中年オヤジNY留学!

NYでの就職、永住権取得いずれも不成功、しかし、しかし意味ある自分探しに。

“消滅しつつあるNYのスモール・ビジネスと“寂しさ”

2016-07-19 11:49:10 | オヤジ留学
オヤジNY留学



消滅しつつあるNYのスモール・ビジネスと“寂しさ
2016/7/19 記

 私、22年ぶりに訪れてみました。 NYは自分を再度人生の焼き入れ(刀に例え)してくれた場所です。
感謝です !
4年と少し居たうち2年半はコロンビア大学の近くのグラント将軍のお墓のそばの寮にいました。 人の好みもあると思いますが、留学生には最高の環境だと思います。
 その近くで、ブロードウェイの通りの角近くにピザ屋さんがありました。 美味しかったです。
 また、どちらかというと、少しだけ柄の悪い子供たちがギャーギャーやっている辺りと、比較的品の良いコロンビアの学生とか、ご近所の方の店への出入りで、街の雰囲気を引き締めている感じの緩衝(かんしょう)地帯です。

ニューヨーク特有の壁に寄りかかり、街ゆく人達を眺め、新参者に時には冷やかす“SPEAK ENGLISH(喋れるものなら、英語話してみろ!)”。歩道には悪ガキが両足で空き瓶の頭を挟み、空中に高く上げ、道路に激突させ粉々に割る遊びをゲーム感覚でやります、割れれば路上にはガラスの破片が散乱。
歩きづらい“やってくれたな!”です。





(あのピザ屋さんは?) NYとの再会として以前の宿舎を訪ねた足の帰り、そのピザ屋さんのそばのバス停で、メトロポリタン美術館行きのバスを待っていると、バスはなかなか来ません。
 ついバス停のベンチに座っているご婦人に、”角にあるピザ屋さんは、もうお店はやっていないのですか?”と聞くと、4,5年前に閉めたそうです。 彼女も美味しい良いレストランだったと寂しがっていました。

そういえば、その先にあったチャイニーズ・レストランも重いシャッターを下ろしっぱなしになっていました。 そこも留学中は、金のない私はお世話になりました。 学校の帰り夜中10時頃、スープ(酸辛湯)とご飯だけを注文すると、それだけか?オカズは要らないのか?しつこく聞くので、少し嫌でしたが。

そして、実は私、ニューヨークで学生の傍ら少し期間、美容室でアルバイトをしていたのですが、その場所も訪れてみました。 行く前に想像はしていましたが、既に店はなく、
ほかの業種の倉庫同然の感じです。

当時の日本人のお客さんは、この店を中継地点にして用事もないのに、よく立ち寄りました。
もしも私がオーナーだったら嬉しい事です。
この遠く離れた異国の地で、“渡り鳥”のように、この美容室で髪を切らずとも立ち寄り、小話をしていく、分かりますその気持ち。
特に、和食の板前の桜井さん、よく差し入れをしてくれました。 遠くの日本のパン屋さんまで人を喜ばせようと買い出しに行って持参するカレーパン。
ニューヨークで食べる、日本のカレーパン、ケーキにも勝る、涙ものです

(カルソン・マックレヤーのNYカフェ)
話は、少しそれますけど、私はカルソン・マックレヤーの” THE HEART IS A LONELY HUNTER(日本名?)"という小説が大好きです。
アメリカ南部の田舎町で”NYカフェ”24時間営業のレストランを舞台に多種多様な人間が出入り。 
小説の後半、オーナーは言う”別に金の為に、四六時中店を開けている訳ではない、そりゃ深夜に“まぐれ”で客が入ることもあるが、ほとんど深夜から朝にかけては、たかが知れている。
 でも、この町にわずかにあるほかの店が灯りを消したあと、せめてここだけでも灯りをともし続け、ここを拠り所する人達の"ほっとする場所”として残しておきたい。
私は、この下りでまたまた、泣けました。

(こんな店を持つ、これは私の夢でしたが・・・)
ですから、正直言って、長い間、いつかこんな店をやりたかったのですが、つい安定した職を捨てることできず、夢と終わりました。
意気地なしの自分、中途半端に終わり、神様に謝りたい(あやまりたい)です。

こんな感じのお店を出すのは、今の世の中ムリなんですかね?
小さくても街の拠り所になっているような。
こんなお店、あってもむしろ、減っていますよね。
酒に酔わされない本当の大人が集って話せる場所、何にもまして必要ですよね!

ところでアメリカ人て、結構寂しがりやなんです!もちろん日本人もでしょうけど、日本人は”寂しさ“を素直に表現しません!
それに日本人は、まだまだ家族、親戚でまとまれるチャンスは有り、泣きつくところが比較的健在。
アメリカは例え夫婦でも、各自のバックグランドがバラバラ、人種、宗教、文化、etc。
ましてや離婚、未婚が多く、シングル(独身)で生きていく、結果として友人は“疑似家族、疑似親戚“です。

アメリカでは普通、日本に帰ると言うと友達は必ず、いつ戻ると聞かれます、もしくは直ぐ戻るでしょとかえされます。
私もアメリカを去るとき、悩みに悩みましたが、全ての友達に、日本で腰を落ち着けるために帰るとは言えませんでした・・・・。

