日本語教師ブラジル奮闘記

ブラジル生活裏話

娘にひらがなを教える

2013年12月24日 10時06分10秒 | 日本語教育

 3泊4日の娘の滞在中にひらがなを教えた。と言っても、46文字中25文字だけ。

 今までも5歳のアルファベットも知らない子供に教えた経験もあるが、娘はその5歳の子供よりも覚えが悪いと言ってもいいくらいだった。

 16年の日本語教師経験を持ってしても、かなりの強敵だと言える。

 実は、娘はブラジルの学校でも識字教育で苦労しており、4年生を終了した今でも、文章を読めるようになったが、正確に単語を書けない状況がいまだ続いている。

 僕が見るに、記憶力が悪く、集中力に欠け、ブラジル人気質丸出しの能天気なところが、学習上の大きな障害になっているものと思われる。

 あまりにも記憶力が悪いので、こちらも根負けしたり、指導上語気を荒げたりしてしまう場面もあったが、本人はいたってあっけらかんとしている。

 あまり出来なくても自分を卑下することなく、「日本語の勉強は面白い」と言って笑っている。

 頭は悪いが、ある意味性格はいいのかもしれない。

 親としては頭は悪くても、賢くて優しい大人に育ってくれれば、それで十分かなとも思っている。

 頭が悪いと、いい大学にいけなくなり、結果として安定した仕事にはつけなくなる。

 でも、常に前向きで、人から好かれるタイプであれば、頭脳を使った仕事はできなくても、体を使ったり、人とのコミュニケーション力を利用したり、芸術的な才能を発揮したりして、十分生活していくことも可能である。

 人にはそれぞれ能力といったものがあるのだから、自分が才能を発揮できる分野で活躍できればいいのだあから。

 今年娘と会うのはあと1回。

 娘にひらがな46語全部を覚えさせるのは難しい。25語を復習するだけで終わってしまいそう。46語を全部覚えさせるまでには2年越しになってしまうかもしれない。

 でも、重要なのは彼女が日本語に興味を持つことであり、これをきっかけにほかの学校の科目に好影響が出れば、日本語の勉強以上の効果があったことになり、それはそれでいいのかなと思う。

 日本へ連れて行く前までには少しでも日本語が分かるようになっていてほしいと思う。

 

 


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