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先祖を探して

Vol.7 土地の神様がいるのかな

明治31年の台風の後に当家の先祖である上花城家が移り住んだ場所は、内城小学校の裏手にあたる場所でした。当時の土地の所有者は親族であったのが土地台帳で確認できています。

私の義母が小学生の頃までこの地に住んでいました。当時は昭和初期で第二次世界大戦中の大変な時代です。沖永良部島は食べるものもなく、とても大変な状況だったようです。昔の情報で聞いていた、「食べ物が無かったのでソテツの根っこを湯がいて毒抜きをして、乾燥させて粉にして、それで団子を作って食べた」これ、実体験で義母が話してくれました。
島では裸足で生活していて、それは普通のことだったそうです。義母は昭和28年に九州の方へ家族で転居するまでは島で暮らしていましたが、まだ小学生だったので記憶が少ないと言います。もちろん、義母の父親である義経爺様が世之主神社の神主をしていたので、結婚式や色々な祭り事が多く、そのたびにお爺様が祝いの手料理を作り、当家に代々伝わるりっぱな大きなお皿にお料理を盛り付けていたそうです。この陶磁器類は一部は島にいる本家に保管されているようです。
世之主神社の祭りでは、大勢が神社に集まって、相撲をしたり踊ったり、ご馳走があったりと賑やかだったことはとてもよく覚えているそうです。
 
お爺様は大変器用な方で、大工仕事、畑仕事、料理、神主のお仕事など色んな顔をお持ちだったようです。当家に残っているお爺様の書を見ると、とても達筆で字もお上手だったことが分かります。
 
新居住地について
 
移り住んだ土地のすぐ裏手は高い崖になっており、洞穴があったそうです。その崖の上は畑になっており作物を作っていたそうです。
庭にはフルーツの木が何本かあって、通路から入った家の入口のところには、大きな岩があったそうです。母屋、お風呂場、台所、井戸、そして小さな池のようなところ。
裕福な時代には、豚や鶏などの家畜もいたそうです。
 
実はこの土地、私たち家族と義父母と一緒に2015年に沖永良部島にお墓参りに行った時に訪ねてみました。急に話題が出て急に行ってみたのですが、亜熱帯の草がぼうぼうに生い茂った薮になっていました。かなりの草には覆われていましたが、入り口にあった大きな岩は何とかみれましたが、草が茂りすぎていて中には入ることができませんでした。
あれからずっとずっと、あの地のことがなぜか気になっていて、実は昨年に沖永良部に渡り住んで島の魅力を発信しているブロガーの方にコンタクトを取って調査依頼をしたところ、気さくに引き受けて下さって、写真を撮ってきてくださいました。相変わらず草で覆われていて、少しだけしか中には入っていけなかったようですが、屋敷跡の石積や池跡らしきところはあったと報告してくださいました。
 
こちらがその時のブログです↓
http://blog.livedoor.jp/f3m1i0o-9994/archives/2020-06-02.html
 
実はこの土地、当家が島を出た後に、誰も住むことが出来ない神高い土地になってしまったようです。島には他にも神高いと言われている土地がいくつかあるようです。この土地は現在も空き地で宗家の人が返ってくることを待っているのかもしれません。
 
島を出た後は
 
戦時中という環境、様々な家庭の状況が重なって、昭和28年に上花城家はこの地を離れ、九州の方で生活をすることになりました。当時の沖永良部島は沖縄と同じくアメリカ領でしたので、日本に行くにはパスポートが必要だったそうで、いったん沖縄に渡り予防接種のような注射をされ、許可が下りるまで1ケ月ほど沖縄に滞在していたそうです。

それから無事に九州に船旅で着いて、宮崎県の日置村(今は日置市)にお爺様の妹がいたので、そこを頼って半年ほど生活し、長男が先に北九州に行って生計の場を準備してくれていたので、その後は生涯を北九州で過ごしたそうです。
 
 
素敵な小説です
 
島の当時の状況を素晴らしく描いた小説がありましたので、ご紹介しておきます。
作家の中谷初枝さんが書かれた小説です。
 
1.神に守られた島
2.神の島の子供たち (1の続編)
3.神の島の子供たち(文庫版:1.2の内容とプラスの内容が少しあるようです)
 
   [中脇初枝]の神の島のこどもたち (講談社文庫)
 
私は1.2を読んだのですが、どちらも一晩で読み終えるほど引き込まれる内容でした。たくさんの島言葉も使ってあり(意味は書いてあります)、戦時中の島の歴史的な背景も詳細に書かれており島を知る良い材料となりましたので、ご興味がある方はぜひご一読を!
 
戦時中から戦後の島の復帰運動についてお知りになりたい方はこちらをご覧ください↓
 

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コメント一覧

yononushi
@seepin お屋敷があるかは分からないですが、いつか潜入してみたいです😌
seepin
その土地にいつか入れるといいですね
お屋敷が残ってるのかな?
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