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南信州で地域エネルギーに関わりながら思うこと

2017年の始まり

2017-01-10 | いろいろ
かなり久々のブログ更新です。4年くらい前にFBを始めてからブログを完全に放置していました。
日々の通りゆくことはFBとして、じっくり考えて書き留めておきたいことを、時々ここに記していきたいと思います。

1月も10日すぎてしまったけれど、年末年始に2016年を振り返り2017年の抱負を考えていました。
(見出しの写真は、2017年の初日の出@霞ヶ浦)

●2016年振り返り
2016年は、2011年春に飯田に来てから丸5年が経ち、自然エネルギーの先進地飯田での仕事が自分にも板について来た感じがありました。
自分なりの独自の役割が会社内で担えている実感があります。

子育ても楽しんでいて、森のようちえん(野あそび保育みっけ)の第2次創設期に関わってパパの会を立ち上げました。
子供を通した友達作りで、そして地域活動、環境教育活動でもあります。

また、夏に福島県からの放射能保養ツアーに、当日ボランティアで参加しました。
自分自身が放射能避難民ということもあり、ほんのちょっとだけどお手伝いができたのは嬉しいことでした。

秋から冬にかけて、飯田市上村の小水力発電事業に経営委員として関わり始めました。自分としても小水力は勉強中で実務経験はないのですが、地元住民の方々と事業化を一緒に考えています。
小水力発電の面白いところは、過疎化に直面した地域活動として、リアルに地域(地区)主導で行うところです。「自然エネルギー×地域づくり」をしたいとつくばにいる頃からずっと思っていましたが、まさにその現場に立ち会っています。

「自然エネルギーと地域づくり」という意味では、岐阜県郡上市石徹白で全戸出資による小水力発電を実現した平野さんや、岡山県西粟倉村でバイオマス熱供給をしている井筒さんにお会いできたことも大きな刺激を得ました。「小さな事業や仕事を創ることが、持続可能な地域づくり」と示してくれた、先を行く目標になります。

また、地元飯田市でも地域づくりの大先輩に出会いました。元行政マンであり、今は過疎地域で住民会議のコーディネート等をしている高橋寛治さん。
市内のカフェで開かれた座談会に参加した際にコーディネートをされていたのが出会いですが、フラットに参加者の話を聴き、それぞれの言葉を引き出す存在感に驚嘆しました。年の差を感じさせない人で、すぐ友達になれたと勝手に思っています。これからも高橋塾に通おっと。

ということで、あまり意識はしていませんでしたが、振り返ると結構充実していたのかもしれません。数年ぶりに会った人から「いい顔をしてる」と言われてそんなものかなあと思いましたが、震災直後の移住当時を思うと大分落ち着いたし、この地でこれからどうしていくか、改めて次の展開を考えたりもしています。


●2017年の抱負
さて、年始に当たって今年の抱負は、「ゆったり、ゆとり」です。
先に振り返った通り、2016年は仕事も私事も充実していたと思いますが、その代わり大分忙しかったです。追いかけるより、追いかけられていました。
特に会社での仕事は時間に追われまくっていて・・そうなると余裕がなく周りにもキツクなったり、時には嫌な雰囲気を作っていたと思います。
家庭でも、家族に対して十分な時間が取れませんでした。本当は相方ともっと話し合い、子供と他愛ない遊びをしたいのだけど、時間の配分が仕事優先にならざるを得ない。

そんな状態は自分としては頑張っているつもりでも、全体としては良い状態ではないのかも、と思います。一人が+10頑張るより、それぞれが+1した方が多様性があって思わぬことが生まれるし、共同する面白さがあるように思います。
自分が頑張るという力みを減らして、ゆったりとゆとりや余白を持つことで、会社も家庭も、全体がもっとよくなる気がしています。
理想はありつつも、やることを選りすぐり、細かいことを人に求めずに、全体をゆったりとコーディネートすることを日々の心構えにしたいと思います。

