「ダブルツール」を成し遂げている。
ツールにおけるステージ優勝は通算34勝にのぼり、マイヨジョーヌ着用日数96日、1つのツールで8回のステージ優勝という記録は、今後も破られることはないだろうと言われている。
エディはグランツールだけでなく、ワンデイレースでも打倒不可能な存在だった。メジャークラシックのミラノ〜サンレモを7回、リエージュ〜バストーニュ〜リエージュを5回制し、1シーズン54勝というシーズン最多勝記録も残した。そして、世界チャンピオンを決める世界選手権ロードレースも4回制している。
16年間の現役時代に通算525勝という、とてつもない記録を残した“史上最強のレーサー”エディ・メルクス。そのあまりの強さから、カンニバル(The Cannibal=人食い人種)と呼ばれていたことはあまりにも有名だ。
自転車ジャーナリズムに関わる人に「自転車競技史上最強の選手は誰?」と問うたならば、10人中10人がすべて「エディ・メルクス」の名を挙げるだろう。偉大なチャンピオンと讃えられる選手は多くいても、こと勝利数という点では、エディの右に出るものは居ない。
エディのこだわったロードレーサー
クイックステップのトム・ボーネンとメルクス (c)Cor Vos/cyclowired.jp現役時代、メルクスは機材にうるさい選手として有名であった。名匠の造るフレームの数々を乗り潰し、カンパニョーロ社にはチタニウム製のパーツを造らせた。現役時代の終盤、エディのフレーム製作を一手に引き受けたウーゴ・デローザには、実に年間50本以上のフレーム製作を依頼しているほどだ。素材、重量、スケルトン(設計)など、ロードレーサーのあらゆることに一切妥協しない。怪物にして繊細な神経を持つのがエディ・メルクスだった。
エディメルクス社の哲学
1977年に現役を引退後、エディ・メルクスは自らの経験を生かしたロードレーサーを創るために、ブリュッセル郊外に自社工房を興す。自らはレースを降りても、そして、ベルギー王室から男爵の爵位を送られても、エディのロードレーサーへの探究心は変わっていなかった。フレーム製作の過程において、エディのこだわりは最大限に発揮されている。最高の素材を用い、経験を設計に反映させる。素材の選択から神経を尖らせ、妥協を許さない。ベルギーのパヴェ(石畳)にも似た頑固さが、エディ・メルクスのフレーム哲学なのだ。
レースへの情熱は続く
エディ・メルクスのバイクを駆り、ツール・ド・フランス2010でステージ2勝したクイックステップのシルヴァン・シャバネル。マイヨジョーヌも着用した。 (c)tdwsport.comモトローラ、ショコラード・ジャック、トップスポート・フラーンデレンなど、エディ・メルクス社は欧州トッププロチームのスポンサードを続けてきた。2010年度からはトム・ボーネンやステイン・デヴォルデルらが所属する世界最強の名門チーム「クイックステップ」のバイクスポンサーとなり、プロロードレースシーンで実績を積み重ねている。 また、エディ自身もツール・ド・フランス主催者A.S.O(アモリー・スポーツ・オルガニザシヨン)のアドバイザーとして、またツアー・オブ・カタールなどのレースオルガナイザーとしてレースをバックアップしている。
すべての情熱を自転車レースに注ぐ。それがエディ・メルクスという人間なのだ。
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