また、続きます





“場あたり的な計画は、高くつく、移民の話です”

2016-07-05 14:57:47 | オヤジ留学
中年オヤジNY留学


場あたり的な計画は、高くつく、移民の話です
2016/7/5 記

 ニューヨークに居ると有名人と遭遇したりする機会が多いことは確かです。
 カーネギーホールの並びに、“ロシアンティールーム”と言うレストランがあります、ある日たまたま友達と食事をしていました。 友達いわく、”ちょっと見て、奥の方の角の席、クリストファー・リーブ、スーパーマン役の人が食事している“。
“ええ、どこどこ?”
視力の悪い私にも角ばった顔は、すぐ目につきました、色白で目立ちます。 彼はパートナーと食事中です。
スーパーマン役の彼も、数年後、好きな乗馬中に落馬し脊髄を損傷し車椅子の生活を強いられ、生きることに”ガンバル“姿をテレビで見ましたが、それから暫らくして亡くなりました。
光を放っていただけに、悲しいです

(紅花オーナー、ロッキー青木さん) また私はトランプタワーのある近くの日本の美容室でアルバイトを一年半ほどしていました。
そこのお客様に、当時有名なステーキハウスのオーナーの“ロッキー青木さん”が数か月ごとにパーマをかけに来ています。
ヘヤ―をカールさせ一見、ラティーノ(南米人)風情が彼のトレードマークです。
もともとは、美容室のオーナーのお客様でしたが、私が担当させてもらいました。
”紅花”の名称で日本のみならず世界中にチェーン展開している実業家でしたが、えばった素振りはせず、話も面白い方でした。


当時、週刊誌でも彼は二番目の奥さん(確かアメリカ人?)と離婚協議中で、多額の慰謝料を請求されていることは有名でした。
そこで美容室のオーナー、これは聞きたいとばかりにこの話を持ち出し“今度、結婚する時は、アメリカに来たばかりの、右も左も分からない何億だか何十億だかすごいお金を請求しない人と一緒になればいいのに”

青木氏“ダメダメ、アメリカ人に限らず、人間なんて数年で新しい土地に染まって、結局はみんなと同じことを言い出す、皆、同じ”。

これを聞いて、私は当たり前と言えば、当たり前、しかし実業家だけあって、フラフラした考えかたは無く、定石を踏んでいるなと思いました。

(話転じて、無秩序な移民に反対)ここで、話を日本に向けますが、よく話題に上がるのが、“少子化対策としての移民促進”、私は国策としての移民は反対です
外国人排除の意味ではありません。
働き手がいないと言いますが、企業が望む特定の若い年代の条件を除けば、結構、求職者は余っています。

”介護“等のきつい職業が日本人に大変でも、外国人なら我慢できるのでしょうか?

ロッキーさんの話を持ち出せば外国人でも、あっという間に新天地の文化、情報を吸収し、権利を主張するようになります。
移民の場合でも、入口(いりくち)は重労働、低賃金でも時とともに条件の良い職業へ、また楽な道があれば移っていくのは道理。

アメリカの歴史でもアフリカからの労働力に頼った時もありました。
しかし南北戦争以降、小説”風と共に去りぬ“では街の治安は混乱し、南部では夜〝銃”を携帯しないと外出できなくなり社会は一変したと書かれてあります。
風“つまり南北戦争を境とした社会的混乱の嵐で、白人支配の一方的優位は終焉し始めました。
世の中に甘い話は無いのです、昔も今も

私は、もともと困難を伴う仕事に国家間の経済格差を利用して”移民政策“に頼るのは危険と思います。
これが本当に長続きすると誰が信じます?
そして国策による移民政策のメリットを数年だけ受け入れ企業が享受し、その後の日本の将来、移民政策の負の部分、つまり移民の彼らへの社会保障負担(生活保護を含む)を払い続ける覚悟があるのでしょうか?
働き盛りはほんの一瞬ですよ。

これは最近の英国のEU離脱問題でも移民に対する過度の社会保障の負担、取り上げられていました。

(一億総中流の分解)
アメリカでは隣のご主人が職を失えば“RECESSION―不景気”と呼び、自分の旦那がクビになれば“DEPRESSION―恐慌”と言う冗談めいた諺があります。
今まで日本の格差社会は、一昔前は野党が与党に対する”ケチをつける“程度の問題”でしたが、この問題は真に現在、他人事ではなく身内の問題化しています。

●自分の子供が学校を卒業しても社員のポジションを得ることが出来ない、また長期の職探し。
●老後を楽しむどころか、子供のリストラや子供の離婚による孫を連れての出戻りにより実家をも巻き込むダウンサイジング。

しかも正規、非正規の方との待遇・賃金格差は余りに隔絶。
一方、年金の支払いを初め社会保険料の年々の増額、更にマイナンバー制度の運用開始でパート、アルバイトを問わず課税強化です。
自分のご飯のオカズを買う前に、税金を先に持って行かれる状況です。

これから日本に移民するかもしれない不特定の多数の人達より、現に日本に住み”崖“にぶち当たっている非正規の人達への対応が求められます。


(注)ロッキー青木氏、2008年7月ニューヨークにて肝臓ガンにて死去。

また、続き書きます、では・・・・・