その上で、具体的にやりたいこと。いくつもありますが、ひとまずは以下です。
・ 上村小水力発電の具体化と地域づくりコーディネート
・ 地域づくりの本質を知る(高橋塾)
・ 中央アルプスか南アルプスの山に、子供と登る
・ もち米と小豆を育て、自家製おはぎを作る
・ 森のようちえんアカデミーの立ち上げ協力

実現するには、本当に心に余裕を持たないとできんなあ・・、
時期や方法などをブレイクダウンした構想も作らないとなあと、ここまで綴って気がつきました。

3.11がきっかけで、子供に導かれて伊那谷へ飛んで来た5年。
何とか着陸できたので、ここを拠点に次の展開の5年がスタートする2017年。
時々振り返りながら、良い一年を過ごしたいなと思います。

ドイツの太陽光発電

2013-02-01 | いろいろ
※一部、修正しました。産業用をまずは普及させて次は家庭用が普及したと書いていたのですが、よく確認しましたらむしろ意識ある市民から導入が始まり、家庭も産業も一緒に普及してきたということです。



2000年に固定価格全量買取制度(長期間、高い価格で全て買い取る)が始まっていたドイツでは、2009年から家庭向けの余剰売電(自家消費して、余った分だけ高く売れる)を進めてきた日本とは違った太陽光発電の普及がされていました。(日本でも2012年からは、産業用は全量売電になりました)

日本だと家庭用の太陽光発電(3~4kW)をよく見かけますが、ドイツでは20kW~50kWくらいの中規模なものが目立っていて、僕の回った市街地では家庭用の普及率は飯田市の半分くらいな感覚でした。
なぜドイツでは大きなものが存在感があるのか。

ドイツでも、まずは意識ある市民が太陽光発電に取り組み始めたそうですが、10kW以上でもそれ未満でも、全て全量買取の対象であったため、小規模な家庭用、市民共同出資および農家や中小企業による中規模なもの、メガソーラーの大きなもの、すべてが同時に普及してきたそうです。

ただし、都市部では日本に比べて持ち家比率が低いので、家庭用はあまり普及していません。農村部で日照条件のよいところでは、家庭用も普及しているそうです。

ドイツでは今はすでに買取価格が大きく下がったため、大きいパネルでないと収益がでないため、今後は中・大規模がさらに増えていくことが予想されています。なお、通常に買うよりも太陽光の電気のほうが安くなるグリッド・パリティに到達したので、これからは売電ではなく自家消費型も増えていく見込みです。

さて、ドイツで見た太陽光の様子を紹介します。

農家の大きな屋根。農家にはよく付いていました。

フライブルク・ボーバン地区(車が厳しく規制されている)の公共駐車場の屋上パネル。市街地の周辺部で車を降りてトラムに乗り換える交通政策のシンボル的拠点に、ソーラーがたくさん付いています。

フライブルクのサッカー場。15年前、ドイツではじめてサッカー場に全面的にソーラーが載ったところ。市民が多く出資しています。

高速のサービスエリアの屋上が全面ソーラー。30~40kWくらいかな。

カッセル市エネルギー公社屋上の薄膜ソーラー。ここにみんなで立って、記念撮影したけど発電量減っちゃったかな?








「黒い森」の森林管理

2013-01-28 | いろいろ
ドイツ南部の「黒い森」。
ドイツ在住の森林管理の専門家・MITの池田さんに、ここの森林管理を教わって来ました。
上の写真は、林道にあった環境教育用の展示。この森にある木が解説されています。
ドイツの森は木の種類が少なく、ここに展示されている8種類がわかれば、8割方はわかるそうです。
というのも、1万年以上前の氷河期にアルプス山脈を乗り越えられず、木々がいちど壊滅してしまったからだそうです。


こんな仕掛けも。小さなトーテムポールのような木で、顔が開いて、森についての解説が出てきます。


ドイツの森林管理の特徴は、「多様性」を守ること。
200年以上の森林管理の歴史の中で、森の多様性を保った天然更新に行き着いたそうです。
太い木、細い木、立ち枯れした木・・いろいろな木があります。
間伐はしますが、一気に面的にするのではなく、勢いのある木をさらに伸ばすためにその周囲を間伐します。
適度に管理することで(画一的にしない)、新しい木が自然に生えてきます。
自然に生えた木は、植林した苗木よりも根がしっかりしているし、遺伝子的にも強い。
様々な年代の木があることで、いつの時代にも適度に森のめぐみを得ることができ、収入につながります。「おじいちゃんの時代に植えて、お父さんが育成して、孫が収穫する」というような世代間の不公平もありません。

