ゆきちゃん通信++tomiの日記++

自閉症の娘、由紀子の毎日と
母の生活を綴っています。

初めてのおつかい・・・。

2002年04月15日 | ゆきちゃんの日記
由紀子にはどうしても入る事のできないスーパーがあります。

「サティ」・・・以前は休みのたびに遊びに行っていたスーパーです。

でも、半年ほど前突然、中に入れなくなりました。

原因はよくわからないのですが、
無理につれて入ると緊張でパニック状態になります。

日曜日の事です。

安売りのチラシに誘われて
母は一人でサティへ買い物に行く事にしました。

母  「ゆきちゃん!お母さんサティに行って来るね!一緒に行く?」

ゆき 「やだ!!!!!・・・・本を見てくるね!」 
            
母  「???・・・本って?」
                       
ゆき 「おじゃ魔女ゴーゴー!お母さん買ってくるね!」
        
母  「お母さんにその本を買ってきて欲しいの?」
          
ゆき 「うん!」                               



思い出しました。

数日前、由紀子は雑誌に載っていた
「おじゃ魔女ゴーゴー」の本が欲しいと言っていました。

その時、私が
「サティに行かなくちゃその本は買えないよ!」
と、言ったのです。

それにしても、
こんなにはっきり私に自分の希望を伝えてきたのは初めてでした。

自分が欲しいことを表現するだけではなく
人に買い物を依頼する・・・

これはとても難しい事です。

また一つ、由紀子の中でコミュニケーションの扉が開いたようです。


題名の「初めてのおつかい・・・。」は

私がはじめて由紀子のおつかいをしたってことです。(笑)

うれしい、おつかいでした。


=END=
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ゆきちゃん通信 No16 その2

2002年04月15日 | 新聞 ゆきちゃん通信
これは由紀子が一年生になったのをきっかけに
お世話になった方たちに郵送していた新聞です。
それを日記風にアップしました。
もともとの新聞としてPDFで見ることもできます。

2001年12月24日発行


ゆきちゃん通信No15

その2


私が今年転勤を希望していた理由の一つに
このたくさんのお別れがありました。

どうして、今年は
こんなに由紀子に深くかかわってくださった先生方が
揃って移動されるのか・・・。

私は由紀子がたった一人
学校に取り残されるような気になっていました。

でも、その心配はまたもや私の取り越し苦労だったようです。

始業式の前日、
新しい担任の先生にご挨拶するために
福小へ行った時の事ことです。

2週間ぶりの学校・・・。

学校に行きたくてたまらなかった由紀子が
大きな声で話しながら廊下を進んでいくと、
あちらこちらの教室で新学期の準備をしていた先生方が
次々に顔を出して

『ゆきちゃん!こんにちは!』、

と、声をかけてくださったのです。

大きな荷物を運んでいた先生方も
わざわざ足を止めて声をかけてくださいました。

その度に由紀子の顔がどんどん明るくなっていきます。

由紀子をささえてくださっていたのは
お別れした先生方だけではなく、
学校中の先生方が由紀子をずっと見守ってくださっていた事を
私は忘れていました。

もう大丈夫です。

さぁ!ここからは由紀子の新しい生活をご紹介します。



お引越しをしました。

今まで大津の官舎アパートに住んでいましたが、
商業高校のすぐ側の官舎へお引越しをしました。

今度は一戸建てでお庭もあります。

外遊びが苦手な由紀子がこのお庭で
少しでも外遊びの楽しさを感じてくれたらと思っています。

坂の上に立っている家の横からは福江の街が一望できます。

毎日坂を下って学校へ行くのですが、
今までよりも登校が楽しそうな由紀子です。

ただ、居間から遠くなったトイレが恐いのが由紀子の悩み。

毎回全力疾走で戻ってきます。(笑)


新しい担任先生


新しく5組を受け持ってくださったのはまさ子先生。

今年長崎から転勤していらっしゃいました。

前任のY田先生が
『お母さん安心して大丈夫!』と、
太鼓判を押していかれた通りの先生で、
私はすっかり安心して由紀子をお任せしています。

いつも、ゆったりとした目線で由紀子を見てくださり、
由紀子と勉強していると楽しいと言ってくださいます。

「子どもは子どもの中で育つ部分が大きい」と
交流学級での時間にも力を入れてくださっています。

4年3組の終わりの会でみんなと同じように、
自分で連絡帳を書いてくるのが今の由紀子の自慢です。

毎晩その連絡帳の時間割を見ながら
教科書を用意する姿が、
成長を感じさせてくれます。

以前は軽かったカバンがズシッと重くなりましたが
毎朝元気に坂を下っていきます。

先生と一緒に過ごして2週間。

『学校は楽しい?』の問いかけに

『まさ子先生やさしいの!
まさ子先生すき!』

と答えた由紀子です。


※5組には1年生のとしきくんが入級してきました。
由紀子もいよいよお姉さんです。がんばれ!



新学期のハプニング!

特殊学級で上級生となった由紀子のお仕事に
健康観察カードを保健室に持っていく・・・。
というのがあります。

といっても、保健室は教室の隣なのですが・・・。

今日は1 年生のとしきくんが熱を出してお休みでした。

まさ子先生は由紀子に二つの用事を言いつけました。

①遅くなってすみませんでした・・・といって渡す。

②「としきさんは熱でお休みです。」と、先生に伝える。

戻ってきた由紀子に確認すると
②を忘れてきたようです。

「もう一度行ってきなさい」と促されて
再び教室を出た由紀子は、
なぜか保健室ではなくそのとなりの2年1組へ・・・。

2年1 組の担任は3年生の時に
音楽を教えていただいたT津先生です。


一方、まさ子先生はなかなか帰ってこない
由紀子を心配して保健室へ・・・。

そこで見たのは・・・。

養護の先生とT津先生が由紀子の事を心配している姿でした。

何があったのでしょう?

