瞬時に体を包む感性に従え
“もしも事が思いがけない展開なら、立ち止まれ、引き返せ!”
2017.11.18再編集
(その時、私は強盗被害、未経験者)
皆さんが知るように、ニューヨークは犯罪の街である。 自分の短大のインド人同級生は過去に6回、うち2回はガン、そして2回はナイフの遭遇との話。 私いわく”何でそんな遅くに帰るアルバイトなんてやめたら!”
彼、“やめたら学校も、生活も続けられない”と。
この街(NY)、この国では、強盗に遭うことは、人が麻疹(はしか)にかかるのと同じ。
夜の路は、更に危険。 5番街ならさもないが、郊外の街中では。
自分が居たアパート(QUEENS)の留学生の中国人のご主人は、チャイナタウンでバイトする奥さんを心配して決まって夜12時15分頃車をだして、迎えにいっていました。
自分は、このニューヨークで3年経ってもマグ(MUGGED 強盗にあう意)られた経験がありませんでした。 ラッキーとしかいいようがありませんでした。
(ある冬の深夜、不審に感じながら、引き返せない自分)
私のバイトは、アパートから徒歩15分くらい、バイト先からクイーンズの地下鉄エルムハースト駅を抜け3ブロック先を右に曲がりさらに4ブロック程。
その年の冬、バイトを夜12時半ごろ終え、家に向かいました。
( ↑ 写真が現場です)
道路はニューヨーク特有の冬景色で雪に覆われています。 それは金曜日、エルムハースト駅を右に曲がりいつもの少し上り坂気味の路を少し上がった時、前方の十字路で二人の若い学生風の人間が、私が視界に入った瞬間、さっと動いたように見えました。
更に何か、サインを交わしたか?にも見えました。
その十字路には街灯があり、暗がりを歩く自分からは逆に二人の微妙な動きは確認できました。
心が若干引っかかりながらも前方に進んでいたものも、いつもと違う状況だなとは思いました。
この先の交差点には黄色い小さな駄菓子屋的な店が有り、珍しく静かな住宅街としては若者が日中“たむろっている”場所でした。
若そうに見えるから、高校生が夜遊びないし、話ふけって表にいるのかな?
しかし、彼らがどこかに行かなければ、彼らの横を通り過ぎなければならない。
”少し、嫌だな”
”けど、この道の先に自分のアパートがある、この道を使わなければ、引き返し、四角く大回り、これも嫌だな”
”若そうに見えるから、何かされるというよりは、学生の夜遊び?だろ”
私は自分に都合の良い、簡単な方の答えを選んでしまいました。
(ある程度の現金を持って外出を!)
もう皆さん、結果は想像の通り。
すれ違い様に、声をかけられる事も無く、大きく顔面を殴られました。
その衝撃で、私のメガネはどこかに“すっ飛び”ました。
私がひるんだすきに、すかさず冬場で私が着ていた厚手のダウンの奥襟をつかまれ、自分の顔は一方的に地面とお見合い状態になりました。
何もすることができません。
もう何かされるなと思いました、それはガンか、ナイフか?
無傷では、すまされないと思いました。
(この先、どうされるのだろうか?)
私と彼らがもみ合っている間も、深夜とは言え車は3,4台交差点のため徐行はすれども停車はしませんでした。
奥襟をつかむ彼は、ポケットから光るものを出しました、そして”シャキッ”と音がして刃先が飛び出し、私の目に入りました(内心、やはり・・・・)。
このナイフを上に突き上げ私の胸を刺せば、死ぬか重傷は間違い無い。
手(素手でした)が切れても、ナイフを握った方が良いのか?・・・・
その瞬間、若い強盗の口から初めて“GIVE ME MONEY !”と言葉が発せられました。
この時、私は反省するのですが、近場へのバイトだったので、所持金、丸め込んだほぼ$1札ばかり$8くらいでした。
(アメリカでは強盗にあったら、無抵抗、金品は言いなりにが常識です)
留学当初、学校のREADINGの授業で、アメリカの上院議員が車で自宅に帰宅、玄関に至るほんの短い距離に強盗に襲われ、金を要求されました。 上院議員のポケットにはA QUARTERつまり25セントしか持ち合せ無く、一杯のコーヒーも飲めないと強盗は激怒して発砲、議員は重症を負った話。
つまりアメリカでは外出の際、現金の持ちすぎも危ない、持たな過ぎは同じく危ないと教わりました。
私はそれを守っていませんでした。
若い強盗の場合、金目的以外に被害者が流行のジャケットを着ていたり、人気のアイテムを持っていたことで強盗に遭ったり、殺されることもあるので要注意です。
それから1月ほどして、朝、通学でこの交差点を通った際、雪の残る歩道に”黒いマフラー“が落ちていました。
私は,”アッ“またここで昨夜、誰かが自分と同じように強盗に襲われたなと思いました。 一度やられた人間はすぐ分かります、真冬の雪道に黒いマフラーの落とし物の”謎”が。
この厳冬にマフラーを落として、気が付かぬ人はいません。 解放されたら、逃げるのが先決です。
私も強盗に解放された瞬間、すっ飛んだ眼鏡を探さず、速足で現場を離れています。
(人間の第6感が騒いだら、立ち止まる、そして引き返す)
これは街中で暴力沙汰に巻き込まれるだけでなく、商売上、男女関係でも万一、自分が予定したシナリオが意に反して、違う方へ展開。
この場合、極めて、要注意 !
話が固まりかけたところで、新たな状況変化、相手が違うことを言い出した、もしくは乱暴な言い方だが相手の”化けの皮がはげかかった”場合。
私のニューヨークの強盗と同じく、決して、楽観論で自分を安心させないで!
例え不動産取引で、手付金を払っていても、結婚の準備がある程度進んでいても。
恥かいても良い!
お金を損しても!
どうか引き返してください!
また続きます。