とんとんからしのあるがまま

ゆっくりと、のんびりと、ゆる〜いシニアの日々を綴ります。

水仙の妖精

2023-01-14 | 日記

夫が水仙を見に行こうと誘ってきた

昨年行ったところだけど

今年は今年の水仙が咲いてるだろうと

誘いに乗った

 

車は低い山の中をクネクネと曲がり

やがて海へ出た

海風が鼻をくすぐる

地球の新鮮な匂いを嗅いだような気がした

瀬戸内の海岸を車は滑っていった

 

ふと、その海沿いの道を

こちらに向かって歩いてくる女性をみかけた

トートバックを肩に右手には

水仙の花束をもっている

黒いスリムパンツの脚は

スッと伸びていて

スタイルの良い都会の女性を感じさせた

黒髪をなびかせたその顔がすれ違いさま見えた

若い女性のようだ

何故、こんな所を歩いているのだろうと思った

まさか、水仙畑から歩いているのではあるまいか

いや、

きっと、この辺りの人に違いない

と、思うのだが、、、

 

違和感がありすぎる、、、

まぁ、いいか、通りすがりの人ではないか。。。

と、海に目をやる

もうそろそろ、目的地の水仙畑だ

指定の駐車場に車を停めて

急な坂道を登り

山の上の水仙畑に着いた

 

甘い香りが漂ってきて

まるで別世界へ来たようだ

一通り見終わると、すっかり癒されて

私たちは坂道を下り

水仙に別れを告げた

 

買ってきた水仙の束が早速、車の中で

香り始めた、、、

心地良い香りの中

車は帰途へついたが

途中のシーサイドパークへ、寄り道をして

カフェオレとじゃこ天を買った

これも、去年と同じ行動パターン

海辺の丸太風のベンチに座り

海を眺めながら

揚げたてのじゃこ天を齧る

旨い

 

と、その次の瞬間

砂浜に見覚えのある姿を発見

あの彼女であった、、、

水仙畑からここまで歩いてきたのか

妙に気になって

わたしはそばに寄っていって声をかけた

「水仙畑に行くとき、お見かけしたのだけど

ここまで、歩いて来られたの?」

「はい、ここまで歩いてきました」

「六キロありました」

「恥ずかしい、馬鹿だと思ったでしょう」と

彼女は、はにかみながら言った

いえ、若い女性が歩いているので

気になってたのよ」と言ったら

「汽車の時間に乗り遅れて、、、」

この近くにある駅まで歩いたらしいです

写真が趣味で、

有休を取って撮りにいってたのだとか。

 

帰る方向が同じだったので、

同乗をと思ったけれど

事故でもあったら

取り返しがつかないので言えなかった

また、彼女の方も

見ず知らずの人の車になんか乗らないでしょう

 

でも、声をかけていただいて嬉しかったと、

苦労も吹き飛んだと言ってくれた

良いお出会いができて良かったと

お互い笑顔で別れた

 

帰りの車内で夫にこの話をしたが

夫は黙って聞いていた

 

そこには、不思議な風が吹いていた

 

ふと、わたしは何故、声をかけたのだろうと

ちょっと恥ずかしくもあり

俯瞰する自分もいた

 

きっと、水仙の妖精がそうさせたのだろうと

彼女自身がその妖精だったのかも知れないと

だから、私の好奇心が引き寄せられた、、、。

 

今もわたしの脳裏には

彼女の水仙を持った姿、笑顔が残っていて

ますます妖精化されているようです、、、。

あの上品で優しくて純粋で

香り高い美しいお姿は

きっと、水仙の化身だったのだ、、、。

 

 

今日も明日も良い日でありますように。

愛と平和でありますように。


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