山之上もぐらの詩集

山之上もぐらの詩集

山之上もぐらの詩集

2024年01月22日 | 日記

泣かさんといて

 

傘を差し掛けてくれはった 

小雨いけずなあべの橋

嬉しいくせして 強がり言(ゆ)うて

いらんお世話や かまわんといて

 

ずっと待っててくれはった

電車 流れる橋の上

いま来たとこや と 嘘つきこいて

あほな私を だまさんといて

 

雨の緑が 水面に揺れて

恵沢園は 見ごろ花

 

辛気くさいの きらいやねん

すねてみたけど 逢うの坂

娘心に 此花さいて 

ドンなあんたが 忘られへん

 

黙って聞いてくれはった

鳩がつくぼる 天王寺

ヤンチャばっかり して来たんやで

こんな私で かまへんのん

 

亀井の水に 思いを浮かべ

胸の鐘つく 六時堂

 

なんでそんなに 優しいのん

通天閣は 夕まぐれ

口で言(ゆ)うほど おませやないの

うちもあんたが 好きやねん

 

なんで涙が 出るんやろ

わたしホンマに あかんたれ

そんな顔して 見つめんといて

うぶな私を 泣かさんといて

 

雨の上がった 泣き顔そめて

夕陽丘は あかね空

 


山之上もぐらの詩集

2024年01月21日 | 日記

寒い朝

 

寒い朝は 死んだ人の夢で 目が覚める

夢の中で 流した涙が 

頬に冷たくて 目が覚める

 

母さんの骨を拾って 帰り道

菜の花の土手の上 白い満月が出ていたね

もうすぐ父さんも 逝くんだね

 

寒い朝は 明け方の夢を 思い出す

夢の中の やさしい人たちを

布団にもぐって 思い出す

 

寒い朝は 暖かい猫を 抱きしめる

やさしかった人たちに ありがとうを 

つぶやきながら 抱きしめる

 

寒い朝は 猫たちの夢で 目が覚める

やさしかった猫たちの 手触りを

布団にもぐって 思い出す

 

寒い朝は 死んだ人の夢で 目が覚める

夢の中の なつかしい者たちに

もうすぐ みんなに 会えるね

 

 

 


山之上もぐらの詩集

2024年01月20日 | 日記

をりおの橋

 

影法師と一緒に をりおの橋を渡ろうよ

ガタゴト 鉄橋を ちんちん電車

紋白蝶が 追いかける

菜の花盛り 土手の道

つぼみの君に 出会ったところ

 

汗をふきふき一緒に をりおの橋を渡ろうよ

お魚たちが 上ってくる 

ほのかに潮の 匂いがする

麦わら帽子 微笑んだ

白いTシャツ 胸のふくらみ

 

赤とんぼと一緒に をりおの橋を渡ろうよ

世界で一番 夕焼けが

美しく見えるところ

川面に映る 僕たち 

見上げると お月様

 

影法師と一緒に をりおの橋を渡ろうよ

羽根を休める 渡り鳥

冬休みの 霜の朝

砂に名残の さようなら

書き残して 飛んでった

 

 

 


山之上もぐらの詩集

2024年01月19日 | 日記

おばちゃんへの挨拶


お母ちゃん どっかに 居らんようになって
さみしいな さみしいな

ミーコもハナコも 死んでしもた
さみしいな さみしいな

 エミちゃん ぼくのこと きらいや 言うた
さみしいな さみしいな

石坂くんも前田くんも 塾行ってんねん
さみしいな さみしいな

となりのみっちゃんに イケズしてしもた
さみしいな さみしいな

あんな あんな

僕の家 こんど 引っ越しすんねん
さみしいな さみしいな

二学期から 学校も 変わってまうねん
さみしいな さみしいな

土曜日に おばあちゃんが 迎えに来んねん
さみしいな さみしいな

お父ちゃんが あいさつしといで 言うてん
さみしいな さみしいな

おばちゃんに ありがとう 言わなあかんねん
さみしいな さみしいな

おばちゃんに さいなら 言わなあかんねん
さみしいな さみしいな


山之上もぐらの詩集

2024年01月19日 | 日記

おばちゃんへの挨拶


お母ちゃん どっかに 居らんようになって
さみしいな さみしいな

ミーコもハナコも 死んでしもた
さみしいな さみしいな

 エミちゃん ぼくのこと きらいや 言うた
さみしいな さみしいな

石坂くんも前田くんも 塾行ってんねん
さみしいな さみしいな

となりのみっちゃんに イケズしてしもた
さみしいな さみしいな

僕の家 こんど 引っ越しすんねん
さみしいな さみしいな

二学期から 学校も 変わってまうねん
さみしいな さみしいな

土曜日に おばあちゃんが 迎えに来んねん
さみしいな さみしいな

お父ちゃんが あいさつしといで 言うてん
さみしいな さみしいな

おばちゃんに ありがとう 言わなあかんねん
さみしいな さみしいな

おばちゃんに さいなら 言わなあかんねん
さみしいな さみしいな