沖永良部島は隆起サンゴ礁の島で琉球石灰岩に覆われていて、湧水が出る場所がたくさんあるそうです。石灰岩は水が浸透しやすいため、河川がほとんど形成されずに地下へと流れ込んでしまいます。そのため、水道が整備されるまでは、川や湧水、暗川(クラゴー・地下を流れる川)が大変貴重な水源だったそうです。島の人々は川(主に湧水)のことを「ホー」と呼び、それらを中心に集落を形成してきました。「ホー」は飲料用水、生活用水、水田かんがい、防火用水などとして利用されるとともに、地域住民のコミュニケーションの場としての役割も大いに担っているということです。
そんな島の水事情ですが、島の島主であった世之主が居住していた城の裏には、宗川の泉(そうごのいずみ)と呼ばれる場所があったようです。
世之主神社の裏(北側)の崖と畑の境目に宗川(そうご)と呼ばれる小さな川が流れていて、その先に泉があったようです。今は川はもう畑の用水路のようになってコンクリートで側面は覆われています。泉の方は現在はどうなっているのかはまだ確認が出来ていません。
お爺様の書によると、付近に住む昔の人は、みんなこの川の水を飲料水や生活用水として利用していたそうです。600年前に生きていた世之主もきっとここの水を利用していたのでしょうね。島に行ったら泉の存在も確認してこようと思います。
沖永良部の湧水をネットで検索してみたら、こんな地図が出てきました。
周囲50kmほどの島に、こんなにたくさんの湧水スポットがあるようです。有名なところでは、ジッキョヌホー(瀬利覚)、クラゴー(暗川)があります。
ジッキョヌホー
「瀬利覚の川」という意味で、瀬利覚字のシンボル的存在。環境省「平成の名水百選」に選定されています。夏になると水浴びをして遊ぶ子どもたちで賑わい、毎年7月には「ジッキョヌホーまつり」が盛大に行われているそうです。
クラゴー
島にはいくつか暗川(クラゴー)があるそうですが、ここは史跡としてもっとも有名な住吉暗川です。島には川が少ないので、昔は飲料水や生活水を女性が頭に瓶を担いで、毎日汲みにくるのが仕事だったそうです。女性は水汲女神。毎日水の入った大きな瓶を頭に乗せて家とを往復する大変な重労働だったそうです。