なんと由紀子は授業中のT津先生に向かって廊下から

『お熱があるの・・・。』

と一言だけ言ったのだそうです。

びっくりしたT津先生は由紀子を連れて
保健室へ行ったというわけでした。

私の想像ですが、
もしかしたら由紀子は何をどうしたらいいのかわからないまま
教室を出たのかもしれません。

そして、去年とてもお世話になったT津先生の所に
相談に行ったのではないでしょうか?

それにしてもその一言だけではみなさんびっくりしますよね。

=END=
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ゆきちゃん通信 No16 その1

2002年04月15日 | 新聞 ゆきちゃん通信
これは由紀子が一年生になったのをきっかけに
お世話になった方たちに郵送していた新聞です。
それを日記風にアップしました。
もともとの新聞としてPDFで見ることもできます。

2002年4月15日発行


ゆきちゃん通信No16

その1


久しぶりの通信になりました。
実は、
「今年は転勤するのではないか」と・・・
勝手に思っていました。

その時の為に2 月頃から
由紀子の転校先などを一生懸命に考えて、
胃が痛くなるような思いをしながら
いろいろと準備もしてきました。

でも、蓋を開けてみたらお父さん7 年目の勤務。

えー!それじゃあ私の努力はどうなるの・・・?
~(-゛-;)~

なんだか気が抜けたような状態で4月を迎えました・・・

と、言い訳をしつつ今回の通信は、
いつも春になるとお伝えしなければならない『お別れ・・・』です。

お伝えしたい事がたくさんあるので今回に限り二枚での発行です。


お世話になりました。そしてありがとうございました!!

※校長先生



今春、定年退職をされました。
入学してから3 年間、
毎朝校門で由紀子を迎えてくださった校長先生

二年生の時には
教室の移動の途中に校長室をのぞいては
お仕事のお邪魔をしていた由紀子でした。

どんなに忙しくても笑顔で相手をしてくださった校長先生が
由紀子は大すきでした。

校長先生がつけてくださった
『姫』というあだ名が
先生方の間ですっかり定着しています。

最後まで由紀子のことを
とても心配してくださっていた事を
みなさんにうかがいました。

本当にありがとうございました。



※K林先生





二年生の時の交流学級の担任のみどり先生です。

校長先生と同じでこの春、定年退職をされました。

学期の初めの頃はよく行方不明になっていた由紀子でしたが、
ぜんぜん慌てず温かく由紀子を見守って下さいました。

帰りの会でタンバリンを叩きながら
子ども達と踊って歌っていた先生の姿が忘れられません。

三年生になってからも帰り道、
先生の教室からタンバリンの音が聞こえると
走って行って廊下で一緒に歌っていた
由紀子に気がついていらっしゃったでしょうか・・・。

いつも穏やかでやさしかった先生に
由紀子だけではなく、ついつい焦ってしまう私も
救われる事が何度もありました。。

いつまでもお元気で・・・。



※T中先生



三年生の交流学級の担任の先生です。

転勤で福江を離れられました。

いつも細かくY田先生と連絡をとってくださって
毎日の由紀子の生活をとても大切にしてくださいました。

おかげさまで交流学級での由紀子は
自信に満ちてのびのびと過ごす事ができました。

T中先生の旅立ちの日はすごい雨でした。

お別れをしている途中で由紀子は
「濡れた、濡れた!」と、言って
私が持っていたタオルをくれといいました。

てっきり自分を拭くものと思っていたら、
なんとT中先生の背広を拭き始めました。

人に対するそんな思いやりの心が育っていた事に
びっくりしました。

お身体に気をつけてがんばってくださいね。


※M原先生



保健室の先生です。

3月に結婚され転勤して旦那様の所へ行かれました。

『ご機嫌いかが?』の合言葉が
もう聞けないことがとても淋しいです。

結婚式でお花をプレゼントする役目を頂いて
式の一場面に参加させていただきました。

先生のドレス姿に感激したのでしょう
家に帰ってから、いろいろな物を身にまとっては「
ドレス!」と、鏡の前で悦にいっていました。

先生は5 組の副担任のような存在でした。

いつも優しい言葉掛をありがとうございました。

お幸せを心からお祈りしています。


※Y田先生



由紀子にとって一番大きな別れは
担任のY田先生です。

隣りの小学校へ転勤されました。

先生とはここに書ききれないほど、
いろいろな事がありました。

楽しい思い出がいっぱいです。

きびしく叱られても由紀子は
Y田先生の事が大好きだといいました。

こだわりの強かった由紀子の壁をこわして
ここまで成長させてくださった先生・・・。

本当にお世話になりました。

『4月の8日から学校!Y田先生・・・・・・いない!』

4月のはじめに由紀子がつぶやきました。

一生懸命先生との別れを受け入れようとしている
由紀子の気持が伝わってきました。

そして、5組で一緒に勉強してきた
けんたくんとあすかさんも
中学校進学の為に長崎へ行ってしまいました。

楽しかった5組に一人残った由紀子・・・。

でも、由紀子は毎日がんばっています。

由紀子は先生と市内の特殊学級交流会で
またお会いできるのを楽しみにしています。


=END=
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