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南信州で地域エネルギーに関わりながら思うこと

あやしいベランダ

2005-09-25 | 2008年1月まで
6月初旬に種をまいたアマランサス(南米の雑穀)が、畑をさぼっている間にいつの間にか黄色くなっていた。結実したころは深い赤紫の穂で、変に鮮やかな色だったけれど、いかにも枯れた黄色になったということはたぶん収穫期なんだろう。風にあおられ、頭が重すぎて倒れた茎も続出。台風が接近していたので小雨の中、よっこらしょと収穫した。
しかし、収穫してもすぐ食べられるわけではない。逆さにして、10日くらいはほして乾燥させる。そしてもみもみすれば、もみががポロポロと外れる。それを集めてもみ殻と種を分離する。他の穀物では、もみをとっただけでは玄米の状態でまだ食べられないけど、アマランサスはその手間がない。ただし、実は一番小さい。ごまより小さい。あわ、きびより小さい。針の先みたいだ。まだ食べたことはないので、味はどんなだろう。

ところでマンション暮らしのうちには、干すための納屋はない。そのため、ベランダの物干し竿にひもでつるしている。ベランダにかかるいくつもの物体・・。うちは1階なので通りからよく見えるが相当怪しいだろう。たぶん泥棒よけになるはず?
おかげで洗濯物はしばらく外に干せません。

栗の炭焼き

2005-09-19 | 2008年1月まで
そんなわけで、笠間のごま屋さんプロデュースの農体験プログラムに参加することになった。
今回は、「栗の炭を作ろう!」というもの。

本来はもみ殻を土壌改良用の炭にするドラム缶装置で、ついでに好きなもので炭焼きもやっちゃおうというもの。

上のようなドラム缶にもみ殻をどさっと入れ、次に焼きたい栗をいれます。さらにもみ殻、栗、とサンドイッチにしていって、ドラム缶を密閉して上から点火します。下の口から酸素は少しずつ入り、半日かけて中をじっくり焼いていく。火が全体に回り終えたら空気穴を閉じて、蒸し焼きにすると・・・次の朝には炭焼きが完成。木酢液の臭いがかなりきついけれど、きれいな炭ができました。
一番上の写真は、完成した炭焼きを、ドラム缶を開けて中身を掻き出しているところです。この朝かけつけた女性は、ごま料理のイベントでテーブルをイガ炭で飾るそうです。おしゃれ。作るときは臭いのきつい作業だったけれど!


左のみどりのは、生の栗。右の黒いとげとげの丸いものが栗のイガ炭です。イガイガな針もそのまま炭になっています


それから、ゴマの収穫もしました。
ごまって、けっこう背が高くなり(高いのは大人の男性に近い)よくできそうだけれど、収穫量の効率は悪そうだ。うっかり手をぶつけたりするとパラパラっとつぶつぶが地面に落ちてしまう。あーもったいない。
しかし変な形をした植物だなあ。


収穫したての生のごま。少ししっとりしている。



ちなみにこちらは、雑穀のアワです。

まさか笠間さま

2005-09-19 | 2008年1月まで
「開けゴマ!」


そんな感じの世界が、個人的には笠間で広がっている。

ふと7月末に笠間焼きの笠間に行ってみよう、と訪ねた笠間。笠間稲荷の近くに何か気になるお店があった。「ごま」と書いてある。建物は古~い。
入ってみると、昔のおせんべい屋さんが使っていたガラスの容器にゴマを入れて売っている。笠間産、無農薬有機栽培のごまという。ごまの直売なんて初めてだった。そして、ごまのとなりには粟(アワ)や黍(キビ)、高キビなどの雑穀も笠間産のものを売っている!これはすごいと思って、店主にいろいろ質問すると何倍にもなって話を帰してくれて、しかも同じような方向でさらに先を行くことを考えている方で、話が大変盛り上がった。

笠間は、笠間稲荷神社を中心に旧市街が広がる古い町であり、そして笠間焼きの陶芸のまちでもある。笠間焼きは流派などがかちっとしていないので、作家の作風が自由で、外からの人がやりやすいらしい。陶芸関係のギャラリーやカフェもたくさんある。
そして、笠間クラインガルテンという宿泊タイプの都心からの市民農園も農業の業界では有名だ。

そんな芸術系の人を多く受け入れてきた笠間では、おもしろい人がかなりの密度で集まっている。はでな所ではないけれど、スローライフを素でやっている人が多いように思う。気持ちの良いところだなあ。

木曽路の旅

2005-09-19 | 2008年1月まで
9月に入り、甲斐の国・山梨は武川と、信州は松本、塩尻、木曽路を旅行してきた。
気ままな旅にはうれしい青春18切符。年齢制限があると思っている人がいるけど、ないです。(でも使用期日の制限があるので注意)

実は木曽は予定していなかったのだけれど、日程的に静岡県まで行けなくなったため、漆塗りが特産ということで訪ねることに。これがとてもいい体験でした。

ワインが盛んな塩尻から山に向かって進むと、そこは中山道のあった木曽路の始まり。「木曽路」って、今までしゃぶしゃぶ屋しか知らなかったけど(大宮にある)、昔は江戸と名古屋を結ぶ重要な道だったんだろう。山に囲まれた川沿いを道が続いている。その「平沢」という地区が木曽漆器の生産地となっていて、広くはない道の両側を漆器屋さんが立ち並んでいる。平日だったので「しーーん」とした通りだったけど、建物も古風で趣がある。
一軒の漆器屋さんに思い切って入る。しばらく誰もいなくて、はあ~と眺めていると奥からおじさんが出てきた。親切な人で、1時間くらいいろいろと説明してくれた。
漆器屋さんは大体は暗くてディスプレーもしていない。初心者には入りにくいが、実はそれは漆を日光から守るためとのこと。できれば店の中にも並べたくないくらいだという。
平沢の漆器屋さんは、もとの木枠は自分では作らない。となりの奈良井などで作った木地のものに、漆をいかに美しく塗るかが仕事である。木地の器づくり、漆取り(今では多くが中国産)、塗りと分業されている。そして塗りは物によっては何ヶ月か乾かしながら色を重ねながら、時間をかけてできあがるのだという。人の手をかけて天然素材の特徴を見極めながらの、手間のかかった時間をかけた製品だ。例えばお椀一つが4000円くらいからというのも、まあ聞けば納得。
ものを買うとき、値段を他と比較して(例えば100円ショップのプラスチック製品を比較対象として)高い、安いと言っているけれど、本当はそれを作るのにどれくらいの手間と技術と時間がかかっているのかまで考えて、値段の意味を推し量る必要があるのだろう。
納得の上、ちょっとがんばって3450円のお椀を購入。うちの食器で一番お上品だ!

平沢のとなりには、奈良井という町並み景観保存をしている地区がある。1970年代に保存をはじめたそうだけれど、ここは江戸時代?というような雰囲気を残している。道は狭く、両側の旅館は2階の軒を突き出していて、旅人がちょっとした雨ならぬれないような造りになっている。さすがに、建物の中は改装されていて、ガスも電気もある。それでも外観と玄関の雰囲気は落ち着いたよいものがあった。見学ができる完全保存された商家などもあるので、日本建築に興味があればとても価値のあるところだろう。

ほかにもいっろいろあったけれど、温故知新であり、また自分の生き方をよく考える旅でした。それにしても古い建物っていいな。

奈良井の町並み(旅館の出張った2階の軒先より)
奈良井の保存地区の町並み