中年オヤジNY留学!

NYでの就職、永住権取得いずれも不成功、しかし、しかし意味ある自分探しに。

“たかが家、されど家” 留学から知る、自分の住みか

2019-05-04 21:38:15 | オヤジ留学
中年オヤジ留学

たかが家、されど家” 留学から知る、大切な自分の住みか
2019/5/4 再編集

 1992年3月25日、自分の4年と少しのニューヨーク留学生活に区切りをつけました。
クイーンズ、エルムハーストの路肩に雪の残るアパートを引き払い、帰国しました。
もちろん寂しさとか残念とかの思いはありますが、 いつまでも開かない門の前で(職も見つからず)待つこともできませんでした。

(わが部屋は健在なり!)
日本に帰って、今でも忘れないことがあります。 私は無駄にも4年間以上も誰も住まない部屋の家賃を払い続けていました。 でも後悔はあまりありませんでした (そんな話をしたら、友達はみんなバカヤローと言っていました) その当時、月の家賃が4万円前後つまり年間50万円、4年超で200万円は無駄に払ってます。 1)理由として、留学前はアメリカの物価は日本よりも高いと思っていました(現在,アメリカはバブル状態で、物価は逆転していますから間違えないで!)、結果、4年以上も居られると思っていませんでした。
2)私は、”ビビリ屋“なので、日本を留守にしている間、バブルで家賃が倍近くに高騰すると思っていました(実際は、僅かな上昇に留まったらしい)。
そのため、帰国した際の、住まいをキープして置きたかったのです。
3)他にも子供の学費の送金もあり、私の留学には別の意味でお金がかかっています。 そのためN.Y.から国際電話で”虎の子”の小規模共済金(退職金積立)の解約、株式の売却、ANA、小松製作所、その他、色々やりました。


部屋の話に戻ります、4年の間、途中2度、用事があり帰国しましたが、部屋にダメージ(変化)は有りませんでした。 しかし今度ばかりは様子が違います。
4年間、夏も冬も鍵を掛け閉め切ったせいか、壁紙の何か所が大きく壁の隅から”京都八つ橋“のシェープで垂れ下がっています。
西向きの部屋のカーテンは数年に及ぶ熱と光のため“炭化”し、繊維がほつれる状態です。

しかし概ね“西部戦線(私の部屋は)、異常なし”です




(朝のトイレ戦争からの解放)
日本の自分の部屋に帰って、一つだけ自分がうれしかったのは、”好きな時にトイレにいけることでした”。
また付け加えるなら、”自分の前の廊下を歩くルームメイトの足音を気にしなくて良いこと”。 自分の家族でないだけに、落ち着かないですね。 他の人の存在自体が、見えない形のプレッシャーになったりして。
 
自分の部屋、帰国前は予想だにしていなかった解放感―“ホットとできるというのが一番近い言葉かな?

まだ以前にも話した、インターナショナル・ハウスという学生寮はトイレもシャワーも共同でしたが、それ程ストレスは感じませんでした。 皆さん知ってます? 寮とかYMCAでは隣のトイレの人間の足が見える状態で用事をたさなければいけないのを - アメリカの防犯上でしょうね?

ただアパートをシェアーした場合は違います、更にタフ(厳しい)です。 どうしても、バスルーム(トイレ・シャワー)は使用するタイミングがぶつかるんですよね。 ですから自分は遠慮して他の人より一時間位早く起き、済ませて学校へ行っていました。
ちょっとストレスですね
冬の朝なんて、暗さが違います。

人間って面倒くさい生き物です。 寂しければ、自分から友を求め外に出向き、家に居ては他の人間の存在が”ウザイ(邪魔)”。
キッチンだって同じことです、ほかの人間が台所を占領していたら、料理する匂いが臭いだの、時間が長いの落ち着きません。
そこでルームメイトの韓国人が両親を国から呼び寄せ一月以上もいた時は、疲れました。 3人でも(他にアメリカ人1人)多いのに、それに韓国人の親2人加わり私は益々、落ち着いた気持ちがなかったです。

日本に帰り,この原始的な部分(トイレとか、他人とかの気配)が満足されれば、もちろん若干は日が入るとか、雨風をしのげることも必要ですが、住む所は立派すぎる必要はないと感じました。

(新築マンションの購入、日本の風習―大丈夫?) 
昨今、世間では結婚、もしくは子供でもできようなら、迷いもなく、お決まりのように5~6000万のマンションを買っていますが、大丈夫でしょうか?
よく例えで、家は一度や二度、建てた位では満足する家は建てられないと言いますが、マンションだって一度や二度住み替えても、何年か?すると不満が出てきます
5,6000万、しかもローン30~35年といったら、自分の命と引き換えみたいものです
しかも日本の離婚割合も4分の一前後と聞きます。
新築5~6000万の買物は、山あり谷ありの人間の短い人生で採算合うのでしょうか?

(ある公証役場で)
 私は身内の経験から、話は飛躍するのですが遺言書は心身ともに健康な時に作らなければと知りました。
そこで公証役場に出向いたのですが、その時、何組ものグループが公証役場の事務所で公正証書の原稿を当事者間で読み合わせていました。
自分の前方は3~40代の男女、一応、席は間隔を置いているのですが、先生(公証人)の声は小さくても、自然に私の耳に届きます。
どうやら離婚の協議のようです。
それによると男性(ご主人)は現在住んでいるマンションを退去し奥さんに引き渡し、尚且つ引き続きローンの返済すること。 給料から子供の養育費を自動支払いさせること、更に夫は妻へは転職、引っ越しの報告義務、あたかも執行猶予もどきの犯罪者のよう

夫の権利はかろうじて子供への面会権のみ。
彼にとって経済的にも精神的にもこれから数十年も“ガンジガラメ”。
これが現在の離婚の相場なのでしょう。

分かります、このご主人が奥さんの言いなりに書類に判(サイン)を押そうとしているの。
私も経験しています。
その場(ゴタゴタした修復不能の夫婦関係)から早く縁を切りたいがために、後先の弁済能力ことは考えず高値で設定(相手の言いなり)の場合も。

人間、マンションを買うのも、離婚しようとする時も概して、人生のほぼ絶頂期
人間ちやほやされる時期がいかに短いかも、トップ・スピードで走れるのもこの先10年あるかないかも?
基本的に人生は“本格的には、やり直しが効かない(新卒のようにはいかない事)”。

若い当事者は、全て分かってはいません

(この世は、行きつくところ常に、過ぎたるは及ばざるがごとし・・)
 定年、もしくはその延長でやっとローンを返済できる、これでは最初から勝負に例えたら負けてはいないでしょうか
ローン返済の最中に、病気も転職、夫婦の不仲も、長期ローンには織り込まれていません。
他にもローン債務者は借金による“ストレス”は休むことを知りません。

奥さんや彼女に喜んでもらいたいがために無理をせず、”ヤドカリ“のように余裕があれば少し上の住まいに住み替える、どうでしょうか?
人を呼びたい、見せたい、トレンドに乗りたいは、ひとまず置いといて。

私がアメリカから帰って来た時に感じた、誰にも気兼ねなく好きな時に、トイレを使えるこれだけでも立派な住みかです。

(つづきます)


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