数学の用語の中に「フラクタル」という言葉があります。一般にはあまり馴染みのない言葉かもしれませんが、幾何学(図形領域)の中に出てくる用語で、「自己相似」という意味です。ちょっと専門的な説明をすると、こんな感じ。
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- 任意の部分を抜き出しても全体と似た形になる「自己相似性」を示す図形
- どのように分解してもその部分が元の全体と同じ形を備えていて、微分が不可能な図形
「微分」とか出てくると、さっぱりわかりませんね。でも、具体的な図形の形でいうとこんなイメージです。
この図形の一部を部分的に見ても、全体の形と相似形(大きさ異なるが形は同じ)になっていますよね。これ、「コッホ曲線」といいます。また、フラクタルな図形の描き方として、こんな方法が知られています。
正三角形の1辺を三等分する点を取り、中央の線分を1辺とする正三角形を描きます。さらにその正三角形の1辺を三等分する点を取り、同様のことを繰り返していきます。ミクロの世界まで永遠に繰り返すことが可能です。
不思議なことに、自然界にもこの「フラクタル」が存在することが広く知られています。リアス式海岸の海岸線の形とか、入道雲(積乱雲)のモクモクした部分とかが、この「フラクタル」です。実は植物の世界にもこの「フラクタル」がありましてね。今日は、現在わが家の家庭菜園で育つ「フラクタルな野菜」の紹介です。
この野菜、知っていますか?「カリフラワー」や「ブロッコリー」の仲間で、「ロマネスコ」といいます。実は夏野菜の収穫を終えた9月の半ば頃に、市内のホームセンターの野菜苗の売り場で「ロマネスコ」の苗を見つけたんですよ。実はわが家の家庭菜園では基本的に秋野菜は作らないのですが、珍しモノ好きのボクは「ロマネスコ」の苗を1つだけ購入し、トマト(を撤去した)の畝の隅に植えておいのたのです。1つ80円くらいだったかな?それが、12月に入ってご覧のように実を付け始めたってわけです。
上の画像の大きさが直径5cm程ですから、既に12月に突入していつ積雪があってもおかしくない状況ですので、この「ロマネスコ」を収穫して食べることは無理かもしれません。だけど、美しいじゃないですか。この「フラクタル」な形状(しかも3次元)には、惚れ惚れしてしまいます。さらに、この「ロマネスコ」の中には、「フィボナッチ数列」も隠されているんですよ!なんて神秘的なことでしょう!