yomoblog

南信州で地域エネルギーに関わりながら思うこと

「できることからはじめています」

2008-08-20 | 
鎌仲ひとみ監督のblogでも紹介されていた

暮らしの中で環境を意識しているおしゃれな女性ばかり(女9、男1)を取材したエッセー。フードコーディネーター、洋服デザイナー、イラストレーター、ギャラリーオーナー・・などエコとは言ってもおしゃれな人ばかりで、やれやれという感じもするけれど、そのうちに2農家が出ていてその方には素直に共感した。
果物を無駄にせずジャムなどに加工して自前のカフェで提供する果樹園と、海外農業研修で農業に目覚めて新規就農し、自らの農園をkino cafeと名づけた女性。農園で「cafe」。かっこいいです。



さて、そこで考えてみた、ぼくのはじめているできること。

1 家庭菜園
 (2つ前の記事のとおり。今日はオクラを初収穫。でも昨日の激しい夕立でトウモロコシが折れていた・・)
2 マイ箸持参
 (外出時にマイ箸を持つようになった。でもよく忘れる。仕事で出たときに上司と一緒だとまだ出せない)
3 信号待ちでアイドリングストップ
 (マイカーでは100%実施。ガソリンが高くなって、交差点でもやっている仲間が増えてきた。仕事の車ではマイ箸と同じく、上司と乗ったときにまだできない)
4 マイバッグ
 (つくば市では大手スーパーが9月からレジ袋を出さなくなる。まだときどき忘れる)
5 環境問題(とくにエネルギー)を人に伝える
 (六ヶ所村ラプソディーの上映会を実施。今後はもっとふつーの人に知ってもらえる楽しいイベント企画をしたい。それと、地域の自然エネルギーの選択肢を具体的に作りたい)
6 自転車通勤
 (夏は暑さを実感。雨のときは車を使ってしまう)
7 地産地消と菜食中心
 (直売所と地域密着型の生協を利用。肉は買わない。魚は近海もの。米と雑穀中心。お酒は日本酒好き)
8 郵便貯金をやめた
 (運用先として、イラク戦争につながるアメリカ国債をばんばん買っている郵便貯金をやめた。地元の銀行やろうきんに貯金をシフト)
9 省エネ冷蔵庫を購入
 (引越しを機に、必要なサイズの中でもっとも消費電力の小さい冷蔵庫を購入。カミサンは「デザインが好きじゃない」と言ってたけど)
10 古着を買う
 (新品よりエネルギー消費が少ないかな? ほんとは古着のほうが一点ものでかっこいい服が手に入ることを知ったから)



本の中で、田中優さんのコラムで10の提案があった。
そのうち最後のひとつが、

「人生をたのしむ」
自分で考えをもって行動できるようになることが大事。
そうすれば、いやなものにはNOと言える。
会社に縛られることはない。

最近の不安定な時代は、安定志向で「長いものに巻かれろ」な感じがする。
それで言いたいことが言えなくて、社会全体がまずいほうへ行ってしまう。
経団連さん、炭素税を導入してCO2を本気で削減しましょう。
経済産業省と電力会社さん、原子力はやめて自然エネルギーに切り替えましょう。
・・と中々いえない世の中では、まずいということかな。

「人生をたのしむ」
ぼくにとって、大事な課題です。


re:sのreスタート

2008-08-17 | 
発売のたびに毎回取り上げてしまうre:s

これまでりそなバンクの支援を受けていたそうだけれど、前号からそのバックアップを絶って、自立することになったようです。

           ●

物事を進めるのに一人では限界がある。
誰かと一緒にやることで、新しい地点にたどり着く。

でも、漫然と一緒にやるのではなく、各自が自分でできることを責任と覚悟を持って最高に出し切って初めて、一緒に目標を達成できる。

一緒にやる、ということは、自分でやる、ということでもある。

・・そんな決意が、いろんなエピソードを経て展開されます。

この雑誌を作っている藤本さんたちは、まったくの本気で「ふつう」という、でも新しいものを作ろうとしていて、その思いや過程を素直に本にしている。熱くストレートなハートで。

この素直さ、熱さはものづくりをしている色んな人に共感されると思います。

しかし、今の自分の仕事では、全然なっていない!
刺激を受ける雑誌です。

自休自足の本

2008-03-17 | 


この本に、山梨で有機農業をしている大学時代の友人が載っています。
3年前には表紙で載っていました。
一度遊びいかせてもらい、畑を手伝いました。
余計な力の入らない暮らしで、いい感じの畑を作り、味のある古い家に住んでいます。
奥さんととても仲良く、一緒にカフェやそばやさんにも連れていってくれました。
近くには温泉もあります。

久しぶりに、山梨のやさしい楽しい時間を思い出しました。
変わらずに、やりたいことを着実に実現している様子です。
そういう友人の話を聞くのは、何よりも励ましであり、刺激であり、自分を振り返る機会となります。さあ、自分はどうか・・

ちなみに、本には栃木県鹿沼市のアンリロというカフェもちらっと出ていますが、最高です。(フレンチ系の創作雑穀料理)

イカの哲学

2008-03-02 | 
魚介類ではイカが好きです。

一人暮らしのとき、初めて本を見ながらイカを捌いた際の感動。
白い体の中から、金色の美しいハラワタ。
それを和えて作った炒め物。
うまい!

福岡に出張したときに、居酒屋で食べたヤリイカの活造り。
さっきまで生きていたイカは、もう皿に盛られているのに、呼吸のリズムで肌の色が浮き沈みして美しい。
こりこりした歯ごたえ。
なんてうまいんだろう!

と、イカには目がない僕ですが、この本ではイカを見つめ、イカに見つめられた波多野さんという人がイカから考えた平和論を元に、中沢さんが平和やエコロジーについて考えています。

イカも人も同じ「実存」の、つながった生き物同士だ!という気づきを得た波多野さん。戦争中は神風特攻隊にいて、明日出撃という日にソ連が満州に侵攻したおかげで命拾いをしました。でも、そのあとシベリアに4年間抑留され、死ぬような過酷な体験をしています。
(実は、僕のおじいさんも満州に進駐していたためにシベリアに抑留され、強制労働の末、かろうじて生き残りました。一度脱走しようとして、撃ち殺されそうになったそうです。シベリアで死んでいたら、僕は生まれていません)

波多野さんは、帰国後、ソ連の共産圏だけでなくアメリカも見ようと渡米して、アメリカの大学で哲学を勉強します。その夏休みには学費を稼ぐため、カリフォルニアの海岸で水揚げされた大量のイカを冷凍する力仕事をして、一日に何千パイというイカを扱います。ただの水産資源・商品として大量のイカを扱いながら、そのイカと目が合ってしまい、「俺たちの存在を無視しないでくれよ!忘れないでくれ!」とイカの声を聞いて、「イカも同じ実存の存在だ」と考えるんです。
人と人の戦争の原因を考えると、平和のためには動物も含めて自分以外の命を自分とつながった対等な存在と考えることが必要なんじゃないか・・

イカから、平和、地球まで、思考がグンとジャンプしていきます。


ところで、イカの目は人間と同じくらい情報を得られる複雑な構造をもっているそうです。
でも、脳みそはずっと単純だから、その情報は処理されていないんだって・・

不思議な、おいしい存在です。

イカの哲学