タケ・タケ・エヴリバディ!

当ブログは「竹と生きる・竹を生かす」をメインテーマに、管理人の田舎暮らしの様子をお届けします。

いびしない愛

2024年09月05日 | 徒然なるままに

以前にブログで、四国の方言「いびしい」について書いたことがありました。うちの妻が愛媛県の南予地方の出身で、その独特のニュアンスをもつ方言について熱く語るんですよ(笑)。「いびしい」の意味については、⬇こちらの記事をご覧くださいね。

 

いびしい - タケ・タケ・エヴリバディ!

昨日のブログ記事で、長岡(新潟?)方言の「かがっぽい」について書かせてもらいました。著書「鎌倉四季だより」の中でこの懐かしい言葉をボクに思い出させてくれた、高校...

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ところで先日のこと。「すごいのを見つけたわ!」と、妻が興奮して1枚のチラシを持ってきました。それがこれです。

長岡リリックホールで開催される演劇のチラシです。その題名が「いびしない愛」なのでした。「いびしい」と「いびしない」、なんかその地方(四国の愛媛県と高知県の境目あたり)の文化や言葉のイントネーションがわからないボクにはピンときませんが、妻が「この演劇、見に行かない?」というので、いろいろ調べてみました。妻が言うには「いびしい」とか「いびしない」というのは、「濡れた感じ」「汚い感じ」らしいです。

劇作家・竹田モモコ氏によるこの作品は、「第26回劇作家協会新人戯曲賞 受賞作品」なんですね。


舞台は小さなふし工場(通称:なや)「富田商店」の事務所。工場を切り盛りするのは富田家の次女【喜美子】。しかし工場の経営は厳しく、加えてコロナ渦によりいよいよ存続が危ぶまれていた。姉の【しおり】は左腕が不自由だが、快活で目立つ存在。長年そんな姉と比べられてきた喜美子は素直にしおりに助けを求められない。コロナによって止まってしまった世の中、不謹慎かもしれないがホッとした人もいる。喜美子もそんな中の一人だった。

せっかく止まった工場を、しおりはまた動かそうとしている。埋まらない姉妹の溝。そんな折、事務所に忍び込んできた空き巣【諫山】と出くわす喜美子。喜美子は諫山に「自分を刺してくれ」と懇願する。

期待に応えて生きていくことのめんどくささ。分かり合えない人を側におきながら生きることの息苦しさ。それでもあえぎながら日々を続けることは、愛おしい。「幡多弁(はたべん):高知県西部の方言」によって描かれる、なやに関わる人々のいびしない愛。

「いびしない」は高知県西部の方言で「汚れた」「散らかっている」という意味。ウエッティな感じの汚れ方、たとえば流しの中に汚れたお茶碗やお皿がいっぱい溜まっていて、ご飯がこびりついているような状態を指す。


う〜ん。理解できてきましたよ。演劇の世界にはほとんど興味のないボクら夫婦(子どもが小さい頃に劇団四季を見に行ったくらい)なのですが、妻が故郷(に近い地方)の言葉を聞いて懐かしく思うのもいいことだよな…と思い、チケットを予約することにしました。

10月19日(土)の公演を、楽しみに待ちたいと思います。

コメント
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