でも、ドイツの森も失敗がなかったわけではなく、試行錯誤をしています。

これは、森のシンボル「キツツキ」の彫刻。森の中にありました。
70~80年代にキツツキが黒い森から消えてしまいました。
なぜか。
キツツキは、木の中の虫を食べます。虫がつく木とは、弱った、病気の木です。
かつては病気の木は完全に処理して持ち出し、健康な木だけの森にしていたため、キツツキのエサがなくなってしまったのです。
立枯した木を残しておくと、そこにはバクテリア、虫など約600種もの生物が棲むそうです。
生物多様性のある森は、トータルでは病気にも強くなります。
単一性が高いと、一気にやられてしまいますが、多様性が高いと、害虫がいれば益虫もいる、という状況になり全滅することがありません。
その場の命の多様性を保ち、画一的な環境にしない考えは、日本の「自然農法」と似ているなと思います。

こうして多様性を保った森では、約3%ほど木の体積が成長します。
つまり3%の利回りを得られるようなものです。
3%の利回りの範囲で切り出していけば、元本には手をつけず持続可能な林業経営をすることができます。
自然の恵みの範囲内で、人の経済活動をしていけば、持続可能な環境と経営が達成できるのです!
よく考えれば当たり前ですが、これはハッとする指摘でした。

搬出のための山道(森林基幹道)も非常によく考えられていて、道の両サイドが下がっています。つまり屋根のようになっていて、水がわきに流れていきます。山なので傾斜がありますから、傾斜の下側の水はそのまま下に流れます。上側の水は、道の端っこの溝を流れるようになっていて、ところどころ暗渠があり、道の反対側に流れ落ちます。
水をしっかりコントロールすることで、丈夫で効率的な作業ができる道ができています。
30トンも運べる大きなトラックが、森の中のどこの場所にでも簡単にアクセスできるように作ってあります。アスファルトは使わず、しっかり踏圧し、じゃりをひいただけです。
林業労働者の給料は日本より少しむしろ高いのですが、この素晴らしい森林基幹道により、輸送コストが大きく下がっていて、トータルでは競争力を持ち得ています。日本では細いアスファルトの林道が、非効率的に通っているため、切り倒した木を重機で山の下へおろし、再度トラックに積むそうですが、ドイツでは切ったら林道からウインチで引っ張り、すぐにトラックに乗せて持ち出せるようになっています。

ちょっとわかりにくいですが、両脇が低くなっていて、水が落ちるようになっています。
もしフラットだと、水が溜まる場所ができて、そこから弱くなって道が壊れてしまいます。
日本の現在の規格では、ドイツのような森の道はつくれないそうです・・(でも、北海道のある地域では、林野庁にこの基準の変更を求めて、ドイツ式の道を整備し始めたそうです)


森の中へ向かう道。
森の中では、ノルディックウオーキングや、ジョギングをする人にも会いました。
森のレクリエーション機能もとても大切なものです。

こうした森の管理は、「森林官」による指導によってなされています。
民有林、国有林の関係なく、森林官が林業経営のアドバイスをしているそうです。
そして、森林官はシカを狩猟もしています。
今では狼がいなくなったため、シカを制御しないと若芽が食べ尽くされ、自然な木の更新ができなくなるからだそうです。

森林官のランゲさんから聞いた「持続可能な多様性」という言葉が、強く印象に残りました。
会社でも、家族でも、多様性が大事なのはきっと同じですね。


干し芋 初仕込み

2013-01-07 | いろいろ
干し芋用の芋をいただいて、干し芋を飯田に来て初めて仕込みました。
熱々に蒸した芋を、皮をむいて、切って並べます。
2週間くらいうまく干せれば干し芋に。

干し芋部での仕込みは、1月末ごろになるかな。
その前の練習です。